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ショーン・“ディディ”・コムズが、2016年にホテルで当時ガールフレンドだったキャシー・ヴェンチュラに暴行を加えたとみられる動画に対して謝罪のコメントを発表した。現地時間2024年5月19日にこのヒップホップ界の大物は、不穏な映像の中での自身の行動の責任を認める70秒の動画をSNSで公開した。
ディディは、「人生で最も暗い時期を振り返るのはとても難しいことだが、時にはそうしなければならないこともある」と、インスタグラムに投稿した謝罪動画で述べており、「私はめちゃくちゃだった。というか、どん底に落ちた。でも言い訳はしない。あの動画での自分の行動は許されるものではない。あのビデオでの自分の行動に全責任を負う。(自分に)うんざりしている。やった時もうんざりだったが、今もうんざりだ」と続けている。
CNNが入手した2016年3月5日付の動画では、ディディがキャシーをエレベーターの列付近で床に押し倒し、彼女が地面に横たわっている状態で数回蹴り、引きずって廊下を進んでいるように見える。
ディディは謝罪を続け、「私は外部の専門家に助けを求めた。セラピーを受け、リハビリ施設に入らなければならなかった。神に慈悲と恵みを求めなければならなかった。本当に申し訳なく思っている。でも、毎日毎日より良い人間になることを誓う。許しを請うつもりはない。本当に申し訳ないと思っている」と話した。
ディディが謝罪したことを受け、キャシーの弁護団の一人が動画に対する声明を発表した。弁護士のメレディス・ファイヤートッグは、「コムズの最近の声明は、彼が傷つけてきた多くの人々よりも、自分自身のことばかりを考えている。キャシーや他の複数の女性たちが名乗り出たとき、彼はすべてを否定し、被害者たちが大金目当てだと示唆した。度重なる否定が虚偽であることが証明されて初めて“謝罪”せざるを得なくなったことは、彼の哀れな自暴自棄ぶりを示しており、誰も彼の誠意のない言葉に動かされることはないだろう」とコメントしている。
このヒップホップ・スターの謝罪は、米ロサンゼルス郡地方検察局が、2016年の動画での行為についてディディを起訴しないとの声明を発表したことを受けてのものだ。ロサンゼルス地方検事ジョージ・ガスコンの事務所は、5月17日にインスタグラムで声明を発表し、「もし記録されている行為が2016年に起こったものであれば、暴行罪が起訴できる時系列を超えているため、残念ながら起訴することはできないだろう」と述べた。
この声明は、警察当局がロサンゼルス郡地方検察局に“動画に記録されている攻撃に関するコムズ氏に対する事件”を提起していないものの、「犯罪の被害者または目撃者になった人は、警察当局に通報するか、被害者サービス局からのサポートを受けるために当オフィスに連絡することを勧めます」と続いている。
動画の内容は、キャシー・ヴェンチュラが2023年11月にディディを相手取って起こした、現在は和解済みの訴訟で主張した暴行の内容を反映しており、1件のレイプと、ディディが自慰行為をしている間、彼女に男性性労働者たちとのセックスを強要したという事例が含まれていた。
キャシーの弁護を担当するダグラス・ウィグダーは、米ビルボードに送った声明で、「胸をえぐられるような動画によって、コムズ氏の憂慮すべき略奪的な行動がさらに確認された。ヴェンチュラさんがこの件を明らかにするために名乗り出た勇気と不屈の精神は、言葉では言い表せない」と述べている。
キャシーは2018年に別れるまで11年間、ディディと断続的な関係を続けていた。訴訟の中で彼女は、二人は自身が19歳で彼が37歳だった2005年に出会ったと述べ、彼のレーベル、バッド・ボーイ・レコードと契約したあとにディディに恋愛関係に“誘い込まれ”、人生を“完全に支配される”ようになったと主張した。
彼女が昨年末に訴訟を起こして以来、ディディはさらに4件の性的不品行訴訟を起こされている。昨年11月には自身のデジタル・メディア会社Revoltの会長の座を退き、今年3月には同社株を売却したと報じられている。また、CNNによると米連邦捜査官は3月、連邦政府による性的搾取の人身取引捜査に関連し、ディディの米ロサンゼルスとマイアミの自宅を家宅捜索した。
ディディは自身に対する性的暴行の疑惑を強く否定している。昨年12月6日にSNSに投稿した声明で彼は、「はっきり言わせてもらうが、私は疑われているようなひどいことは一切していない。自分の名前と家族、そして真実のために戦う」と述べていた。
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