<ライブレポート>山崎育三郎、オーケストラツアーの東京公演で濱田めぐみと珠玉のデュエットを披露 「誰一人、置いてけぼりにしたくない」

2023年8月3日 / 18:00

【billboard classics 山崎育三郎 Premium Symphonic Concert Tour 2023 ―PRINCIPE―】。コロナ禍に実施されていた様々な規制も解除され、7月26日に開催された東京公演の会場は、子どもから年配のファンまで驚くほどに幅広い層の観客で埋め尽くされていた。東京公演の模様をレポートする。

 7月15日から9月9日まで開催される今回の山崎育三郎によるフルオーケストラツアー。事前のインタビューで「9都市10公演を通して自らのプリンスとしての集大成をお見せしたい」と意気込みを語っていた山崎。中でも今回注目されるのは公演ごとに異なる女性ゲストがキャスティングされている点だ。約2か月にわたるツアー全公演をあわせると総勢10名。その顔触れもゴージャスで、プリンス山崎にふさわしいミュージカル界のプリンセスばかりだ。

 7月26日の東京公演。5000人近く収容のホールは満員。この日は、5月中旬から7月1日までの1か月半にわたってミュージカル『ファインディング・ネバーランド』で山崎と共演した濱田めぐみがゲストとして登場。同公演期間や稽古の際、「とにかくお互いについて喋りまくった」という二人だけに、当夜も相思相愛の息の合った珠玉のデュエットの数々を披露した。ツアー自体は9月まで続くため「詳細はお楽しみに」ということで、今回は濱田と山崎のオモシロ美しい共演を中心に東京公演の模様を少しだけレポートしよう。

 開演とともにプリンスにふさわしい淡いブルーのエレガントな装いで広いステージに登場した山崎。まずはミュージカル王道のナンバーを数曲披露。ドラマティックなものやバラード調の楽曲で早くも満場の客席を異次元の世界へと誘う。いっそう艶を増した感のあるみずみずしい歌声はフルオーケストラの厚い響きをも超えるほどの密度の高い輝きに満ちていた。すると、山崎は早くもファンクラブ限定のパープルのTシャツを着た“SUGOSABURO(とても育三郎が好きな人達をこう呼んでいる)”の一団を客席に発見し、スタートからご満悦の様子だ。

 続いて『ファインディング・ネバーランド』の世界に突入。「足もとが揺れるとき」では、ピアニストの宗本康兵が奏でる情感あふれる音色にのせて人生の苦悩や痛みを真摯に歌い上げる。続いて「ネバーランド」。高音部の切なくも甘い輝きがいつにも増して広い会場空間に響き渡る。楽曲もそろそろエンディングへ……というところで本日のスペシャルゲスト濱田めぐみが凛とした佇まいで登場。そのまま二人ともに力強くドラマティックなハーモニーを聴かせた。

 歌い終えると濱田は「(ミュージカル)本番を思い出して涙が出てきちゃう」と、大成功のうちに終えた長期公演の日々を振り返る。ここから二人のトークが止まらない。濱田は「私はガッツリ“SUGOSABURO”なの」と豪語し、会場を笑わせると思えば、完璧なるプリンス山崎の“プリンスでない点”をこっそり暴露。先日のミュージカル公演中にも、楽屋に尋常ではないほどの大量の駄菓子を持ち込んで差し入れし、本人も喜んでいたという山崎のお茶目な一面などを弾丸トークで聞かせた。

 そして、この作品(『ファインディング・ネバーランド』)の中でも最も美しいナンバーの一つである「あなたという存在」をデュエットで。最後はともに見つめ合い互いの存在を確かめ合う姿が美しかった。歌う前の弾丸トークと歌唱でのロマンティックな息づかいとのギャップがよりいっそう二人の役者魂を感じさせた。

 続いてもデュエット。「めぐさんと言えば、『美女と野獣』のベル様。では、私は野獣を歌わせていただきます」と控え気味に山崎。「でもね、私は声で言うと“タンス夫人”なのよ~(実写映画の日本語吹き替え版では濱田は同役を担当している)」との切り返しに、「引っ越し屋さんになったつもりでタンスを持ちあげてもいいですか?」と山崎による意味深なやり取り……。これが何を意味するのかは、二人が一節歌い上げたところで早くも判明。山崎いわく、今回のツアーには10人のプリンセスが登場するので全員にステージ上でフェアにおもてなししたいとのこと。他都市の公演ではどのようなおもてなしがあるか乞うご期待。

 二人のほのぼのとした、しかしエスプリのきいたトークと歌で会場がアットホームな雰囲気に包まれたのち、ふたたび山崎が同じく『美女と野獣』から「ひそかな夢」をソロで熱唱。客席は再びプリンス山崎による夢見心地の世界へ誘われる。叶わぬ思い、しかし、希望を強く持ち続ける野獣の心の叫びを、声のみならず力強い表情、いや、“まなざし”とともに歌い上げ、その狂おしいほどに切ない思いを客席に届ける山崎。事前のインタビューで、「実際に客席にいる誰か一人を見つめて歌うとその想いが何千人にも伝わるんです。僕はいつもこの方法を実践しています」と語っていたのを思い出した。まさに山崎の言う通りだった。

