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テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が11週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
1位に初登場した2024年5月4日付から今週(7月13日付)まで、11週目の首位を獲得した『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』。テイラー・スウィフトのアルバムはこれまで14作が1位を獲得していて、そのうち首位獲得週が11週間を超えたのは、どちらも同じ11週間を記録した『フィアレス』(2008~2009年)と『1989』(2014~2015年)に続く3作目で、自身の最長タイ記録に到達した。
アルバム・チャート“Billboard 200”で首位獲得週が11週間を超えたのは、2023年3月18日~6月3日付まで12週間(通算記録は19週間)を記録したモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(今週2位)以来で、女性アーティストに限定すると自身の『1989』以来、約10年ぶりの記録を自ら更新した。
『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が次週以降1位を獲得すれば、2011~2012年に通算24週間を記録したアデルの『21』以来、12週間以上首位を獲得した女性アーティスト初のアルバムとなる。
通算記録ではなく女性アーティストによる連続記録としては、1992~1993年に13週間連続で1位を獲得したホイットニー・ヒューストン主体のサウンドトラック『ボディーガード』以来の最長記録で、初登場からの連続記録としても、1987年に同11週間連続を記録したホイットニー・ヒューストンの『ホイットニーII』以来、史上2作目の記録を達成した。
Billboard 200で初登場から11週間以上首位を獲得したのは、『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が以下に続く5作目のアルバムとなる。
13週間 スティーヴィー・ワンダー『キー・オブ・ライフ』(1976年10月16日~1977年8日付)
12週間 モーガン・ウォレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』(2023年3月18日~6月3日付)
11週間 ホイットニー・ヒューストン『ホイットニーII』(1987年6月27日~9月5日付)
11週間 テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年5月4日~7月13日付)
なお、ルミネイトによる集計が始まった1991年以降は1位に初登場することは珍しくなくなったが、それ以前は『キー・オブ・ライフ』と『ホイットニーII』を含む6枚のアルバムしか1位に初登場した作品はない。
これまで同じアーティストのアルバムが3作以上11週間以上首位を獲得したのは、4作を記録したザ・ビートルズ(1964~1970年)、同3作を記録したホイットニー・ヒューストン(1986~1993年)に続く3組で、女性アーティストではホイットニーに続く2組目の快挙を達成した。
ザ・ビートルズ
11週『ミート・ザ・ビートルズ』(1964年)
14週『ハード・デイズ・ナイト 』(1964年)
15週『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(1967年)
11週『アビイ・ロード』(1969~1970年)
ホイットニー・ヒューストン
14週『そよ風の贈りもの』(1986年)
11週『ホイットニーII』(1987年)
20週『ザ・ボディガード』(1992~1993年)
テイラー・スウィフト
11週『フィアレス』(2008~2009年)
11週『1989』(2014~2015年)
11週『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年)
『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』は、今週の集計期間(2024年6月28日~7月4日)にストリーミングが78,000(10%減少)、セールスが35,000(27%増加)、トラックによるユニットは1,000(22%減少)をそれぞれ記録して、累計114,000ユニット(1%減少)を獲得した。アルバムの週間再生回数は、全31曲で1億209万回を記録している。
今週セールスが27%も増加したのは、6月上旬に公式ウェブサイトでのみ予約を受け付けていた2種類の新しいCDが出荷されたからで、どちらにも通常盤に収録された16曲と、1枚には「フォートナイト feat. ポスト・マローン」、もう1枚には「フレッシュ・アウト・ザ・スラマー」のアコースティック・バージョンがそれぞれ収録されている。
テイラー・スウィフトは、今週でBillboard 200での首位獲得総週を80週目に更新して、ソロ・アーティストとしてはエルヴィス・プレスリーのもつ67週をさらに引き離し、史上最長記録を塗り替えた。首位獲得総数としては、ジェイ・Zのもつ14作に並び、ザ・ビートルズ(19作)に続く史上2番目、ソロ・アーティストとしては同率のトップに立っている。
前述の通り、モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(74,000ユニット / 1%増加)は先週の3位から2位に上昇。続いて今週3位には、米テキサス州ヒューストン出身の女性ラッパー=ミーガン・ザ・スタリオンの新作『ミーガン』がデビューして、以下に続く通算6作目のTOP10入りを果たした。
『フィーバー』(2019年 / 最高10位)
『Suge』(2020年 / 最高7位)
『グッド・ニュース』(2020年 / 最高2位)
『Something for Thee Hotties』(2021年 / 最高5位)
『トラウマジン』(2022年 / 最高4位)
『ミーガン』(2024年 / 最高3位)
2024年にリリースされた女性アーティストによるラップ・アルバムとしては、本作『ミーガン』が初のTOP10入りで現時点での最高位となる。
『ミーガン』は、初週ストリーミングが47,000(全18曲で6,267万回)、セールスが16,000、トラックによるユニットは1,000をそれぞれ記録して、累計64,000ユニットを獲得した。CDは、公式ウェブサイトで販売されたジャケット違いの3種類、デジタル・ダウンロードは通常盤、ボーナス・トラックが追加されたAmazon限定盤、公式サイト限定のジャケット違いの2種類、デジタル・サイン入りの1種類の計5種類がリリースされている。
『ミーガン』からは、昨年11月に最高32位を記録した「COBRA」、今年2月10日付で1位に初登場した「HISS」、5月に最高39位を記録した「BOA」の3曲がソング・チャート“Hot 100”にチャートインして、アルバムのヒットに繋げた。
4位は、先週に引き続きビリー・アイリッシュの『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』(63,000ユニット / 10%減少)が同位をキープ。先週6位にランクインしたチャペル・ローンの『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』(60,000ユニット / 2%減少)は今週5位に上昇して、自己最高位を更新し初のTOP5入りを果たしている。
今週は、1位がテイラー・スウィフト、3位がミーガン・ザ・スタリオン、4位のビリー・アイリッシュ、5位にはチャペル・ローンがランクインして、女性アーティストの作品がTOP5中4作を占めた。TOP5に女性アーティスト(もしくは女性アーティストがメインとなる)の作品が4作ランクインしたのは、2023年3月25日付以来約1年4か月ぶりのチャートアクションとなる。
モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(44,000ユニット / 1%増加)は先週の7位から6位、シャブージーの『ウェア・アイヴ・ビーン、イズント・ウェア・アイム・ゴーイング』(40,000ユニット / 1%減少)も10位から8位にそれぞれ上昇し、ノア・カーンの『スティック・シーズン』(39,000ユニット / 1%減少)は先週の11位から9位に、再びTOP10入りした。
今週10位にはビヨンセの『カウボーイ・カーター』(39,000ユニット / 133%増加)が先週の50位からジャンプアップして、5月25日付以来約1か月半ぶりにランクインした。今週急上昇したのは、集計期間中にデラックス・エディションのアナログ盤がリリースされたからで、その反響によりセールスは前週から1,673%増加の24,000に上昇。そのうちアナログ盤の売上枚数は23,000を記録していて、前週から3,551%も売上を伸ばしている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月12日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
2位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
3位『ミーガン』ミーガン・ザ・スタリオン
4位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ
5位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン
6位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
7位『Exodo』ペソ・プルマ
8位『ウェア・アイヴ・ビーン、イズント・ウェア・アイム・ゴーイング』シャブージー
9位『スティック・シーズン』ノア・カーン
10位『カウボーイ・カーター』ビヨンセ
※ペソ・プルマ『Exodo』のEは、正しくはアクセント符号付き
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