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ACIDMANが、10月30日にZepp Hanedaにて【This is ACIDMAN 2023】を開催し、オフィシャルライブレポートが到着した。
【This is ACIDMAN】とは何か? それは25年以上にわたるバンドの歴史を振り返り、「これがACIDMANだ」と自他ともに認める代表曲で構成される特別なライブだ。「セットリスト事前公開」「ファン投票1位楽曲披露」という仕掛けも、通常のライブとは異なる期待感をさらに煽る。そして2021年の初開催から3年目の今年、10月30日の東京・Zepp Haneda公演は、ACIDMANのメジャーデビュー21年となる記念日。フロアは満員、熱気は十分、祝祭の準備は万端だ。
「This is ACIDMANへようこそ。最高の夜にしましょう!」─大木伸夫 (Vo./G.)
わかっていても体が動く、心が躍る。1曲目から「to live」「造花が笑う」「FREE STAR」と、いきなりのキラーチューン3連発。佐藤雅俊(B.)、浦山一悟(Dr.)のリズム隊は鉄壁の安定感、そして大木伸夫の存在感は圧巻。最後までもつのか? と思うほど激しく叫び、弾き、多彩なエフェクターを操り、スリーピースの枠を超えた豊かな音像を紡ぎだす。しばらくACIDMANのライブは見ていない、という人に教えてあげたい。ライブバンド・ACIDMANのステータスは、未だかつてない高みへ到達している。
「自由に楽しんで、最後は一つになって、音楽っていいなと思う、そんな夜をみんなと紡げたら最高だなと思います。楽しんでいってください」
続いてのセクションは、「Rebirth」から「スロウレイン」へ、さらに「赤橙」から「リピート」へ。軽やかに踊れる曲から、メロディアスで劇的な曲調を連ねて、オーディエンスを大きく包み込む。「リピート」のアウトロ、3つの楽器が激しくぶつかり溶け合う展開は、まさに音の化学反応と呼ぶにふさわしい。クライマックスは、アコースティックギターの爪弾きが、息を呑む劇的なロックバラードへと展開する「季節の灯」と、一人でゆっくりと歩きだすようなリズムが、力強い行進へと進化する「アルケミスト」だ。まばゆく白い光がステージから溢れ出す。シンプルで強い演出が、壮大な楽曲によく映える。
一つの音階、一つのコードから生まれた曲が、どうしてここまで豊かになれるのか。「彩-SAI-(前編)」も「Λ-CDM」も、「一つの響きから曲が生まれる」という大木の曲作りのプロセスを、目の前で辿り直すような興奮を味わえるインストゥルメンタル曲だ。「彩-SAI-(前編)」はゴッホを思わせる激しい色彩のアニメーションが、「Λ-CDM」では「素粒子を可視化したイメージ」という、動く抽象画のような不思議な映像がビジョンに現れる。何回見ても新鮮なのだから、初めて観る人にとっては視覚も聴覚も相当に刺激的なはずだ。ちなみに「彩-SAI-(前編)」は昨年行われた【ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022】のテーマソングであり、ACIDMANのステージを中心に構成された映像作品『SAI 2022 Live & Documentary FILM』のリリースも11月26日に決定した。
「広い宇宙の中で、あなたはあなたしかいない。それは奇跡だと思います。苦しい時には、自分は自分しかいないと思ってください。ただ生きてるだけでいい。毎日感謝しながら、この命を大事に生きていってほしいと思います」
僕らがいる銀河には3000億個の恒星があって、宇宙には銀河が2兆個あるんです。――またいつもの大木の宇宙話が始まったと、笑いも起きていた客席が、思わず引き込まれて静かになる。それもまたいつもの出来事だが、変わらぬメッセージを伝え続けることがACIDMANの大きな魅力。大木伸夫の創作の源泉である宇宙観と生命観を固体化した結晶のように、時代を超えて揺るぎない輝きを放つ、「ALMA」はそんな曲だ。ビジョンに映る広大な星空が限りなく美しい。
続く「ファン投票リクエスト枠」で選ばれたのは、およそ8年振りに演奏するという「EVERLIGHT」。もちろん大好きな曲だが、「今ぐらい盛り上がると思ってた」と、当時はライブであまり手ごたえを感じられなかったと、歌い終えた大木が笑う。演奏される機会が減ってしまった楽曲がファンの手で蘇る、これもまた【This is ACIDMAN】ならではの名場面。
後半戦に入る前、大木のMCは感動的だった。楽曲に合わせる映像に歌詞を乗せる、タイポグラフィという技法の専門家だったスタッフへの追悼の言葉。誰にでも必ず死は訪れる。だったら思い切り生きてみよう。――大木の気持ちを乗せた「世界が終わる夜」は、これまで聴いたどの「世界が終わる夜」よりエモーショナルで、ビジョンに現れては消えるタイポグラフィの一つ一つが心に沁みた。大木の声が感極まって震えているように感じた。珍しいことではないが、ここまで感情が入った姿は久々に見た気がする。たとえ同じセットリストでも伝わるものがまったく違う、This is LIVE、This is ACIDMAN。
「たった一瞬の命。あなたのために、自分自身のために、もっともっと輝いてください」
最後のセクションは、完全にスイッチが入った大木を先頭に、「夜のために」「ある証明」「飛光」の爆速ロックチューン3連発で完全燃焼。普通のライブならここでフィナーレだが、まだ重要な曲が残っている。「廻る、巡る、その核へ」だ。それは壮大な命の輪廻の物語を、短編映画に匹敵するハイクオリティのアニメーション映像と音だけで描き切る、約11分の黙示録的大曲。ACIDMANのライブを見たことがない、という人に教えてあげたい。この曲を体験するだけでもACIDMANのライブに来る意味がある。
「楽しい時間はあっという間。それでも人生は続きます。もっともっと上を目指していくので、これからもACIDMANをよろしくお願いします」
アンコールは2曲。「式日」と「Your Song」の2曲を全力でやりきって、2時間半を超えるライブは笑顔と拍手の中で幕を下ろした。来年も【This is ACIDMAN】をやる計画があることと、今年は福岡と東京の2公演のみだったが、数を増やすことも考えていると、大木は約束してくれた。昔からライブに通い続けているファンも、しばらくご無沙汰していた人も、今ACIDMANに興味を持った新しいリスナーも、みんなに教えてあげたい。ACIDMANは進化し続けている。彼らのベストライブは常に、まだ見ぬ次のライブだ。
PHOTO:Victor Nomoto – Metacraft/西槇太一
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