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テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が10週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
1位に初登場した2024年5月4日付から今週(7月6日付)まで、10週目の首位を獲得した『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』。テイラー・スウィフトのアルバムはこれまで14作が1位を獲得していて、そのうち首位獲得週が10週間を超えたのは、どちらも11週間を記録した『フィアレス』(2008~09年)と『1989』(2014~15年)に続く3作目で、次週以降1位を獲得すればその2枚の記録に並ぶ。
これまで同じアーティストのアルバムが3作以上10週間以上首位を獲得したのは、4作を記録したエルヴィス・プレスリー(1956~61年)、3作を記録したキングストン・トリオ(1959~69年)、4作を記録したザ・ビートルズ(1964~67年)、3作を記録したホイットニー・ヒューストン(1986~93年)に続く5組目の快挙となる。
エルヴィス・プレスリー
10週『エルヴィス・プレスリー登場!』(1956年)
10週『ラヴィング・ユー』(1957年)
15週『G.I.ブルース』(1060~61年)
20週『ブルー・ハワイ』(1061~63年)
キングストン・トリオ
15週『ザ・キングストン・トリオ・アット・ラージ』(1959年)
12週『ソールド・アウト』(1960年)
10週『ストリング・アロング』(1960年)
ザ・ビートルズ
11週『ミート・ザ・ビートルズ』(1964年)
14週『ハード・デイズ・ナイト 』(1964年)
15週『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(1967年)
11週『アビイ・ロード』(1969~70年)
ホイットニー・ヒューストン
14週『そよ風の贈りもの』(1986年)
11週『ホイットニーII』(1987年)
20週『ザ・ボディガード』(1992~93年)
テイラー・スウィフト
11週『フィアレス』(2008~09年)
11週『1989』(2014~15年)
10週『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年)
『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』は、今週の集計期間(2024年6月21日~6月27日)にストリーミングが87,000(7%減少)、セールスが28,000(16%減少)、トラックによるユニットは1,000(24%増加)をそれぞれ記録して、累計115,000ユニット(9%減少)を獲得した。アルバムの週間再生回数は、全31曲で1億1,321万回を記録している。
テイラー・スウィフトは、今週でBillboard 200での首位獲得総週を79週目に更新して、ソロ・アーティストとしてはエルヴィス・プレスリーのもつ67週をさらに引き離し、史上最長記録を塗り替えた。首位獲得総数としては、ジェイ・Zのもつ14作に並び、ザ・ビートルズ(19作)に続く史上2番目、ソロ・アーティストとしては同率のトップに立っている。
Billboard 200で初登場から10週間以上首位を獲得したのは、2023年3月18日~6月3日付まで12週間(通算記録は19週間)を記録したモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(今週3位)以来で、『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が以下に続く5作目のアルバムとなる。
13週間 スティーヴィー・ワンダー『キー・オブ・ライフ』(1976年10月16日~1977年8日付)
11週間 ホイットニー・ヒューストン『ホイットニーII』(1987年6月27日~9月5日付)
12週間 モーガン・ウォレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』(2023年3月18日~6月3日付)
10週間 モーガン・ウォレン『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(2021年1月23日~3月27日付)
10週間 テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年5月4日~7月6日付)
なお、ルミネイトによる集計が始まった1991年以降は1位に初登場することは珍しくなくなったが、それ以前は『キー・オブ・ライフ』と『ホイットニーII』を含む6枚のアルバムしか1位に初登場した作品はない。
Billboard 200で初登場から10週間以上首位を獲得したのは、2023年3月18日~6月3日付まで12週間(通算記録は19週間)を記録したモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』以来で、女性アーティストでは2012年1月~3月に10週間(通算記録は24週間)を記録したアデルの『21』以来、約12年ぶりの記録を達成した。
21世紀(2001年以降)に入ってから10週間以上1位を獲得したアルバムは、『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が以下に続く11作目で、そのうち3作をテイラー・スウィフトの作品が占めている。
24週 アデル『21』(2011~12年)
19週 モーガン・ウォレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』(2023~24年)
13週 サウンドトラック『アナと雪の女王』(2014年)
13週 バッド・バニー『Un Verano Sin Ti』(2023年)
11週 テイラー・スウィフト『フィアレス』(2008~09年)
11週 テイラー・スウィフト『1989』(2014~15年)
10週 アデル『25』(2015~16年)
10週 モーガン・ウォレン『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(2021年)
10週 シザ『SOS』(2022~23年)
10週 テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年)
