<ライブレポート>9年ぶりに再結成したキマグレン、ビルボードライブ横浜で“2024年の夏”を締めくくる「末永くよろしくお願いします!」

2024年12月9日 / 20:00

 キマグレンが、【KIMAGUREN 夏のアンコール】を、2024年11月29日にビルボードライブ横浜にて開催。ライブを待ちわびたファンと大合唱の連続で大盛り上がりとなった。

 今年、9年ぶり再結成を果たした逗子育ちの幼なじみの2人、KUREI(Vo. / Gt.)、ISEKI(Vo. / Gt.)からなるユニット・キマグレン。ビルボードライブ横浜初登場となるこの日のステージは、9月1日に行われた鎌倉市の材木座海水浴場に約千人を集めたワンマンライブ【-再会と再開-】以来、再結成後2度目となるファン待望のライブで、2人だけのアコースティック編成で行われた。このレポートでは2ndステージの模様をお届けする。

 食事を楽しみながら開演を待つ場内に静かな波の音が流れる中、温かい拍手に迎えられて2人が登場した。ステージ中央にKUREI、右手にISEKIがそれぞれギターを抱えて椅子に腰かける。向かい合い、アルペジオのイントロを経て客席に向き直ると、KUREIが英語で静かに歌い出した。曲は「君を忘れない」。2015年の解散コンサートで最後に歌われた曲だ。KUREI からISEKIが歌う日本語の歌詞へとバトンが渡されて、ほのかに照明が明るくなりサビで歌声を重ねると、再び向き合ってギターを弾く2人。徐々に力強いストロークで歌い、波が引いていくように静かにオープニングを終えた。

 「どうもキマグレンです! 再結成2回目のライブで、まだ不慣れなところは多々ありますが、あたたかい目で見守っていただけたらと思います!」(KUREI)と挨拶すると、「選挙じゃないんだから(笑)」(ISEKI)。幼なじみならではの息のあった軽妙なやりとりで笑わせると、KUREIが「僕らから出る波の音に、体と心を委ねて楽しんでください」と呼び掛けて、「ガンバレロボ」へ。客席から沸き起こったクラップに包まれて、ISEKIが伸びやかな歌声を聴かせると、腕を振って応えるオーディエンス。2曲目にして会場には初夏のような爽やかな熱気が溢れた。

 MCでは、再結成後の2人について語る。元々ある曲たちを今の自分たちのできることに解釈を変えてやっているということで、KUREIが今まで弾かなかったギターを弾いたり、ボーカルにハーモナイザーを使ったりするようになったことを明かした。すると突然KUREIのマイクにエフェクトがかかり、変声になったKUREIに場内大ウケ。この日のMCは終始リラックスした2人のやり取りが楽しむことができた。

 デビュー曲「あえないウタ」では、「夏のイメージが強いキマグレンですけど、デビューしたのは真冬の2月20日なんです」とのKUREIの言葉から、ステージがクリスマスカラーの赤と緑のライティングで彩られる。途中、ISEKIが山下達郎「クリスマス・イブ」を歌ってから曲に戻ると、客席に向かい〈シャラシャランラ〉と合唱を求めて、ほっこり暖かいムードを演出した。KUREIが再びギターを弾き、透き通るようなハーモニーからISEKIが「月光浴」を歌い出す。リバーブのかかったギターの音色と呟くような歌い回しで、幻想的な世界を描き出した。「9月1日のライブを観れなかったという人もいたので、そのときのセットリストをわりとそのままやっているんですけど、「月光浴」は今日のために準備してきました。どうでした?」とKUREIが呼び掛けると、大きな拍手がステージに返ってきた。

 限られた時間の中でたくさんの曲をやれるようにと、メドレーコーナーへ。〈フレーフレー〉と歌い出した「I BELIEVE」からすぐに「リメンバー」へと続き、「サヨナラの朝」から「想い思い」が始まると、自然発生したクラップに「ありがとう!」と客席に笑顔を見せるKUREI。ラップパートも軽快な「トコシエ」から「6色の虹」で一体となると、「I BELIEVE」へと戻る。人間味溢れる歌詞の曲で構成されていたのが印象的なメドレーだった。

