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米ジョージア州アトランタ出身のシンガー・ソングライター=テディ・スウィムズの「ルーズ・コントロール」がHot 100史上1,167番目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
テディ・スウィムズは、2019年6月に故マイケル・ジャクソンの「ロック・ウィズ・ユー」をカバーした動画がヒットして、同年の年末にワーナー・レコードと契約。米ビルボード・チャートに初めてランクインしたのは2021年で、2023年9月にはソングライターとして参加した同ジョージア州出身のカントリー・シンガー=トーマス・レットの「エンジェルス」がカントリー・エアプレイ・チャートで1位を記録するヒットとなり、注目を集めた。
Hot 100での首位獲得は、テディ・スウィムズにとってキャリア初のNo.1タイトルで、ソングライターとしても同曲で自身初の首位を獲得したことになる。
ソングライターとして参加したジュリアン・ブネッタ、DJインフェイマス、ミッキー・エッコにとっても「ルーズ・コントロール」が初の首位獲得曲で、もう一人のソングライターのジョシュ・コールマンは、ケシャの「ウィー・アー・フー・ウィー・アー 」(2010年 / 3週)、ケイティ・ペリーの「E.T. feat.カニエ・ウェスト」(2011年 / 5週)に続く3曲目のNo.1タイトルを獲得した。
「ルーズ・コントロール」は、2023年6月にリリースされてから徐々にチャートを上昇し、今年の1月20日付で8位にTOP10入りを果たした後、今週(2024年3月30日付)登場32週目で首位に到達した。
初登場から首位を獲得するまでの期間としては史上5番目に長い記録で、男性ソロ・アーティストとしては最長記録を更新している。
59週 グラス・アニマルズ「ヒート・ウェイヴス」(2022年3月)
54週 ブレンダ・リー「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」(2023年12月)
35週 マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(2019年12月)
33週 ロス・デル・リオ「マカレナ」(1996年8月)
32週 テディ・スウィムズ「ルーズ・コントロール」(2024年3月)
31週 ザ・ウィークエンド&アリアナ・グランデ「ダイ・フォー・ユー」(2023年3月)
31週 ローンスター「アメイズド」(2000年3月)
30週 ジョン・レジェンド「オール・オブ・ミー」(2014年5月)
「ルーズ・コントロール」は、今週の集計期間(2024年3月15日~3月21日)にエアプレイが5,910万回(9%増加)、ストリーミングが2,320万回(2%減少)、セールスは8,000(34%減少)をそれぞれ記録して、エアプレイ・チャートでは5位から3位に上昇。ストリーミング・ソング・チャートは4位、デジタル・ソング・セールス・チャートでは6位をそれぞれキープした。
ジャンル別のエアプレイでは、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで2週目の首位を獲得。アダルト・オルタナティブ・エアプレイ・チャートでは1月に2位まで上昇し、ポップ・エアプレイ・チャートでは6位から4位にTOP5入りを果たしている。
今週の集計期間中には、3月19日にオランダのDJティエストによるリミックス、21日にラジオ・エディットがそれぞれリリースされ、ポイントの上昇に繋げた。これまでには、オリジナル・バージョン、アカペラ・バージョン、インストゥルメンタル、ピアノ・バージョン、ストリングス・バージョン、スローダウン&スピードアップ・ミックス、BBCラジオ1によるライブ・ラウンジ・セッション、米ナッシュビルのライマン公会堂でフリーク・フリーリーと録音したライブ・バージョン、イギリスの音楽プロデューサー=ゴダードによるリミックスがリリースされている。
2023年9月に発表したデビュー・アルバム『アイヴ・トライド・エヴリシング・バット・セラピー(パート1)』も、「ルーズ・コントロール」のヒットを受けて2024年3月16日付で最高位となる25位まで上昇し、リリースから約半年間を経てTOP30入りを果たした。
タイトルに「ルーズ(Lose)」が含まれる曲が首位を獲得するのは「ルーズ・コントロール」が以下に続く史上4曲目のタイトルで、過去形の「ロスト(Lost)」を含めると7曲目の首位獲得曲となる。
「ルーズ(Lose)」
テディ・スウィムズ「ルーズ・コントロール」(2024年)
セレーナ・ゴメス「ルーズ・ユー・トゥー・ラブ・ミー」(2019年)
エミネム「ルーズ・ユアセルフ」(2002年)
グロリア・エステファン「ドント・ウォナ・ルーズ・ユー」(1989年)
「ロスト(Lost)」
デビー・ギブソン「ロスト・イン・ユア・アイズ 」(1989年)
リサ・リサ &カルト・ジャム「ロスト・イン・エモーション」(1987年)
