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テイラー・スウィフトのニュー・アルバム『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が、様々な記録を塗り替えて1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』は、2023年11月11日付でNo.1デビューした再録プロジェクト第4弾『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』から約4か月、スタジオ・アルバムとしては2022年11月5日付で1位に初登場した『ミッドナイツ』から約1年5か月ぶりの新作で、2ndアルバム『フィアレス』(2008年)から本作まで14作目の首位を獲得した。
テイラー・スウィフト首位獲得作品
『フィアレス』 (2008年)
『スピーク・ナウ』 (2010年)
『レッド』 (2012年)
『1989』 (2014年)
『レピュテーション』 (2017年)
『ラヴァ―』 (2019年)
『フォークロア』 (2020年)
『エヴァーモア』 (2020年)
『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』(2021年)
『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』(2021年)
『ミッドナイツ』(2022年)
『スピーク・ナウ(テイラーズ・ヴァージョン)』(2023年)
『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』(2023年)
『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年)
テイラーは、これで首位獲得数がジェイ・Zのもつ14作に並び、ザ・ビートルズ(19作)に続く史上2番目、ソロ・アーティストとしては同率のトップに立った。
Billboard 200 首位獲得総数
19作 ザ・ビートルズ
14作 ジェイ・Z
14作 テイラー・スウィフト
13作 ドレイク
11作 ブルース・スプリングスティーン
11作 バーブラ・ストライサンド
11作 カニエ・ウェスト(イェー)
10作 エミネム
10作 エルヴィス・プレスリー
10作 フューチャー
『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』は、現地時間2月4日に開催された【第66回グラミー賞】でアルバムの発表を告知し、同日から予約を開始して約2か月後の2024年4月19日にリリースされた。
4月19日の午前0時には16曲を収録した通常盤のストリーミングとデジタル・ダウンロード、17曲を収録したフィジカル・アルバムがリリースされ、その2時間後には本編に15曲を追加した計31曲収録のデラックス盤『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント:ジ・アンソロジー』をサプライズ・リリースしている。以下、リリースされた各エディションの概要。
[ザ・マニュスクリプト・エディション]
ザ・マニュスクリプト・エディションは、通常盤のCDとアナログ盤はすべての販売店で購入可能だが、サイン入りのCDとアナログ盤、デラックス盤のCDとカセット・テープは公式ウェブサイトでのみ購入できる。通常盤のCD、グッズを封入したCDのデラックス・エディション、ホワイト・カラーのアナログ盤、ターゲット限定のクリア・レコード、ホワイト・カラーのカセットテープには、通常盤の16曲に加えボーナス・トラックが1曲が収録されている。
[ジ・アルバトロス・エディション]
CDはポスターを封入したターゲットの限定盤とブランドグッズを封入したデラックス盤、スモーク・カラーのアナログ盤、 スモーク・カラーのカセットテープがあり、ブランドグッズを封入したCDのデラックス盤とカセットテープは公式ウェブサイトでのみ購入できる。
[ザ・ボルター・エディション]
CDはポスターを封入したターゲットの限定盤とブランドグッズを封入したデラックス盤、ベージュ・カラーのアナログ盤、 ベージュ・カラーのカセットテープがあり、それぞれ通常盤に収録された16曲にボーナス・トラックが1曲が追加されている。アナログ盤は多くの販売店で購入できるが、CDのデラックス盤とカセットテープは公式ウェブサイトでのみ購入できる。
[ザ・ブラック・ドッグ・エディション]
CDはポスターを封入したターゲットの限定盤ととブランドグッズを封入したデラックス盤、チャコール・カラーのアナログ盤、チャコール・カラーのカセットテープがあり、それぞれ通常盤に収録された16曲にボーナス・トラックが1曲が追加されている。アナログ盤は多くの販売店で購入できるが、CDのデラックス盤とカセットテープは公式ウェブサイトでのみ購入可能。
[デラックス・エディション]
全31曲を収録したデラックス・エディション『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント:ジ・アンソロジー』には、追加収録曲11曲と上記4種にそれぞれ収録されたボーナストラック「ザ・マニュスクリプト」、「ジ・アルバトロス」、「ザ・ボルター」、「ザ・ブラック・ドッグ」の4曲がすべて収録されていて、デジタル・ダウンロードはすべての販売店で購入できる。
こうして様々な仕様のフィジカル、デジタル・ダウンロードがリリースされたことにより、初週(2024年4月19日~4月25日)はセールスが1,914,000、ストリーミングが683,000、トラックによるユニットは14,000をそれぞれ記録して、累計2,610,000ユニットという驚異的な数字を叩き出した。