 ISEKIがギターを弾き始めると、ひと際力の入ったクラップが沸き起こった。KUREIが「せっかくだから、みんなで歌える曲を」と告げると、ISEKIがコーラスを促して、会場中から大きな声が2人のもとに届けられて始まったのは、代表曲にして大ヒットナンバー「LIFE」だ。KUREIがステージ左右に動き回りながら歌うと、ISEKIも立ち上がって煽る。KUREIが「ビルボードライブ横浜! 声を聴かせてちょうだい! 9年分の思いを!」と呼び掛けると、渾身の大合唱が延々と続く爆発的な盛り上がりとなり、ステージと客席がひとつになる歓喜の光景が広がった。

 MCでは、KUREIがこの日、誰よりも早く家を出発したものの、間違えてビルボードライブ東京がある六本木ミッドタウンへ行ってしまったというエピソードを披露して和ませた。続いての曲は、地元・逗子にある「披露山」をモチーフにしたという、デビューアルバム収録曲「約束の丘」。ノスタルジックな暗がりから夜明けを迎えたような照明の演出と丁寧な歌声は、原点に戻って2人の絆を確かめ合っているかのように感じられた。その素晴らしい歌声に、客席から大きな拍手が送られた。

 「次で最後の1曲」と告げると残念がる観客に、2025年にはフェスへの出演が控えていることを告げる2人。さらに「じつはここで発表が」と告げると、来年2月に横浜、大阪、東京の3会場でビルボードライブ・ツアーを開催することを発表。どよめきが起こった後、期待に満ちた拍手で迎えられた。カントリー調なギターに乗せて歌う「SUKI」へ突入すると、立ち上がって歌うお客さんも。曲中でテンポを落とすと、KUREIが「みんな、いろんな地元があると思います。よかったらみんなが知ってそうな曲をやらせてください」と「カントリー・ロード」を2人で歌い出した。最初は英詞で、次は日本語で歌い、マイクを向けられた客席も大合唱となった。

 「LIFE」のコーラスでアンコールへと呼び込むオーディエンスの声に応えて、ステージに戻った2人。

「今日一日楽しかったです。みんなありがとう! 長く長く、ロングスパンで音楽を楽しんでいきたいと思ってるので、おじいちゃんおばあちゃんになるまでついてきてください!」(ISEKI)

「ひとつずつ丁寧にやっていきたいです。等身大な緩い僕らですけど、末永くよろしくお願いします!」(KUREI)

 最後は、海辺の情景をイメージするような明るく快活な「WOW OH OH」で、この日何度目かの大合唱となり大団円。お互いの名前を呼び合い、「どうもありがとうございました!」と繰り返し客席に感謝して、最後は2人でハイタッチをして、“2024年キマグレンの夏”を締めくくった。

Text:岡本貴之
Photo:福政良治

◎セットリスト
【KIMAGUREN 夏のアンコール】
2024年11月29日(金) 神奈川・ビルボードライブ横浜
1. 君を忘れない
2. ガンバレロボ
3. あえないウタ
4. 月光浴
5. メドレー(I BELIEVE~リメンバー~サヨナラの朝~想い思い~トコシエ~6色の虹~I BELIEVE)
6. LIFE
7. 約束の丘
8. SUKI
EN1. WOW OH OH

【キマグレン/KIMAGUREN Billboard Live TOUR 2025】
神奈川・ビルボードライブ横浜(1日2回公演)
2025/2/13(木)
1stステージ 開場16:30 開演17:30 / 2ndステージ 開場19:30 開演20:30
大阪・ビルボードライブ大阪(1日2回公演)
2025/2/18(火)
1stステージ 開場16:30 開演17:30 / 2ndステージ 開場19:30 開演20:30
東京・ビルボードライブ東京(1日2回公演)
2025/2/24(月・祝)
1stステージ 開場15:30 開演16:30 / 2ndステージ 開場18:30 開演19:30


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