<ライブレポート>FLOW、デビュー20周年【アニメ縛りフェス】を振り返る「今しかないこの瞬間を作りたくて、俺たちはバンドをやっています」

2023年8月14日 / 18:00

 デビュー20周年を迎えたFLOWが、歴代のNARUTO主題歌をカバーしたアルバム『FLOW THE COVER ~NARUTO縛り~』を8月30日にリリースする。

 彼らは2003年のデビュー以来、テレビアニメ『NARUTO -ナルト-』のオープニングテーマ「GO!!!」を筆頭に、数多くのアニメ作品のテーマソングを手掛けてきた。アルバムのリリースに際し、7月1日に千葉・幕張メッセ国際展示場で開催された【FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ~アニメ縛りフェスティバル~】を振り返っていきたい。

 【アニメ縛り】は、FLOWがこれまで携わってきたアニメ主題歌だけにフォーカスを当てた、アニメファン垂涎のライブ企画。中でも今年開催されたライブは、20周年の集大成として、ORANGE RANGE、影山ヒロノブ、GRANRODEOなどゆかりある数々のゲストを迎え、バンド史上最大キャパで開催された。彼らとアニメの親和性の高さは海外でも定評があり、ライブ会場にも日本のファンのみならず、海外から来場したファン達の姿も多く見られた。

 本イベントでは、16時にスタートしたFLOWのライブ以外にも、サブステージでアニソン有識者達によるトークショーやDJパフォーマンス、カラオケ大会、そしてコスプレショーなどが催され、まさに“アニソンの祭典”としてライブスタート前から盛大な盛り上がりを見せていた。

 ライブの定刻が近づくと梶裕貴の影アナで注意事項が放送され、梶裕貴演じる『七つの大罪』の主人公・メリオダスの声からスタートした、同アニメの挿入歌「Perfect Time」のギターインストバージョンでメインステージのライブが幕開けた。バックの巨大スクリーンには、サービス映像のみならずアニメの映像が映し出され、FLOWと共に板付きで登場したGRANRODEOのe-ZUKAと、TAKEによるツインギターで観客のボルテージを上げつつ、特攻と共にド派手にオープニングを迎えた「7 -seven-」から「Howling」と『七つの大罪』の楽曲が続く。FLOWの2人のボーカルに、GRANRODEO・KISHOW(Vo)が加わることで迫力が増すスリーボーカルに圧倒されているうちに、最初のMCへ。

 「とんでもないロケットスタート!」というKEIGO(Vo)の言う通り、初っ端から熱狂が止まらない会場。「20周年ということにかこつけて、いろんな人呼んじゃってます。今宵もアニメ、縛らせてもらいます!」と期待を煽る。アニメ関連曲が増えてきたことに触れ「セットリストを選ぶのに悩んだけど、ただ、いっぱいやりたい!」と、ここからメドレーがスタート。『べるぜバブ』オープニングテーマ「Hey!!!」から、『PERSONA -trinity soul-』のオープニングテーマ「WORD OF THE VOICE」、『バック・アロウ』から2ndクール・エンディングテーマ「United Sparrows」、『シャドウバース』オープニングテーマ「新世界」まで畳みかけた。

 2組めのゲストにはAfterglowから美竹蘭こと佐倉綾音が登場。『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』にFLOWが期間限定実装曲として提供した「優勝 feat. Afterglow」でコラボレーションが実現。佐倉綾音は「今度『優勝』一緒にやろう! と言ってくださったのが社交辞令だと思ってた(笑)」としつつも「本当に呼んでいただけて嬉しいです」と笑顔を見せた。最後はAfterglowの人気ナンバー「Y.O.L.O!!!!!」をFLOWと共に披露しオーディエンスを沸かせた。

 続いて『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』のコーナーが幕を開け、会場中が一面ブルーのライトで輝いた「風ノ唄」「INNOSENSE」と続けたあと、影山ヒロノブが呼び込まれ『ドラゴンボール』「CHA-LA HEAD-CHA-LA」へ。巨大なドラゴンボール型のバルーンが登場し会場の熱気はヒートアップ。間髪入れず、シリアスなムードに変貌したかと思うとGRANRODEOと佐倉綾音を再び呼び込み、JAM Projectの代表曲「SKILL」を披露。このサプライズには観客からも飛び切り大きな「Motto! Motto !!」コールが溢れた。

