FLOW、『THE CARNIVAL 2023 ~NARUTO縛り~』のオフィシャルレポートが到着

2023年12月15日 / 19:45

『FLOW THE CARNIVAL 2023 ~NARUTO縛り~』2023年12月14日 at KT Zepp Yokohama(撮影:"SUGI" Yuya Sugiura) (okmusic UP's)

アニメ『NARUTO-ナルト-』の放送が始まったのが2002年10月のこと。その翌年にメジャーデビューを果たしたミクスチャーロックバンド・FLOWは、2004年4月28日にリリースした『GO!!!』で初めてのアニメタイアップ曲を作り、『NARUTO-ナルト-』のオープニングを飾った。斯くして二つの“火の意思”は出会う。あれから19年。FLOWは世界中に広がった『NARUTO』の人気と共にその音を世界へと轟かせ、同作とのタッグも9曲を超えた。そんなFLOWが『NARUTO-ナルト-』のOP&EDを飾ってきた数多くのアーティストたちの珠玉曲をカバーしたアルバム『FLOW THE COVER ~NARUTO縛り~』をリリースしたのがアニメ放送20周年、バンドのデビュー20周年となった2023年。その年を締めくくるように12月13日、14日にナルトへの愛を大いに叫ぶ「NARUTO縛り」のスペシャルなライブを開催した。
【ライブレポート】

 ステージには木の葉の里を見守る火影岩を思わせる岸壁に刻まれたFLOW5人の顔岩がどーんと掲げられ、その岩に見守られるように会場にはオーディエンスが期待感と共に開演を待っていた。そんなフロアの電気が消え、FLOWが登場。今やアニメ『NARUTO-ナルト-』の音楽の代名詞的な存在となった彼らと共に『NARUTO』への愛を大いに叫ぶ「FLOW THE CARNIVAL~NARUTO縛り~」。その2日目は劇伴作家・高梨康治が手掛けた和楽器の音が印象的な「NARUTOテーマ」が、FLOWの想いが込められたバージョンで高らか響いて幕を明けた。「行くぞ!横浜!」とKEIGOが叫び、そのイントロから大歓声に迎えられたのはASIAN KUNG-FU GENERATIONSの「遥か彼方」だ。一曲目から高くあげられた拳がステージへと向けられ、「生き急いで搾り取って〜」と大合唱が巻き上がる。続いてAPPゲーム「NARUTO×BORUTO 忍者TRIBES」のテーマ曲「Break it down」の重厚な音が轟き、オーディエンスの歌声と共に会場を揺らす。ヘヴィでラウドなナンバーのあとにはORANGE RANGEの「ビバ★ロック」のカバーだ。アニメ最初期の時代のED曲であるピースフルかつ笑顔を生むロックンロールでの大合唱でKT Zepp Yokohamaは一体感を味わった。

 「みなさん、『NARUTO』愛していますか?今日は俺たちとみんなでデカい『NARUTO』愛をぶつけあいましょう!よろしくお願いします!」の言葉に「イェーイ」と共鳴の声があがる。2023年もライブに明け暮れたFLOWにとっての最後のライブとなるこの夜、さらにぶちあげよう!とばかりに響きだしたのは「Re:member」だ。感情のままに歌い上げるように、歌声を放つKEIGOとKOHSHIの声に「Wow Wow」とステージからIWASAKI、GOT’S、TAKEの声とオーディエンスの声が重なり、大きな声の塊となって会場を熱していく。続いたのは『NARUTO』の“少年篇”のOP「SUMMER FREAK」。爽快な音をラウドに響かせ、真夏のギラギラとした太陽の熱のような音で会場を照らしたあとには、Hearts Growの「ユラユラ」だ。メロディアスな歌が伸びやかに広がっていくと風のような爽やかなサウンドに会場も腕をあげて応える。『NARUTO-ナルト-疾風伝』の幕開けの一曲だったnobodyknows+の「Hero’s Come Back!!」では5MC1DJのnobodyknows+の個性溢れるラップをKEIGOとKOHSHIが見事に昇華し、アグレッシヴに歌い上げた。続いたのは同じ「疾風伝」の最初のED曲、HOME MADE家族の「流れ星~Shooting Star~」。伸びやかでピースフルな一曲をグルーヴ感たっぷりに聴かせたのだった。

 「今日は当然、カバーアルバム『NARUTO縛り』の曲は全部やります。ということは僕ら5人だけでは出来ない曲がありますね」とKEIGOが呼びこんだのは前日に続いてのゲストのダイアナ・ガーネット。「みんな、How are you?」と大きく手を振りながら登場するとフロアから「I’m fine thank you!」と声があがり、FLOWのファンともしっかりと絆を作っていることがうかがえた。2015年に『NARUTO-ナルト-疾風伝』のED「Spinning World」を歌っていたことでも知られる彼女を迎えて歌うのはカバーアルバムにも収録されたいきものがかりの「ブルーバード」だ。KEIGO、KOHSHIの歌声に艶めくダイアナの歌声が加わって鳴らされ、カラフルに放たれるコラボレーションだった。続いたのは井上ジョー「CLOSER」だ。「シカマル疾風伝」と言わしめたタイミングでのOPだった一曲が、当時の思い出と共にFLOWの“今”をも響かせた。

