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米ビルボードによる2013年10月の<インディー・アーティスト・オブ・ザ・マンス>に選ばれたアンジー・マクマホン。2ndアルバム『ライト、ダーク、ライト・アゲイン』を通じ、自分自身とリスナーの存在を肯定する旅を続けている。
<アルバム>
『ライト、ダーク、ライト・アゲイン』は2023年10月27日にGracie Music/AWAL Recordingsよりリリースされた。
<原点>
アンジー・マクマホンが初めてステージに立ったのは、ザ・ファブリックというソウルにインスパイアされたバンドのリード・シンガーとしてだった。彼女は母国オーストラリアのカトリック系私立女子校在学中に系列の男子校生徒たちと知り合い、バンドを組んだ。
「(カトリック系私立校という)トラウマ的な体験から、私たちは一緒に抜け出したんです」とアンジーは言う。だがソウル・バンドの顔になることは彼女の生涯の夢ではなかったため、その力量をソロ活動に生かした。
アンジーが複数のソングライティング・コンテストに応募したのは、“自分の実力を確かめるため”であり、また“締め切りが必要だったから”と彼女は冗談めかして言う。彼女は、EPをレコーディングするための米ナッシュビルへの旅が最優秀賞として贈られた母国の【Telstra Road to Discovery】(テルストラ・ロード・トゥ・ディスカバリー)コンテストに応募した。「それは、私たちの世界(オーストラリア)と米国の大きな音楽の世界とのギャップを埋めるという約束でした。実際、私たちの業界と市場は小さいんです。大きなもの、大きな夢は、多くの場合、向こう(米国)で生きています」と彼女は述べている。
ナッシュビルへの旅はかなわなかったが、その年の副賞はボン・ジョヴィの2013年の【ビコーズ・ウィー・キャン・ツアー】のオープニング枠だった。彼女はボン・ジョヴィだけでなく、2番手だったキッド・ロックのオープニング・アクトも務めた。
「すごく変でした。スタジアムのライブを想像してみてください。開場して最初の15分、観客はそれほど多くありません。すごいことですが、比較的リスクは少ない」と彼女は言う。
このツアーでアンジーは「かなり精神的に参った」気分になり、ソングライターとして何を伝えたいかを考えるために休むことにした。2017年にシングル「Slow Mover」をリリースし、2019年にはデビュー・アルバム『ソルト』を発表、【オーストラリア・インディペンデント・レコード・アワード】で<最優秀インディペンデント・ロック・アルバムまたはEP>を受賞した。
<サウンド>
アンジーはシンガー・ソングライターというカテゴリーに優に入ることができ、それはしばしばステージ上で一人ギターを持っているアーティストを連想させる。しかし、大音量の9人組ソウル・バンドのメイン・ボーカルを何年も務め、ボン・ジョヴィのスタジアム公演の観衆の前での厳しい試練を乗り越えた彼女の歌声は、人間関係についての大きな感情を取り上げていても、メンタル・ヘルスと格闘している静かな瞬間を表現していても、どんな部屋でも満たす力を持っている。
自身のサウンドについて彼女は、自分の中に生きている、あるいは少なくともその選択の背後にある意図の中に生きていると感じるさまざまなアーティストに基づいて表現する傾向がある。「私を導いてくれているのは(ブルース・)スプリングスティーンのロックの糸です。そしてパティ・スミスやクリッシー・ハインドのようなボーカルの激しさ、そして良い日には、私が取り込もうとしている勇気がそこにあります」と彼女は言う。
また、ボン・イヴェールやオーストラリアのアーティストのミッシー・ヒギンズを挙げ、“ときどき80年代のシンセサイザーをほんの少しちりばめる”とも話している。
<アルバム>
『ライト、ダーク、ライト・アゲイン』は、アンジーの深く個人的な2ndアルバムにふさわしいタイトルだ。このタイトルのフレーズは最終曲「Making It Through」に登場するが、彼女が幸せな物語から悲劇的な物語へと浮き沈みし、また戻ってくるように、このテーマはほぼすべての曲に織り込まれているように感じられる。
この作品は、「Letting Go」の最後を締めくくるライオット・ガール風のシャウトや、「Divine Fault Line」のスタッカートのコーラスのようなラウドな瞬間があるロック・アルバムだ。「Fireball Whiskey」のような静かな場面では、ドラムが緊張感を高め、アンジーの声が崩れゆく人間関係や不安な気持ちを表現している。気候変動から心理学まで幅広いテーマを持つ、全曲を聴き尽くす価値のあるアルバムを彼女は作り上げた。