この記録は、ストリーミングを集計に加算した2014年12月以降、アデルの『25』が初週で打ち出した3,482,000に次ぐ2番目に高い週間ユニットで、上位10週のうち6週をテイラー・スウィフトのアルバムが達成したことになる。
週間ユニット上位TOP10(2014年12月~)
1位 アデル『25』(2015年12月12日) / 3,482,000ユニット
2位 テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年5月4日) / 2,610,000ユニット
3位 テイラー・スウィフト『1989 (テイラーズ・ヴァージョン)』(2023年11月11日) / 1,653,000ユニット
4位 テイラー・スウィフト『ミッドナイツ』(2022年11月5日) / 1,578,000ユニット
5位 テイラー・スウィフト『レピュテーション』(2017年12月2日) / 1,238,000ユニット
6位 アデル『25』(2016年1月9日) / 1,193,000ユニット
7位 アデル『25』(2015年12月19日) / 1,162,000ユニット
8位 ドレイク『ヴューズ』(2016年5月21日) / 1,039,000ユニット
9位 テイラー・スウィフト『ラヴァー』(2019年9月7日) / 867,000ユニット
10位 テイラー・スウィフト『フォークロア』(2020年8月8日) / 846,000ユニット
また、初週の週間再生回数(ストリーミング)は全31曲で8億9,137万回というこちらも驚異的な数字を叩き出し、ドレイク『スコーピオン』が初登場で記録した7億4,592万回を大きく上回る、過去最大の週間ストリーミングを達成した。
週間ストリーミング上位TOP10
1位 テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年5月4日) / 8億9,137万回
2位 ドレイク『スコーピオン』(2018年7月14日) / 7億4,592万回
3位 ドレイク『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』(2021年9月18日) / 7億4,367万回
4位 テイラー・スウィフト『ミッドナイツ』(2022年11月5日) / 5億4,926万回
5位 ドレイク『フォー・オール・ザ・ドッグス』(2023年10月21日付) / 5億1,401万回
6位 ドレイク&21サヴェージ『ハー・ロス』(2022年11月19日) / 5億1,356万回
7位 モーガン・ウォレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』(2023年3月18日) / 4億9,828万回
8位 リル・ウェイン『カーターV』(2018年10月13日) / 4億3,302万回
9位 ポスト・マローン『ビアボングズ&ベントレーズ』(2018年5月12日) / 4億3,134万回
10位 ジュース・ワールド『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』(2020年7月25日) / 4億2,263万回
初週の週間セールス1,914,000枚は、4月13日付で1位に初登場したビヨンセの『カウボーイ・カーター』が記録した228,000枚を大きく上回る現時点での今年最高の週間セールスで、ルミネートが集計をはじめた1991年以降では3番目に高い記録を更新している。
週間セールス上位TOP10(1991年~)
1位 アデル『25』(2015年11月25日) / 3,378,000枚
2位 イン・シンク『ノー・ストリングス』(2000年4月8日) / 2,416,000枚
3位 テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年5月4日) / 1,914,000枚
4位 イン・シンク『セレブリティ』(2001年8月11日) / 1,878,000枚
5位 エミネム『ザ・マーシャル・マザーズ・LP』(2000年6月10日) / 1,760,000枚
6位 バックストリート・ボーイズ『ブラック・アンド・ブルー』(2000年12月9日) / 1,591,000枚
7位 テイラー・スウィフト『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』(2023年11月11日) / 1,359,000枚
8位 エミネム『ザ・エミネム・ショウ』(2002年6月15日) / 1,322,000枚
9位 ブリトニー・スピアーズ『ウップス!…アイ・ディド・イット・アゲイン』(2000年6月3日) / 1,319,000枚
10位 テイラー・スウィフト『1989』(2014年11月15日) / 1,287,000枚
※エミネムの『ザ・エミネム・ショウ』のみ登場2週目に記録した売上で、その他の9作はすべて初登場週で達成した。
週間セールスがミリオンを達成した上記10作のうち6作は、デジタル・ダウンロードやストリーミングがなかった2000年代初頭、つまりCDが主流だった時代のアルバムで、2020年以降はアナログ盤の売上が高い割合を占めている。
『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が今週記録した1,914,000枚の内訳は、フィジカル・セールスが1,640,000枚、デジタル・ダウンロードは274,000枚で、フィジカルの内訳はアナログ盤が859,000枚、CDが759,500枚、カセットテープが215,000だった。
アナログ盤による週間セールスとしては、昨年の11月に自身の『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』が初週で記録した693,000枚を上回り、史上最高売上枚数を達成している。なお、アナログ盤の週間セールスTOP10のうち、6週間(うち上位4週)をテイラー・スウィフトのアルバムが独占した。