 IWASAKI、GOT’S、TAKEの3人がステージを降りると、荘厳なストリングスの音が響き、ピアノが重なる。ステージに残ったKEIGOとKOHSHIがフロントセットに腰掛け、会場に対峙して歌いだしたのは世界中の『NARUTO』ファンに愛され続ける「Sign」だ。「ふわぁ!」と歓声があがる。Piano Ballad ver.としてKEIGOとKOHSHIの2人で聴かせると、会場はじっと聴き入る瞬間は、まさに『NARUTO』愛に包まれた瞬間だった。メンバーが戻り、ライブは「燈」へ。舞台『ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~うずまきナルト物語~』のイメージソングとして書き下ろされた「燈」は、ナルトを象徴するオレンジ色を思わせる温かみある一曲。「Wow Wow」と声を重ねるフロアとステージにメンバーたち。歌詞の一言ずつがナルトを見守るような想いに満ちた一曲が会場の想いを一つにしていった。

 「『NARUTO』という作品は初めて一緒にタッグを組ませてもらったアニメで、『NARUTO』がきっかけでいろんな作品の音楽が出来るようになったと思っていますし、『NARUTO』との出会いが僕らのバンドの世界を広げてくれたなと思っています」とKEIGO。アニメの曲だけでも5曲、舞台などの曲もあり、いつもバンドの転機となるタイミングでタッグを組んできた。海外のファンとも繋いでくれた作品であり、長い期間を共に歩んできたからこそバンドにとって「戦友」でもある作品。そんな『NARUTO』へ歌う、と舞台『ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」』のテーマソング「光追いかけて」を鳴らした瞬間、火影岩ならぬFLOW岩の前に、少年の、青年の、七代目火影のナルトの背中が映し出された。「わぁー!」と歓声があがる中、ナルトたちの姿が浮かんでくるような力強いサウンドが、そして観客の熱が、その背中へと向かっていくのを感じた。

 会場で販売されていた巻物型のタオルを回しながら共に声をあげたダイスケの「Moshimo」の軽快なビートが会場を揺らし、旋回するタオルによる“螺旋丸”にも似た旋風と共にフロアの熱は高まり、「虹の空」は怒涛の勢いと力強くあげられた拳の木立に迎えられながらオーディエンスをヒートアップさせていく。そしてFLOWと並び、『NARUTO』を牽引してきたKANA-BOONの「シルエット」はFLOWによってスカの要素をふんだんに散りばめられて軽快に鳴らされた。続いてFLOWと共に世界中へと飛び、たくさんの想いを受け取って育まれてきた「GO!!!」では会場が一体となって跳ね、ウェーブを作り、その誕生から19年をかけて吸収してきた熱を放った。

 「『NARUTO』はさ、世界どこにいってもすごいんですよ。アニメは世界中で愛されていて、FLOWのライブも世界で楽しんでくれているんですよ。でもその発信源は俺たちだからな!もっともっと熱いもの、作っていこうぜ!」の叫びと共に「GOLD」へ。FLOWがナルトの息子・ボルトへの想いを描ききった“木の葉の里”の旋律を思わせるギターリフが席捲するラウドなロックンロールで会場が揺れる。

 これからも『NARUTO』の音楽を持って、世界へ『NARUTO』を届けに行く、と宣言すると、ナルトの物語を彩った楽曲たちのバトンを最後に受け取り、最終話を締めくくったことでもファンにとって思い入れも深いAnlyの「カラノココロ」を歌い上げるKEIGOとKOHSHI。女性ボーカル曲ながら心地よいメロディがそよ風のように会場へと広がっていった。「最後は全員で締めたいと思います」と再びステージへと呼びこまれたダイアナ・ガーネットと共に、ピアノバラッドではない「Sign」でオーディエンスとFLOW、そしてダイアナが『NARUTO』への愛を存分に歌い上げ、愛いっぱいのスペシャルなライブは幕を閉じた。まだまだ続くナルトの、ボルトの旅路へとエールを送る、そんな2023年を締めくくるFLOWのライブとなった。
Photo by “SUGI” Yuya Sugiura

Text by えびさわなち
なお、彼らは2023年の7月1日(土)に行ったFLOWのメジャーデビュー20周年を記念したライブ『FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ~アニメ縛りフェスティバル~』を2024年2月21日にBlu-rayとして発売する。


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