アンジーは、「私の身体の中でとても大きく感じていたことを要約し、明確にしようとしたのです。完全に省かれているものもありますし、触れなかった場所もあります。恐怖心からではなく、自分自身のために“ライト・アゲイン”(再び光を取り戻す)の部分を作りたいという意図からです」と説明している。
<躍進>
アンジーは2017年に瞑想的でギターを多用したシングル「Slow Mover」をリリースし、オーストラリアレコード産業協会(ARIA)からダブル・プラチナ認定を受けた。この楽曲は、午前4時にフライドチキンを買いたくない、自分自身にもっと優しくなろうとするという、見かけによらず深遠な歌詞にアンジーの強い声を乗せたものだ。この曲ができた時、希望と恐怖の両方が入り混じったさまざまな感情が生まれたと回想している。
彼女は、「インターネット上の人格が突然必要になり、後で読んでうまく表現力できなかったと自分を責めることもあるだろうインタビューのために頭を整理しなければなりませんでした。でも、精神衛生的な面はさておき、創作して発表することが許される世界を築き始めることができたのは本当に良かったです。それは本当に特別であると同時に、本当に恐ろしいものだと感じました。その感覚は今でも残っていると思います」と話している。
<未来>
アンジーは来年からこのアルバムのツアーを行うが、それまでにまたソングライティングに戻り、さらにはビート制作に挑戦する予定だ。「(ビートを作ることが)次にやりたいことなのかはわからないですが、自分のスキルを伸ばしたい。実験的なものを作るのは本当に好きなんです」と彼女は言う。次のアルバムは、実験的なメディテーション/アトモスフェリック・アルバムになるかもしれないと彼女は推測している。
<手放せないスタジオ機材>
「ギターですね。でも、本当に気に入っている新しい楽器もあるんです。ヤマハのReface CPというキーボード。このアルバム制作中にスタジオで紹介されたんです。ラップトップか、もうちょっと長いサイズで。とにかく音が素晴らしいんです」と彼女は話している。
<もっと注目されるべきだと思うアーティスト>
「一人はアニー=ローズ・マロニーという名の親友です。資本主義や産業中心ではない彼女の生き方は、私の人生を変えました。彼女はとても地に足がついていて、本当に美しい曲を書きます。オンラインでは曲を発表していませんが、将来レコードをリリースする予定なんです」とアンジーは紹介し、「あと、ミミ・ギルバートも。とにかく素晴らしい音楽の才能で、アニーと同じように、とても優しくて地に足がついた人で、長い間音楽を続けていて、そのパフォーマンスに人々はとても感動するんです」と話している。
<アルバムを聴いてくれたリスナーに受け取ってほしいこと>
アンジーは、「希望のきっかけになるといいなと思います。私にとっては、恐れていることの向こう側には良いことが待っているということ、そして自分のための真新しい人生が待っているということを知ること(がメッセージ)です。恐れていることに向かう励みになるかもしれません。私の場合、恐怖は日々変化します。拒絶だったり、深刻なうつ病だったり。ミュージシャンでいることが深刻に不安なとき、それに価値があると感じたり、何か良いことをしていると感じたり、自分がただの自己陶酔的なナルシストではないと感じたりするのは、“私はあれで見てもらえていると感じた。理解された気がした。作ってくれてありがとう”と思えるようなメッセージを受け取ったときなんです」と話している。
By: Taylor Mims / 2023年10月26日 Billboard.com掲載
◎公演情報
【FUJI ROCK FESTIVAL ’24】
期間:2024年7月26日(金)、27日(土)、28日(日)
会場:新潟県 湯沢町 苗場スキー場
※アンジー・マクマホンの出演は27日となります。
<2次先行販売>
3日通し券:54,500円、1日券:24,500円、金曜ナイト券:16,000円
3月1日(金)~5月30日(木)
<一般発売>
3日通し券:60,000円、1日券:25,500円、金曜ナイト券:16,000円
5月31日(金)~
Under22/18
<2次先行販売:Under22>
1日券:18,000円
<2次先行販売:Under18>
1日券:9,000円
3月1日(金)~5月30日(木)
<一般発売:Under22>
1日券:18,000円
<一般発売:Under18>
1日券:9,000円
INFO: FUJI ROCK FESTIVAL
https://www.fujirockfestival.com/
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