アナログ盤週間セールス上位TOP10(1991年~)
1位 テイラー・スウィフト『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(2024年5月4日) / 859,000枚
2位 テイラー・スウィフト『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』(2023年11月11日) / 693,000枚
3位 テイラー・スウィフト『ミッドナイツ』(2022年11月5日) / 575,000枚
4位 テイラー・スウィフト『スピーク・ナウ(テイラーズ・ヴァージョン)』(2023年7月22日) / 268,000枚
5位 ハリー・スタイルズ『ハリーズ・ハウス』(2022年6月4日) / 182,000枚
6位 テイラー・スウィフト『レッド(テイラーズ・ヴァージョン)』(2021年11月27日) / 114,000枚
7位 アデル『30』(2021年12月4日) / 108,000枚
8位 テイラー・スウィフト『エヴァーモア』 (2021年6月12日) / 102,000枚
9位 オリヴィア・ロドリゴ『ガッツ』(2023年9月23日) / 94,000枚
10位 トラヴィス・スコット『ユートピア』(2023年8月26日) / 93,000枚
昨年、アナログ盤のみの総売上枚数がはじめて年間100万枚を突破したのはテイラー・スウィフトの『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』で、年間の総売上枚数1億532万枚のうち6%をテイラーのアルバムが占めている。
アナログ盤、CD、カセットテープを含むフィジカルの売上が初週で100万枚を突破したのは、『スピーク・ナウ』 (2010年)、『レッド』 (2012年)、『1989』(2014年)、『レピュテーション』 (2017年)、『ミッドナイツ』(2022年)、『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』(2023年)に続く7作目で、ルミネートが集計を始めた1991年以降の記録では、初週でミリオンを突破した最多記録(7作)を自ら更新している。なお、1991年以降に初週で100万枚を突破したアルバムは本作を含め計24作あり、そのうちアデルの『25』は3週間100万枚を記録した。
今週は、『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』の他にパール・ジャムのニュー・アルバム『ダーク・マター』が5位に初登場している。
『ダーク・マター』は、2020年4月11日付で5位を記録した前作『ギガトン』から約4年ぶり、通算12作目のスタジオ・アルバムで、2011年リリースのコンピレーション・アルバム『パール・ジャム トゥウェンティ』(最高10位)含む、通算13作目のTOP10入りを果たした。
『ダーク・マター』の初動ユニットは59,000で、その内訳はセールスが52,000、ストリーミングが7,000(全11曲で)933万回だった。週間セールス52,000枚のうち24,000枚がアナログ盤による売上で、全12色のバリエーションでリリースしたことが高セールスを記録した要因となった。
タイトル曲の「ダーク・マター」は、3月にメインストリーム・ロック・エアプレイ・チャートで1位に到達し、1998年以来約26年ぶり、通算4曲目のNo.1タイトルを獲得した。また、オルタナティブ・エアプレイでは通算20曲目のTOP10入りを果たしている。
フューチャー&メトロ・ブーミンの『ウィー・ドント・トラスト・ユー』(69,000ユニット / 17%減少)は、先週の3位から2位に、ビヨンセの『カウボーイ・カーター』(66,000ユニット / 33%減少)は2位から3位に順位を入れ替え、モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(64,000ユニット / 11%減少)は4位をキープした。
先週1位に初登場したフューチャーとメトロ・ブーミンの『ウィー・スティル・ドント・トラスト・ユー』(54,000ユニット / 57%減少)は6位にダウンして、ノア・カーンの『スティック・シーズン』(45,000ユニット / 11%減少)は5位から7位、ベンソン・ブーンの『ファイアワークス& ローラーブレーズ』(40,000ユニット / 8%減少)は7位から8位、シザの『SOS』(39,000ユニット / 2%減少)も8位から9位にそれぞれ順位を下げた。
10位には、テイラー・スウィフトの『ラヴァー』(37,000ユニット / 6%減少)が先週の11位から上昇して再びTOP10入りしている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月3日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
2位『ウィー・ドント・トラスト・ユー』フューチャー&メトロ・ブーミン
3位『カウボーイ・カーター』ビヨンセ
4位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
5位『ダーク・マター』パール・ジャム
6位『ウィー・スティル・ドント・トラスト・ユー』フューチャー&メトロ・ブーミン
7位『スティック・シーズン』ノア・カーン
8位『ファイアワークス&ローラーブレーズ』ベンソン・ブーン
9位『SOS』シザ
10位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
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