 後半は衣装も新たに一味違うプリンスらしさ、いや、むしろ山崎育三郎というスターの人間の懐の深さ、そして舞台人としてのありのままの魅力を存分に堪能させてくれる渾身のステージング。ステージをいつも近くで支えているピアニストの宗本からも「育さん、以前にもまして気持ちよさそうに歌ってませんか?」と絶賛の一言。オーディエンス一人ひとりの表情をつねに感じながら歌い演じているという山崎にとって、ファンも心置きなく声援を送ったり、リアクションできるようになったことで、客席と一体化できる喜びを何よりも山崎自身が最も強く感じていたのではないだろうか。

 後半のラインナップは前半のミュージカルナンバーから趣向を変え、音楽大学出身の山崎らしいクラシックのレパートリーから自らが愛してやまないという作品も披露。さらにおなじみの山崎オリジナルの楽曲で構成された多彩なラインナップを通してよりいっそう山崎の素顔や人となりが身近に感じられたのが印象的だった。

 「今年は舞台やテレビのドラマ出演を通して子どもさんたちと関わる機会が多く、彼らとの交わりから多くのことを学びました」と山崎。最後に、撮影の待ち時間やリハーサルで共演する子どもたちと折にふれて歌い、「互いに打ち解け合うことができた」という思い出の曲「にじ」を披露。夢にあふれ、心あたたまるメロディに客席からもリングの形をしたオリジナルの応援ライトで共感のエールが贈られた。会場空間全体が星屑に包まれたかのような幻想的な光景が美しかった。

 ここからさらにラストパートが展開。マンボのリズムにのせたダンスあり、チャールストン調の粋なリズムありとテンションマックスのステージングに客席も全員総立ちの盛り上がり。ステージと客席が一体化した山崎のショーならではだ。

 「誰一人、置いてけぼりにしたくない」とつねにファン一人ひとりのために渾身の力を込めて歌い、笑い、踊り、そして動く(!)山崎のエキサイティングなフルオーケストラツアー【PRINCIPE】のステージは始まったばかり。「僕は“予定調和”という言葉がキラいなんです」と目をキラキラと輝かせて豪語する山崎だけに、9月9日の東京・サントリーホールでの最終公演までまだまだ毎回ファンをあっと驚かせるサプライズがステージ上で繰り広げられるに違いない。

text:朝岡久美子 photo:石阪大輔

◎公演情報
【山崎育三郎 Premium Symphonic Concert Tour 2023 ―PRINCIPE―】
2023年7月15日(土)OPEN 16:00 / START 17:00 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru ※終演
ゲスト:明日海りお
2023年7月23日(日)OPEN 16:00 / START 17:00 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール ※終演
ゲスト:木下晴香
2023年7月26日(水)OPEN 17:30 / START 18:30 東京・東京国際フォーラム ホールA ※終演
ゲスト:濱田めぐみ
2023年7月29日(土)OPEN 16:00 / START 17:00 兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール ※終演
ゲスト:涼風真世
2023年8月5日(土)OPEN 16:00 / START 17:00 岡山・岡山シンフォニーホール 大ホール
ゲスト:昆夏美
2023年8月11日(金祝)OPEN 16:00 / START 17:00 長野・長野市芸術館メインホール ※残席僅少
ゲスト:シルビア・グラブ
2023年8月13日(日)OPEN 16:00 / START 17:00 愛知・愛知県芸術劇場 大ホール ※完売
ゲスト:島田歌穂
2023年8月20日(日)OPEN 16:00 / START 17:00 広島・上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール) 
ゲスト:夢咲ねね
2023年8月23日(水)OPEN 17:30 / START 18:30 大阪・フェスティバルホール ※残席僅少
ゲスト:和音美桜
2023年9月9日(土)OPEN 16:00 / START 17:00 東京・サントリーホール 大ホール ※完売
ゲスト:新妻聖子

出演:山崎育三郎
音楽監修・ピアノ:宗本康兵
※広島公演は宗本康兵に代わり清野雄翔がピアノを担当。
編曲監修:山下康介
指揮:
[7月15日~8月5日]田中祐子
[8月11日~9月9日]栗田博文
管弦楽:
[7月15日]札幌交響楽団
[7月23日]九州交響楽団
[7月26日、8月11日、9月9日]東京フィルハーモニー交響楽団
[7月29日、8月20日、8月23日]大阪交響楽団
[8月5日、8月13日]セントラル愛知交響楽団

チケット:12,000円(tax in.)
※全席指定・未就学児入場可(販売制限:3歳以上チケット必要、3歳未満も座席が必要な場合はチケット必要)
※枚数制限:お1人様各公演1申込み最大4枚まで

チケット発売中
https://billboard-cc.com/yamazaki-principe

◎公演に関するお問合せ
[北海道]道新プレイガイド 0570-00-3871(10:00~17:00/日休)
[福岡]BEA 092-712-4221(12:00~16:00/土日祝休)
[東京]DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/
[兵庫・大阪]キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~18:00/日祝休)
[岡山]YUMEBANCHI(岡山)086-231-3531(平日 12:00~17:00/土日祝 休)
[長野]長野市芸術館チケットセンター 026-219-3191(10:00~19:00/火休)
[愛知]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(12:00~18:00)
[広島]YUMEBANCHI(広島)082-249-3571(12:00~17:00/土日祝休)


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