【ビルボード 2023年 年間Artist 100】YOASOBIが首位、パターンから見るアーティストのプレゼンスの上がり方(コメントあり)

2023年12月8日 / 04:00

 2023年の年間Billboard JAPANトップ・アーティスト・チャート“Artist 100”で、YOASOBIが総合首位を獲得した。

 本チャートは、総合ソング“JAPAN Hot 100”と総合アルバム“Hot Albums”のポイントを合算したアーティスト・ランキングだ。YOASOBI は、“JAPAN Hot 100”トップ100位圏内に「アイドル」(1位)、「祝福」(15位)、「群青」(32位)、「夜に駆ける」(34位)、「怪物」(51位)、「勇者」(81位)の6曲がチャートイン、全順位では総計22曲がチャートインした。“Hot Albums”ではトップ100位圏内に『THE BOOK 3』(30位)、『THE BOOK』(78位)、『THE BOOK 2』(82位)の3タイトルがチャートイン、全順位では『E-SIDE』『E-SIDE 2』の2作が加わり総計5タイトルがチャートインしている。これにより、ストリーミング2位、動画3位、ダウンロード1位、ラジオ3位、カラオケ6位、フィジカル36位となり、“JAPAN Hot 100”同様、危なげなく文句なしの総合首位となっている。

 総合2位はMrs. GREEN APPLE。こちらは、“JAPAN Hot 100”トップ100位圏内に「ダンスホール」(7位)、「Soranji」(19位)、「青と夏」(20位)、「ケセラセラ」(23位)、「Magic」(38位)、「点描の唄 feat. 井上苑子」(43位)、「私は最強」(55位)、「僕のこと」(60位)、「インフェルノ」(63位)、「ブルーアンビエンス (feat. asmi)」(70位)の10曲がチャートインし、全順位では総計38曲がチャートインした。“Hot Albums”ではトップ100位圏内に『ANTENNA』(27位)の1タイトルがチャートイン、全順位では『5』『Unity』『Attitude』などが加わり総計9タイトルがチャートインしている。これにより、ストリーミング1位、動画5位、ダウンロード3位、ラジオ2位、カラオケ7位、フィジカル31位となった。曲数ではYOASOBIを上回っているMrs. GREEN APPLEだったが、動画再生とダウンロードがもうひと伸び欲しかった。

 総合3位はOfficial髭男dism。こちらは、“JAPAN Hot 100”にはトップ100位圏内に「Subtitle」(2位)、「ミックスナッツ」(11位)、「TATTOO」(35位)、「Pretender」(44位)、「ホワイトノイズ」(48位)、「115万キロのフィルム」(54位)、「Cry Baby」(77位)、「I LOVE…」(79位)の8曲がチャートイン、全順位では総計22曲がチャートインした。“Hot Albums”ではトップ100位圏内には0タイトルだが、全順位では『Editorial』『Traveler』など総計5タイトルがチャートインしている。これにより、ストリーミング3位、動画6位、ダウンロード4位、ラジオ1位、カラオケ3位、フィジカル圏外となり、こちらも曲数ではYOASOBIを上回ったが、アルバムでのポイントの蓄積が今ひとつだった。

 続いて今年のニュース・トピックを賑わせたグループのチャートアクションをみてみよう。

 旧ジャニーズのKing & Princeは9位、Snow Manは14位でトップ20にチャートイン。前者は、“JAPAN Hot 100”にはトップ100位圏内に「ツキヨミ」(76位)の1曲がチャートイン、全順位では総計29曲がチャートインした。動画指標では「ツキヨミ」(2位)、「ichiban」(6位)、「シンデレラガール」(38位)、「Life goes on」(46位)となっている。“Hot Albums”ではトップ100位圏内に『Mr.5』(1位)、『ピース』(12位)の2タイトルがチャートイン、全順位では『Made in』や『Re:Sense』など4作が加わり総計6タイトルがチャートインしている。これによって、動画2位、ラジオ71位、カラオケ63位、フィジカル2位の結果に。

 後者は、“JAPAN Hot 100”のトップ100位圏内にチャートインした楽曲はなかったが、全順位では総計28曲がチャートインした。動画指標では「タペストリー」(8位)、「ブラザービート」(11位)、「JUICY」(20位)、「Dangerholic」(22位)など、トップ100に10曲がチャートインしている。“Hot Albums”ではトップ100位圏内に『i DO ME』(2位)、『Snow Labo. S2』(57位)の2タイトルがチャートイン、全順位では『Snow Mania S1』が加わり総計3タイトルがチャートインしている。これによって、動画1位、ラジオ51位、カラオケ100位圏外、フィジカル4位の結果となった。