続いて今週2位には、米カリフォルニア州出身の女性シンガー・ソングライター=グレイシー・エイブラムスの新作『ザ・シークレット・オブ・アス』が初登場して、自身初のTOP10入りを果たしている。
6月21日にリリースされた『ザ・シークレット・オブ・アス』は、2023年2月に発表したデビュー作『グッド・リダンス』に続く2作目のスタジオ・アルバムで、その前作が記録した52位を大きく上回り自己最高位を更新した。
初週のユニット数は89,000で、その内訳はセールスが50,000、ストリーミングが38,000(全13曲で4,757万回)、トラックによるユニットは1,000だった。週間ユニット、週間セールスいずれも自己最高記録を更新し、今週のアルバム・セールス・チャートでは1位に初登場している。
『ザ・シークレット・オブ・アス』は、それぞれカラーバリエーションの異なる7種類のアナログ盤(うち1種類はサイン入りの公式サイト限定、1種類はカバー・アートの異なるTarget限定)をリリースしたことが高セールスを記録した要因となり、今週のセールス50,000枚のうち、41,000枚をアナログ盤による売上が占めた。2024年のLP週間セールスとしては6番目に高い記録で、自己最高売上枚数を更新している。
グレイシー・エイブラムスは、昨年12月にノア・カーンとコラボレーションした「エブリウェア,エブリシング」がソング・チャート“Hot 100”で79位に初のランクインを果たし、今年の2月に開催された【第66回グラミー賞】では<最優秀新人賞>にノミネートされ大きな注目を集めた。6月22日付のチャートでは、本作に収録された「クロース・トゥ・ユー」が49位にデビューして最高位を更新している。
また、彼女の友人でもあるテイラー・スウィフトの【THE ERAS TOUR】にオープニング・アクトとして2023年4月から8月にかけて29公演参加したことも、本作のヒットに大きく影響している。6月23日にロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催された同ツアーでは、テイラーをフィーチャーした収録曲「アス」を初披露し大きな反響を呼んだ。10月にアメリカで再開されるこのツアーには、12月にカナダで開催される最終公演までオープニング・アクトとして参加することが予定されている。
モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(73,000ユニット / 1%増加)は先週の4位から3位に上昇し、ビリー・アイリッシュの『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』(70,000ユニット / 17%減少)は2位から4位にダウン。続いて今週5位には、メキシコ人シンガーのペソ・プルマによる新作『Exodo』がデビューして、昨年7月に最高3位を記録した前作『Genesis』に続く2作目のTOP5入りを果たした。
『Exodo』の初動ユニットは64,000で、そのほとんどをストリーミングが占めた。週間再生回数は、全24曲で8,751万回を記録している。セールスとトラックによるユニットはそれぞれ1,000程度で、アルバムはデジタル・ダウンロードでのみ購入できる。
本作には、カーディ・BやDJスネーク、リッチ・ザ・キッド、ミーゴズのクエヴォなど人気ラッパー、シンガー等が多数参加している。
先週8位にランクインしたチャペル・ローンの『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』は、今週6位に上昇して自己最高位を更新。週間ユニットは32%増加の61,000に上昇し、週間セールスはこれまでの最高売上となる87%増加の15,000を記録した。また、ストリーミングも21%増加の46,000に上昇し、自己週間最高記録を更新している。
モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(43,000ユニット / 1%減少)は10位から7位に上昇し、8位にはアリアナ・グランデの『エターナル・サンシャイン』が先週の23位からジャンプアップして再びTOP10入りしている。本作は、今週の集計期間中に公式サイトで期間限定販売されたサイン入りCDによる売上が加算され、前週から87%増加の41,000ユニットに数字を伸ばした。
先週9位にランクインしていたチャーリーXCXの『ブラット』は、8%減少の41,000にユニット数を落としたが同位をキープ。10位には、シャブージーの『ウェア・アイヴ・ビーン、イズント・ウェア・アイム・ゴーイング』(41,000ユニット / 1%増加)が先週の12位から上昇し、再びTOP10入りした。
今週は、1位がテイラー・スウィフト、2位のグレイシー・エイブラムス、4位のビリー・アイリッシュ、6位のチャペル・ローン、8位がアリアナ・グランデ、9位にはチャーリーXCXがランクインし、女性アーティストの作品がTOP10中6作を占めた。TOP10に女性アーティスト(もしくは女性アーティストがメインとなる)の作品が6作ランクインしたのは、2019年9月21日付以来約5年ぶりのチャートアクションとなる。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月5日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
2位『ザ・シークレット・オブ・アス』グレイシー・エイブラムス
3位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
4位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ
5位『Exodo』ペソ・プルマ
6位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン
7位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
8位『エターナル・サンシャイン』アリアナ・グランデ
9位『ブラット』チャーリーXCX
10位『ウェア・アイヴ・ビーン、イズント・ウェア・アイム・ゴーイング』シャブージー
※ペソ・プルマ『Exodo』のEと、『Genesis』の1つ目のeは正しくはアクセント符号付き
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