 熱狂が冷めやまぬ中、ライブは『交響詩篇エウレカセブン』の世界へ。名塚佳織演じるエウレカと、三瓶由布子演じるレントンが登場し生朗読を披露すると、劇中の台詞「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」を会場全員で庄和させ「I Can Fly!」2人が叫ぶと、「DAYS」がスタート。ペンライトはエウレカカラーの緑色に輝き、オーディエンスもシングアロング。続けて「DAYS」のセルフアンサーソング「ブレイブルー」では、会場を大いに躍らせた。

 「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」ではヲタ芸パフォーマンス集団・Fly-Nがペンライトを持って現れ、強烈なヲタ芸を見せたあと、「Steppin’ out」ではアニソンダンスチーム・REAL AKIBA BOYZがキレキレダンスで応戦。『サムライフラメンコ』の主人公・羽佐間正義を演じる増田俊樹が登場したり、次々と目まぐるしく登場するゲストたち。KOHSHIが「百人組手みたいに、次から次へと猛者たちがお祝いに駆けつけてくれて…」と話すように、観客サイドもまるで格闘技を見ているような臨場感だった。

 『コードギアス』に登場するゼロを演じる福山潤が不敵な高笑いとともに現れ、「DICE」「COLORS」が披露されると、福山潤と名塚佳織が再登場し兄妹の掛け合いでファンを歓喜させるたり、「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。歴史的瞬間をその目に刻み込め!」とギアスを発動させ、続いてはORANGE RANGEが登場。

 2022年11月にリリースしたFLOWとORANGE RANGEのコラボ曲「デイドリーム ビリーヴァー」から、「O2」まで一緒に披露した2組。実は同期とのことで「立派なおじさんになったねぇ」と和気あいあいとした空気が流れる。ボーカルのHIROKIがこの日マカを買ってきたというエピソードに会場は爆笑に包まれた。

 ORANGE RANGEとFLOWで披露された「ビバ★ロック」から『NARUTO -ナルト-』のコーナーへ突入し、いよいよライブもラストスパートへ。「FLOWの兄ちゃんたち、まだまだやれるよな!?」というナルトによる煽りを受け、「Re:member」「虹の空」「Sign」といった怒涛の『NARUTO -ナルト-』メドレーを披露した。

 「今しかないこの瞬間を作りたくて、俺たちはバンドをやっています!」と高らかにKEIGOが叫んだあと、『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』から「GOLD」を届ける。「ラストはみんなでやりたくない?」とゲストらが全員呼びこまれ、総勢20名を超える出演者が集まる。ラストに披露したのはFLOWのアンセム「GO!!!」。最後まで観客を跳ねさせ大団円のエンディングで締めくくったのだった。

 冒頭でも触れたとおり、FLOWは8月30日にアルバム『FLOW THE COVER ~NARUTO縛り~』をリリースする。彼らの“アニメ縛り”はまだまだ続きそうだ。

Photo:柴田恵理/MASANORI FUJIKAWA

◎公演情報
【FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ~アニメ縛りフェスティバル~】
2023年7月1日 千葉・幕張メッセ国際展示場

<セットリスト>
01. Perfect Time / 澤野弘之
02. 7-seven- / FLOW×GRANRODEO
03. Howling / FLOW×GRANRODEO
04. アニメ尺メドレー(「Hey!!!」「WORD OF THE VOICE」「United Sparrows」「新世界」)
05. 優勝 feat. Afterglow / FLOW×美竹蘭 from Afterglow(CV:佐倉綾音)
06. Y.O.L.O!!!!! / FLOW×美竹蘭 from Afterglow(CV:佐倉綾音)
07. 風ノ唄
08. INNOSENSE
09. CHA-LA HEAD-CHA-LA / FLOW×影山ヒロノブ
10. SKILL / FLOW×影山ヒロノブ×GRANRODEO×美竹蘭 from Afterglow(CV:佐倉綾音)
11. DAYS
12. ブレイブルー
13. 愛愛愛に撃たれてバイバイバイ / FLOW×Fly-N
14. Steppin’ out / FLOW×REAL AKIBA BOYZ
15. DICE
16. COLORS
17. デイドリーム ビリーヴァー / FLOW×ORANGE RANGE
18. O2 / FLOW×ORANGE RANGE
19. ビバ★ロック / FLOW×ORANGE RANGE
20. NARUTO メドレー(「Re:member」「虹の空」)
21. Sign
22. GOLD
23. GO!!! / ALL CAST

◎リリース情報
『FLOW THE COVER ~NARUTO縛り~』
2023/8/30 RELEASE


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