 K-POPボーイズグループのSEVENTEENは10位、Stray Kidsは13位でトップ20にチャートインしている。前者は、“JAPAN Hot 100” トップ100位圏内にはなかったが、全順位では総計29曲がチャートインした。動画指標では「Super」が77位だった。“Hot Albums”ではトップ100位圏内に『FML』(4位)、『SEVENTEEN JAPAN BEST ALBUM「ALWAYS YOURS」』(5位)、『SEVENTEENTH HEAVEN』(7位)、『DREAM』(24位)の4タイトルがチャートイン、全順位では『Attacca』や『Face the Sun』など11作が加わり総計15タイトルがチャートインしている。これによって、ストリーミング44位、動画43位、ダウンロード68位、ラジオ100位圏外、カラオケ圏外、フィジカル1位の結果だった。

 後者は、“JAPAN Hot 100”のトップ100位圏内に「CASE 143」(83位)がチャートイン、全順位では総計30曲がチャートインした。「CASE 143」は、動画47位、ストリーミング71位となった。“Hot Albums”ではトップ100位圏内に『Social Path (feat. LiSA)/Super Bowl -Japanese ver.-』(3位)、『THE SOUND』(6位)の2タイトルがチャートイン、全順位では『SKZ2020』など10作が加わり総計12タイトルがチャートインしている。これによって、ストリーミング26位、動画17位、ダウンロード29位、ラジオ100位圏外、カラオケ圏外、フィジカル3位の結果だった。

 旧ジャニーズ、K-POPボーイズグループともに、フィジカルでポイントを積み上げて“Artist 100”にチャートインする傾向だったが、K-POPガールズグループはどうだろうか。

 11位となったNewJeansは、“JAPAN Hot 100”のトップ100位圏内に「Ditto」(26位)、「OMG」(31位)、「Hype Boy」(68位)の3曲がチャートイン、全順位では総計14曲がチャートインした。 “Hot Albums”ではトップ100位圏内に『Get Up』(71位)がチャートイン、全順位では『New Jeans』が加わり総計2タイトルがチャートインしている。これによって、ストリーミング8位、動画16位、ダウンロード24位、ラジオ21位、カラオケ圏外、フィジカル91位に。

 18位のLE SSERAFIMは、“JAPAN Hot 100” トップ100位圏内に「ANTIFRAGILE」(46位)と「UNFORGIVEN (feat. Nile Rodgers)」(95位)がチャートインし、全順位では総計11曲がチャートインした。 “Hot Albums”ではトップ100位圏内に『UNFORGIVEN』(44位)がチャートイン、全順位では『ANTIFRAGILE』など2作が加わり総計3タイトルがチャートインしている。これによって、ストリーミング16位、動画20位、ダウンロード32位、ラジオ65位、カラオケ圏外、フィジカル20位だった。これらから、K-POPガールズグループは、先のYOASOBIやMrs. GREEN APPLEに似た、ソングチャートでのプレゼンスを上げて、チャートインする傾向があることがわかる。

 これらから、各アーティストでプレゼンスを上げていくためには、ソングチャートに比重をかけていくか、アルバムチャートのフィジカルに比重をかけていくか、の二極に分かれつつあるようにみえる。この傾向をどう利用してアーティストのプレゼンスを上げるのか、このチャートで可視化されるトレンドにも注目だ。

Text by 礒崎誠二

◎YOASOBI コメント(インタビューより抜粋)
Ayase
本当にうれしいです。これのために頑張ってきたと言っても過言じゃないので。もちろんチャートのために音楽を作っているわけではないけど、一昨年も去年も惜しくも2位で、敗北感みたいなものはすごく味わったし、いつの間にか「ここで1位を獲らなきゃ前に進めない」みたいな気持ちになっていて。ようやく僕の止まった歯車が動き出しそうです。

ikura
私も本当に同じ気持ちですし、3年目で1位になれたということは、YOASOBIが前に進み続けている、更新していることの結果でもあると思うので、それを実感できてうれしいです。

【Billboard JAPAN Artist 100 of the Year 2023】トップ20
1位 YOASOBI
2位 Mrs. GREEN APPLE
3位 Official髭男dism
4位 Vaundy
5位 Ado
6位 back number
7位 優里
8位 米津玄師
9位 King & Prince
10位 SEVENTEEN
11位 NewJeans
12位 あいみょん
13位 Stray Kids
14位 Snow Man
15位 King Gnu
16位 Saucy Dog
17位 マカロニえんぴつ
18位 LE SSERAFIM
19位 スピッツ
20位 藤井 風

集計期間:2022年11月28日(月)~2023年11月26日(日)

 


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