エンターテインメント・ウェブマガジン
フレデリックの対バンイベント【UMIMOYASU 2024 MOVE -MOVE ON-】が9月22日、東京・Zepp Hanedaにて開催された。
2014年にメジャーデビューしてから10周年の節目を迎えたフレデリックが、Zepp Hanedaを舞台に9月・10月・11月と3か月連続で実施する対バンイベント【UMIMOYASU 2024 MOVE】。その第1弾となる【UMIMOYASU 2024 MOVE -MOVE ON-】では、フレデリックと同世代の盟友・go!go!vanillasが対バンゲストとして登場。過去に何度もgo!go!vanillasのライブにフレデリックが客演してきたのに応えて、フレデリックがホストバンドとしてgo!go!vanillasを招いての競演がついに実現。互いの愛とリスペクトが熱く弾ける、最高の一夜だった。
「RUN RUN RUN」のSEとともに登場したgo!go!vanillasは、いきなり「お子さまプレート」「クライベイビー」で満場のクラップを呼び起こし、ワンマンライブさながらの祝祭感を生み出していく。「今日はフレデリックと俺たちの絆を確かめてちょうだい! フレデリックをビビらせるぐらい、めちゃめちゃ踊ってもらっていいでしょうか!」という牧達弥(Vo./Gt.)の言葉に応えて、「青いの。」では会場一面にダンスの輪が広がり、《Loser loser》のコール&レスポンスが巻き起こる。
「おお、めっちゃ楽しいぞ!」と思わず歓喜の声を上げつつ、MCでは牧がフレデリックについて語る。「フレデリックとは本当に長い付き合いで。俺は同い年だからさ、もう全部ジェネレーションのトークができるのが最高だね。さっきも漫画の『BECK』の話してて、俺が無意識に買ってたギターが、実はコユキのパクリだったんじゃないかって――ほら、もうわからんやろ?」といった世代ネタで観客を沸かせたところで、「フレデリックの三原康司(Ba.)に『俺が書きたかった』って言わせた1曲、やってもいいかい?」とミステリアスなダンスポップ風ナンバー「平安」を披露。さらに「鏡」「カウンターアクション」とアグレッシブなナンバーを畳み掛け、牧達弥・栁沢進太郎(Gt.)・長谷川プリティ敬祐(Ba.)・ジェットセイヤ(Dr.)が繰り出すロックンロールの疾走感が、フロアを熱く揺らしていく。
go!go!vanillasにちなんで「-MOVE ON-」オフィシャルグッズにバニラアイスの図柄を盛り込んだ康司を「天は五物ぐらい与えてる!」(牧)と絶賛したり、メンバーそれぞれがフレデリックへの思い入れを語る姿からも、両バンドの親密な関係性が滲む。go!go!vanillasのアクトは「来来来」から「エマ」、さらに「俺たちの時代を一緒に歩んできた、フレデリックに捧げるぜ!」という牧のコールとともに「平成ペイン」を繰り出し、オーディエンスは高らかなシンガロングで応える。ラストの「one shot kill」まで完全燃焼のステージを繰り広げていった。
そして、割れんばかりの拍手喝采を受けてフレデリックが登場。6月にリリースした配信シングル曲「CYAN」で三原健司(Vo・Gt.)渾身のロングトーンに沸き起こった歓声を、「【UMIMOYASU 2024 MOVE】、今宵の海も荒れそうですね! フレデリックです。よろしく!」という健司の一言とともに、フロアを揺さぶる「ジャンキー」の熱量へと繋げてみせる。「go!go!vanillas最高だったと思う人!」と呼びかける健司の声に応えて、熱い叫びと拳が所狭しと突き上がり、「オワラセナイト」では会場一丸のシンガロングが響き渡る。go!go!vanillasの熱演のバトンを受けて、フレデリックも開演早々からクライマックス級の熱気と歓喜でZeppを満たしていった。
「カッコよかったなあ……マジカッコよかった!」とgo!go!vanillasのアクトを感慨深げに振り返りつつ、MCで健司が語る。「9月24日、メジャーデビュー10周年です! この10年、いろんな音楽に出会って、いろんな人に出会って……『このタイミングで一緒に音を鳴らしたい人って誰なんやろ?』って思った時に、同い年で、自分たちがライバル視することもある仲間で、ずっと進化し続けているバンドをお呼びしたいなと思って。『対バンイベントに誰を呼ぶ?』ってなった時に、一番最初にメンバーから名前が出たのがバニラズでした。go!go!vanillas、最高のライブでした!」という健司の言葉に、観客も惜しみない拍手で応える。
「メジャー10周年を振り返って、いろんな曲を伝えたいなと思った時に――『この気持ちをそのまま乗せて1曲やることで伝わるんちゃうかな』っていう曲があるので」(健司)と歌い始めたのは、「名悪役」の《思い出にされるくらいなら二度とあなたに歌わないよ》のフレーズだった。さらに「飄々とエモーション」でオーディエンスのコーラス大合唱を呼び起こしたところで、続く「ナイトステップ」からはノンストップのリミックスコーナーへと突入。康司のシンセベースのサウンドがハイパーな別世界感を醸し出す中
、「midnight creative drive」から「LIGHT」「逃避行」へと鮮やかに曲を繋ぎ、「シンセンス」「スパークルダンサー」に至る頃にはフロアは一面ダンスとジャンプの高揚感で包まれていた。「語彙力ゼロです。マジ最高!」という健司の言葉からも、この日のステージの手応えが十分に窺える。