ライチャス・ブラザーズ「ユーヴ・ロスト・ザット・ラヴィン・フィーリング」(1965年)
なお、Loseの対義語となるwin、wonがタイトルに含まれる曲が首位を獲得したことは現時点ではない。
テディ・スウィムズに続き、ベンソン・ブーンの「ビューティフル・シングス」も先週の3位から2位に最高位を更新。両曲はどちらもワーナー・レコードからリリースされた曲で、2013年4月6日付でマックルモア&ライアン・ルイスの「スリフト・ショップ」が1位、バウアーの「ハーレム・シェイク」が2位を獲得して以来、約11年ぶりにワーナー・レコード(当時はワーナー・ブラザース)による曲が1位と2位を独占した。
先週1位に初登場したアリアナ・グランデの「we can’t be friends (wait for your love)」は今週3位にランクダウンしたが、ストリーミング・ソング・チャートでは2,630万回を記録して2週目の首位を獲得し、エアプレイ・チャートでは1,240万回を記録して今週最も伸びた曲に贈られるAieplay Gainerを獲得している。
ジャック・ハーロウの「ラヴィン・オン・ミー」は先週の5位から4位に上昇。エアプレイ・チャートでは7,390万回を記録して10週目の首位を獲得し、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートではそれぞれ15週目の首位を獲得した。
カニエ・ウェスト(イェー)とタイ・ダラー・サインの「カーニバル feat. リッチ・ザ・キッド&プレイボーイ・カルティ」は、先週の4位から5位にダウン。ビヨンセの「テキサス・ホールデム」は6位をキープして、カントリー・ソング・チャートでは6週目の首位を獲得した。
ザック・ブライアンの「アイ・リメンバー・エヴリシング feat. ケイシー・マスグレイヴス」は先週の9位から7位に上昇して、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとロック・ソング・チャートではそれぞれ30週目の首位を獲得している。
8位をキープしたテイト・マクレーの「グリーディー」を挟み、今週9位には3月15日にリリースしたカーディ・Bの新曲「イナフ(マイアミ)」が初登場。初週ストリーミングが1,450万回、エアプレイが880万回、セールスは37,000をそれぞれ記録して、デジタル・ソング・セールス・チャートでは自身7曲目の首位を獲得した。
カーディ・BのTOP10入りは、2022年10月8日付で9位を記録した「Tomorrow 2」以来約1年半ぶり、セルフ・タイトルとしては2021年3月に5曲目の首位を獲得した「Up」以来のランクインで、記録を通算12曲目に更新した。
1位「ボダック・イエロー」(2017年)
6位「モーター・スポーツ ミーゴス feat. ニッキー・ミナージュ&カーディ・B」(2017年)
3位「フィネス with ブルーノ・マーズ」(2018年)
4位 「ノー・リミット G・イージー feat. エイサップ・ロッキー&カーディ・B」(2018年)
1位「アイ・ライク・イット feat. バッド・バニー&J.バルヴィン」(2018年)
1位「ガールズ・ライク・ユー マルーン5 feat. カーディ・B」(2018年)
3位「プリーズ・ミー with ブルーノ・マーズ」
1位「WAP with ミーガン・ザ・スタリオン」(2020年)
1位「Up」(2021年)
4位「ルーマーズ with リゾ」(2021年)
9位「Tomorrow 2 with グロリラ」(2022年)
9位「イナフ(マイアミ)」(2024年)
タイトルに「マイアミ(Miami)」が含まれる曲がTOP10にランクインするのは、1985年11月9日付でヤン・ハマーの「マイアミ・バイスのテーマ」が1位を獲得して以来、史上2曲目のタイトルとなる。
10位は、テイラー・スウィフトの「クルーエル・サマー」が先週の13位から上昇して再びTOP10にランクインした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは3月29日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「ルーズ・コントロール」テディ・スウィムズ
2位「ビューティフル・シングス」ベンソン・ブーン
3位「we can’t be friends (wait for your love)」アリアナ・グランデ
4位「ラヴィン・オン・ミー」ジャック・ハーロウ
5位「カーニバル」カニエ・ウェスト&タイ・ダラー・サイン feat. リッチ・ザ・キッド&プレイボーイ・カルティ
6位「テキサス・ホールデム」ビヨンセ
7位「アイ・リメンバー・エヴリシング」ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス
8位「グリーディー」テイト・マクレー
9位「イナフ(マイアミ)」カーディ・B
10位「クルーエル・サマー」テイラー・スウィフト
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