<ライブレポート>miwa、サザエさん姿でドラムも披露した内容盛りだくさんな7年振りの【39 live】

2024年3月19日 / 16:00

 miwaが2024年3月9日東京・Zepp Hanedaにてワンマンライブ【miwa -39 live- 2024 “sing dance enjoy!”】を開催した。【39 live】は、2011年から始まった1年の感謝を込めて行う恒例のライブだが、行われるのはじつに7年振り。待望の開催とあって、開演時間には客席はギッシリと埋まっていた。

 BGMが徐々に大きくなると、暗転してバンドメンバーのeji(Key)、オバタコウジ(Gt)、 宮本將行(Ba)、白根佳尚(Dr)に続き、miwaがステージに上がる。鮮やかなイエローの衣装が眩しい。「39 live、盛り上がっていきましょう!」と第一声を放つと、エレキギターのリフを奏でて「ありえない!!」からライブがスタート。疾走する8ビートに合わせて、右手を豪快に振り上げてギターを弾くなど、ワイルドなアクションを見せるmiwaに、オーディエンスもタオルを回したりコーラスしたりと、全力で応える。「この39 liveは、みんなにサンキュー、感謝の気持ちを思いっきり届けたいと思います!受け取ってくれますかー!?だって、みんながいないとライブできないじゃん。つまんないじゃん!」と煽ってから、「あなたがいないと世界はこんなにつまらない」へと繋いでいく。ハンドマイクを持ち飛び跳ねながら歌い終えると、息を切らしつつ「39 liveってこんなに息が切れるんだ(笑)。メンバーがステージに出てきた瞬間から、すごい歓声が起きていて、みんなもライブを楽しみにしてくれたんだなっていうのがすごく嬉しかった」とmiwa。ファンはもちろん、本人とっても特別なライブであることが伺えた。待望の【39 live】を楽しみにしていたであろうことが伝わってくるオープニングだった。

 前半のハイライトとなったのが、「踊れるメドレーコーナー」。事前に当日の歌うメドレー曲と、miwa自身がレクチャーする振り付け動画が公開されていたこともあり、一緒にステージで踊ってくれる観客を募集すると、客席のあちこちから手が上がった。小さな子供を含む男女合計8人が選ばれてステージへ。「FRiDAY-MA-MAGiC」「fighting -φ- girls」「Princess」「360°」「DAITAN!」「ストレスフリー」「ミラクル」と、曲ごとに施された細かいダンスの振りを、全員がほとんど間違えることもなく踊りきって完走。ステージに向かい踊った観客も含めて、「素晴らしい!みんなよく頑張りました!」と称えるmiwa。ファンたちのダンスも見事だったが、歌って踊ってステージ上のファンにも声をかけるmiwaのパワフルさに圧倒されたコーナーであった。なお、参加者全員にmiwaのピックがプレゼントされた。

 続いてこちらも予告されていた、miwaによる「ドラムチャレンジ」。まずはその道のりがスクリーンで紹介された。ドラマーの“よっち”こと河村吉宏を講師に、12日間かけてドラムで曲が叩けるように技術を学ぶmiwa。河村のやり取りに、ときに笑いつつ見守った観客の前に現れたのは、サザエさんに扮して笛を吹きながらバックステップでそれぞれコスプレ姿のカツオ(宮本)、ワカメ(オバタ)、波平(白根)、フネ(eji)を呼び込むサザエさんことmiwa。練習でも使用していた「CANOPUS」のドラムセットが中央に運ばれてくると、スティックを握ったmiwaは「タツタツタツタツ…」と軽快にリズムを刻みだす。叩きながら歌ったのは2021年に発表された『筒美京平SONG BOOK』でカバーした「サザエさん」主題歌だ。河村が2階席から見守る中、自身が叩くタイトなドラムに合わせて溌剌と歌うmiwa。ドラムソロを披露すると立ち上がり両手を広げて「サザエでございま~す!」とポーズを決めてみせた。演奏を終えると、再び笛を吹き1人でバックしながらサザエさんとしては退場した。

 ライブが再開すると、バンドで初めて演奏するという「Aye」へ。ラテンフレイバーな情熱的なメロディと疾走する演奏が熱い。「super heroine」では壮大な広がりを見せる演奏に乗せてエレキギターをパワフルに弾きながら歌うmiwa。オバタによるギターソロがエモーショナルに曲の世界を締めくくった。

「3月3日でデビュー14周年を迎えました!本当にみなさんのおかげですありがとう!みんなは私にとって心強い、かけがえのない存在です。これからもみんなと一緒に、未来を描いていろんな夢を叶えていけたら良いなと願って、次の曲を歌います」。MCに続いて歌ったのは「Delight」。ギターをフライングVに持ち替えて、のびやかな高音を天に昇るように歌唱する。ドラマティックで、熱く心を震わせる歌声が会場に広がっていった。ミラーボールが回る下で歌われたダンサブルな16ビートの「ヒカリヘ」から「We are the light」へと続く“光”をモチーフにした3曲は、先ほどまでのユーモアたっぷりな姿とはまるで別人のような真摯でカリスマ性のあるステージングで、特に「We are the light」のラストにアカペラで歌ったロングブレスはものすごい迫力で、曲が終わるとしばらく拍手が鳴りやまず。

 「ここにいるみんな、それぞれが違った良さがあると思います。そんな違いをわかろうとする気持ちってすごく大切で、温かい気持ちになれると思います。何かに寄り添ったときに、きっと愛が生まれるんだと思います。ときには誰かに理解してもらえなかったり、上手く自分のことが伝わらなかったり、そんなときもあると思います。だけど、この歌でそんな傷ついてしまった心や、これまであったいろんなことを包み込めるように、“君はそのままでいいんだよ”っていうメッセージを込めて書いた曲です」と紹介してから披露されてのは、新曲「それでもただ」(日本テレビ系日曜ドラマ『厨房のありす』主題歌)。ピアノとストリングスの音色と共に歌うメロディと歌声は濁りの無い清廉なもので、真っすぐにメッセージが胸に沁み込んでいくようだった。

 アンコールでは、現在アルバムを制作中で、5月にリリースすることを発表してファンを歓喜させた。さらに、客席最前列にいたカップルが前日の3月8日「miwaの日」に入籍したという話から、アカペラで「Wedding Wish」を歌いプレゼントするサプライズ。躍動感たっぷりに楽しませたロックンロール「リトルガール」で盛り上がると、ラストの曲へ。ドラムチャレンジを2階席で観ていたはずの河村がドラムセットと共にステージに登場して、ツインドラムで「春になったら」を明るく賑やかにパフォーマンス。メンバー1人1人と触れ合いながら、客席にマイクを向けてコーラスを促すと、会場が1つとなる大合唱。「みんな最高ー!ありがとうー!」と喜びを爆発させて終演となった。最初から最後まで、盛りだくさんな内容で、まさにファンへの感謝を最大限に表したライブだった。

Text:岡本貴之
Photo:あき

◎公演情報
【miwa -39 live- 2024 “sing dance enjoy!”】
2024年3月9日(土) 東京・Zepp Haneda

◎セットリスト
1. ありえない!!
2. あなたがいないと世界はこんなにつまらない
3. 321
4. いくつになっても
5. 踊れるメドレー(FRiDAY-MA-MAGiC、fighting-φ-girls、Princess、360°、DAITAN!、ストレスフリー、ミラクル)
6. サザエさん
7. Aye
8. super heroine
9. Delight
10. ヒカリヘ
11. We are the light
12. それでもただ
EN1. Wedding Wish
EN2. リトルガール
EN3. 春になったら


イベント情報 EVENT

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