「数ある休日の中で、今日はみんな、バニラズとフレデリックを選んで集まってくれてるわけでしょ? 今、羽田で一番アツい場所――東京で? 日本で一番ぐらい?」と感激を語る康司に、「あんまり熱くなりすぎたら、気球みたいな感じで浮いちゃうから」と続けて観客を沸かせるのは赤頭隆児(Gt.)。さらに、「ジェットセイヤの好きなところは、あのバーンって勢いあるドラムの感じなのに、牧ちゃんがしゃべってる時こっそりチューニング直してるところ」(高橋武/Dr.)、「おれも進ちゃん(栁沢)も猫飼っとって、進ちゃん(栁沢)猫の名前を呼ぶ時は絶対ファルセット」(赤頭)とgo!go!vanillasメンバーのエピソードを披露、会場がさらに沸き返る。
ライブ終盤は「銀河の果てに連れ去って!」で一面のハンドウェーブを誘ったところから一転、インディーズ時代からの人気曲「バジルの宴」でZeppをロック異空間へと導いてみせる。そして、「ご自分の幸せは、ご自分で掴んでください!」と本編最後に披露したのは、9月7日にリリースされたばかりの最新配信シングル「Happiness」。タイトルとは裏腹に焦燥感に満ちたサウンド、《君を謳った幸福論は僕にとっての報復なんだ》と切迫したリリックが、目映く飛び交うレーザー光線とせめぎ合いながら、鮮烈な場面を描き上げていった。
アンコールではgo!go!vanillasの楽曲「SHAKE」のカバーを披露――しているところに、曲の途中でステージ袖から牧が登場! この特別な日ならではの共演に、場内の多幸感はさらに高まっていく。「自分らも負けてられへんなとも思うし、一緒に上がっていって、面白い景色を見ていこうかなと思ってますので。これからもよろしくお願いします!」と改めて決意を語った健司が、「10年前のあさって、フレデリックはこの曲でメジャーデビューしました!」と紹介したこの日のラストナンバーはもちろん「オドループ」。会場一面の歓喜のジャンプと大合唱がZeppを心地好く揺さぶり、「10年前のあの日は、俺ひとりしか歌えませんでした! あれから10年経って、みんなと歌えて幸せです!」という健司の叫びが、強烈な余韻とともに胸に残った。
【UMIMOYASU 2024 MOVE】の第2弾【UMIMOYASU 2024 MOVE -MAKE A MOVE-】(10月20日)はPerfumeを、第3弾【UMIMOYASU 2024 MOVE -MOVE OUT-】(11月30日)はTHE ORAL CIGARETTESをそれぞれゲストに迎えて開催される。また、フレデリックは11月20日には『優游涵泳回遊録』以来1年9か月ぶりとなる新作ミニアルバム『CITRUS CURIO CITY』をリリース、2025年2月にはアリーナ公演【FREDERHYTHM ARENA 2025】(2月11日:兵庫・神戸ワールド記念ホール、2月24日:東京・日本武道館)を開催する。
Text:高橋智樹
Photo:渡邊一成(フレデリック)/renzo(go!go!vanillas)
◎公演情報
【UMIMOYASU 2024 MOVE -MOVE ON-】
2024年9月22日(日・祝)
東京・Zepp Haneda
<セットリスト>
[go!go!vanillas]
01.お子さまプレート
02.クライベイビー
03.青いの。
04.平安
05.鏡
06.カウンターアクション
07.来来来
08.エマ
09.平成ペイン
10.one shot kill
[フレデリック]
01.CYAN
02.ジャンキー
03.オワラセナイト
04.名悪役
05.飄々とエモーション
06. FRDC Remix
07. 銀河の果てに連れ去って!
08. バジルの宴
09. Happiness
En1.SHAKE(go!go!vanillasカバー、w/牧達弥)
En2.オドループ
◎リリース情報
ミニアルバム『CITRUS CURIO CITY』
2024/11/20 RELEASE
<初回限定盤A(CD+Blu-ray)>
AZZS-160 5,980円(tax in.)
<初回限定盤B(CD+DVD)>
AZZS-161 4,700円(tax in.)
<通常盤>
AZCS-1130 2,200円(tax in.)
J-POP2024年11月22日
工藤静香が、NHK Eテレアニメ『おじゃる丸』12月4日放送回に、本人役“静香さま”としてゲスト出演する。 現在、同番組のエンディングテーマソング「丸」を歌唱している工藤静香。エンディング映像にも自身のキャラが登場している。 ◎工藤静香 … 続きを読む
J-POP2024年11月22日
受験漫画『ドラゴン桜』(著:三田紀房)とコラボレーションしたCD『ドラゴン桜式!超集中!BEST STUDY MIX』が12月25日に発売される。 本作は、東大合格者を毎年多数輩出している渋谷教育学園幕張中学校・高等学校の全面協力のもと … 続きを読む
J-POP2024年11月22日
2024年12月27日に初の日本武道館ワンマンを控えているDEZERTが、先輩バンド3組に挑む東名阪ツーマン・ツアー【This Is The “FACT”】。 名古屋でlynch.、大阪でSadieとの対バンを終え、11月15日(金)、 … 続きを読む
J-POP2024年11月22日
GfK Japanによるダウンロード・アルバム売上レポートから、2024年11月18日~11月20日の集計が明らかとなり、JIN『Happy』が562ダウンロード(DL)でトップを走っている。 本作は、11月15日にリリースされた、BT … 続きを読む
J-POP2024年11月22日
GfK Japanによるストリーミング再生回数レポートから、2024年11月18日~11月20日の集計が明らかとなり、ロゼ&ブルーノ・マーズ「APT.」が3,939,941回で首位を走っている。 同曲は米ビルボード・グローバル・チャート … 続きを読む