<ライブレポート>Novelbrightが地元・大阪で結成10周年記念日の祝宴――新曲初披露のサプライズも

2023年9月22日 / 19:00

 大阪発の5人組ロックバンド・Novelbrightが9月13日、ビルボードライブ大阪にて【Novelbright~Acoustic Tour 2023~】の最終日を迎えた。昨年も行われ好評を博した彼らのビルボードライブツアーだが、この日はバンド結成10周年の記念日なのに加え、自身のホームタウンである大阪での公演となり、紛れもないスペシャルな夜に。そんな同日、1stステージの模様を紹介する。

 あとにも先にもない特別な一日にファンの期待が高まるなか、スポットライトを浴びた竹中雄大(Vo.)がアカペラでメジャーデビュー曲「Sunny drop」のサビを豊かに響かせ、心地いい緊張感でライブはスタート。そこに合流するアコースティックのサウンドは普段より繊細かつ柔らかに耳に届き、フロアの空気もどこか和やかに。そして次に見せるのは「嫌嫌」のダンサブルでムーディな一面。メンバーはそれぞれに体を揺らしてプレイし、女心を歌う竹中の声も艶やか。観客もつられて思い思いにリズムを取る。また続く「seeker」では、徐々に重なる5人の音がエンジェルラダーにも似た照明と相まってシリアスなムードを作り、山田海斗(Gt.)の震えるようなギターも、沖聡次郎(Gt.)の熱を上げるピアノも耳に残る。

 とここで、いつもの明るさで進むMCへ。竹中は「一緒に乾杯したいなと。せーの、眼帯!」と全員をボケさせ、「はい。ここ爆笑ポイントです」と笑わせにかかるうえ、ポテトの差し入れをもらえば、今度はメンバーを巻き込み、5人が順に同じセリフと発声をかぶせて笑いを量産。関西のDNAを感じさせる。だが、曲となれば一転。「Friends for life」では軽快なビートに滑らかな英語詞を情熱的にのせ、小さな女の子の手も左右に振られる。さらに次に鳴り出した「My Savior」では2本のギターがしなやかに寄り添ってメロディをよりエモーショナルに。歌声もせつなくなるばかりだ。かと思えば、竹中はまたも無邪気を全開にしつつ、10周年記念日に関して「みなさんとこの日を過ごせて、今日まで(バンドを)続けてこられて、本当に感謝しています」と述べ、同日リリースの新曲「面影」についても触れると、「大阪でねぎ君、(「面影」を)歌いよってん(笑)」と、ねぎ(Dr.)がFM大阪でDJを務める番組『E∞Tracks Selection~Novelbrightのねぎラジ』の話に移って愛あるいじり。そして「新曲、やらないですよ。(記念日に)何やろうかな?」と後半戦に突入する。

 しかし聴こえてきたのは、その「面影」。直前のひと言が効いて「うわ!」という驚きと喜びの声が会場中で上がる。沖のピアノとともに竹中の透き通るハイトーンが高みへと誘うラブソングは目も耳も釘づけにし、曲後には人々がもらす「最高!」があちらこちらから。しかも続くのは「夢花火」でバラードの追い打ち。沖の揺らめくトレモロとセンチメンタルな旋律に多くの人が頷くようにして聴き入る。すると竹中は「面影」の初披露を「やっちゃいましたね(笑)」としながら、「新曲を初めてやる時って緊張しますよね。ちょっと恥ずかしい……裸を見せてるみたいな」と本音もちらり。加えて再度 「ねぎラジ」の話で、ねぎが「汗、止まらへん(笑)」となるまで盛り上がり、楽しい雰囲気のまま「一体感、作っていきましょう!」(竹中)と「愛とか恋とか」へ。クラップを引き連れ、ねぎの叩くカホンも軽やかに、あふれる愛を音楽にして放てば、すべての人がそろって手を振る華やかな光景。そんな前向きなパワーが満ちたら、いよいよ人気ナンバーを連ねるラッシュへ。

 まずはキラーチューン「Walking with you」でいっきに上昇。ファルセットも交じる清々しいボーカルはエネルギッシュで時にシャウトに近い感触。圭吾のベースも熾火のように熱をキープする。さらに山田のギターが煽って手拍子を起こすと、竹中が「大合唱したいな」と「Morning Light」。客席そしてメンバーにマイクを向ける“Wow Wow”のシンガロングに、「『ねぎラジ』聞いて!」、「10周年おめでとう!」、「Novelbright大好き!」のコール&レスポンスをプラスし、疾走感十分のロックで大いに高揚する。ファンに目を向けてのパフォーマンスも実に楽し気で、曲後の歓声と拍手もひときわだが、ここで竹中と圭吾がヒソヒソ。というのも直後に「また新曲出ます!」(竹中)という発表が。この作品は9月24日と10月15日に行われる結成10周年記念ライブの会場で限定販売され、タイトルは今春からのメモリアルツアーと同じく「ODYSSEY」。竹中いわく、10年間の道のりと、この先の覚悟や野望が歌われているという。また竹中は「(結成当時)天下を取れるもんだと思ってましたが、現実は甘くなくてずっと険しい道のりが続き、毎日諦める瞬間が転がってました。でも僕はこのバンドが好きで、みんなと出会いたかったからがむしゃらに頑張ってきて……」と今日までを振り返り、「10周年という大切な日に大阪で歌わせてもらえるのも、みんなが応援してくれて、みんな自身も10年を諦めずに前を向いて歩んでくれたおかげだと思ってます。僕らの記念日だけど、みんなの記念日でもあると思います」と伝え、「これからも最高の音楽を届けていくので。会いに来てくれたら、いつでもええ歌、歌うんで!」と宣言してラストの「拝啓、親愛なる君へ」へ。より一層に熱い“Wow Wow”のコーラスや、語りかけるようなボーカル、バンドの歩みとオーバーラップする歌詞や、温かくもみずみずしいバンドアンサンブルが観客を没入させ、最後には壮大なシーンが完成。感動と興奮が大きな渦を巻き、ライブはついにゴールにたどり着いた。

 去り際、一人ひとりとやり取りするように隅々にまで手を振る彼ら。その姿も訪れた人の目にしっかりと焼きついたに違いない。

Text:服田昌子
Photo:Hiyoshi”JP”Junpei

◎公演情報
【「Novelbright LIVE TOUR 2023 ~ODYSSEY~ FINAL SERIES」 Novelbright 結成 10 周年記念 LIVE】
公演日:2023年9月24日(日)
会場:大阪・大阪城ホール
開場/開演 16:30/17:30

公演日:2023年10月15日(日)
会場:横浜アリーナ(神奈川県)
開場/開演 16:30/17:30

チケット料金:後方立ち位置指定6,800円(税込)

◎Novelbright – 結成10周年特設サイト
https://sp.universal-music.co.jp/novelbright/10th/

◎リリース情報
「面影」
2023/9/13 Digital Release
音源配信サイトまとめ
https://novelbright.lnk.to/Remnants
https://youtu.be/Eq9dO7cWTDg


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