<ライブレポート>【サマソニ】で帰ってくるフォール・アウト・ボーイ、スタジアム即完公演を撮りおろし写真とともにレポート

2023年7月14日 / 18:30

 フォール・アウト・ボーイが現地時間2023年7月2日に【SO MUCH FOR (TOUR) DUST】ロサンゼルス公演を行った。

 今年デビュー20周年のフォール・アウト・ボーイ(FOB)は、デビュー年の2003年に彼らのアルバムを発売した<フュエルド・バイ・ラーメン>と再契約をし、前作より5年ぶりとなる通算8枚目のスタジオ・アルバム『ソー・マッチ・(フォー)・スターダスト』を今年3月にリリースした。8月にはおよそ6年ぶりの来日となる【Summer Sonic 2023】の出演が決まっている彼らのライブの模様を一足お先にレポートする。

 6月にスタートしたツアー【SO MUCH FOR (TOUR) DUST】のオープニングにはブリング・ミー・ザ・ホライズンが登場。一昨年から2年かけてグリーン・デイの前座としてウィーザーとともに北米とヨーロッパを回っていたFOB、そしてブリング・ミー・ザ・ホライズン――どのバンドもアリーナクラスの会場を即座にソールドアウトにさせるビッグバンドで、これらを一夜で観られるのもアメリカならではのスペシャルな企画だ。

 会場のBMOスタジアムは米ロサンゼルスのダウンタウンエリアにあるサッカー専用のスタジアムで、収容人数は22,000人。チケットは、FOBがヘッドライナーとして豪華な前座を従えてLAに戻ってきたこともあって、2公演とも発売されるや否や即ソールドアウト。会場前にはアリーナチケットを持ったファンが最前列をゲットする為に長蛇の列をなしていた。ファンのファッションも上下黒で、ゴシックにきめる子も多数いて、2000年代初期のエモシーン全開だった頃を彷彿とさせていた。

 紅一点のシンガー、ライアン・サンティアゴによるRoyal & the Serpentのステージで今宵のショーがスタートした。ベテランポップロックバンドのニュー・ファウンド・グローリーが登場し、若者に負けず劣らず果敢なプレイでFOBの若いファンを焚き付け、ニュー・ファウンド・グローリー節全開のステージで熱くさせ、ブリング・ミー・ザ・ホライズンにステージを渡す。4組の出演者の中で唯一のUK勢の彼らだがヘッドライナー級の歓声で迎え入れられ、スケールが大きなパフォーマンスとバンドの演奏は巨大なアリーナを一瞬で彼らの物にしてしまう。フロントマンのオリヴァーが何度も花道へ疾走し、観客へ近づいて煽り、絶対的な脅威とカリスマ性を見せつけた。3組のオープニング・バンドは最高のプライミング効果でFOBへステージを繋げる。

 ステージを覆っていた赤い幕が下り、会場が振動するほどの歓声に包まれて登場したFOBは、新曲「ラヴ・フロム・ジ・アザー・サイド」で幕を開けた。巨大なスタジアムに爆音が鳴り響き、ステージ前面に火花が散ったかと思った次の瞬間、ステージ上に所狭しと置かれた火柱が何本も吹き上がる。息をつく暇もなく2曲目の「ザ・フェニックス」へ続き、フロントマンのパトリックのダイナミックなハイトーンのボーカルを掻き消すほどの観客の歓声と大合唱が起こった。

 ピート・ウェンツのベースネックから火柱が上がる。巻き起こる大歓声とリンクするかのようにピートは火柱を何度も吹き放つ。オジー・オズボーン「クレイジー・トレイン」やジャーニー「ドント・ストップ・ビリーヴィン」のカバー曲で、始終観客を楽しませ、次のセグメントに繋げる。ピートはイリュージョンのように一瞬で消えては観客の中に現れ、一緒に歌い、花道を走り抜けながら「ダンス、ダンス」のベースラインがさらにアップビートで疾走する。観客のクラップとステップが会場を揺らす。まだショーの折り返し地点なのにクライマックスのような盛り上がりだ。

 また、普段あまりやらない珍しい曲を演奏するコーナー「マジック8ボール」があり、「G.I.N.A.S.F.S.」そして初めてステージで披露する「アメリカズ・スイートハーツ」に会場が湧きに湧く。

 ラストソングの「サタデイ」でピートは観客の中に降り演奏。最大級の花火と火柱のインスタレーションで幕を閉じた。圧巻だけでは足りない100倍上をいく、とてつもないステージを見せつけたFOB。初期の荒削りなポップパンクを保ったまま、年齢と経験から作られた洗練された彼らオリジナルなオルタナティブ・ポップロックをコミットメントし、20年の節目を飾る最高に完璧なパフォーマンスで彼らが真のショーマンであることを証明した。

Text & Photos by ERINA UEMURA

◎セットリスト
1. Love From The Other Side
2. The Phoenix
3. Sugar, We’re Goin Down
4. Uma Thurman
5. A Little Less Sixteen Candles, A Little More “Touch Me”
6. Chicago Is So Two Years Ago
7. Grand Theft Autumn / Where Is Your Boy
8. Calm Before The Storm
9. This Ain’t A Scene, It’s An Arms Race
10. Disloyal Order Of Water Buffaloes
11. Heaven, Iowa
12. “The Take Over, The Breaks Over”
13. Headfirst Slide Into Cooperstown On A Bad Bet
14. Fake Out
15. Mr. Blue Sky (Electric Light Orchestra cover)
16. Golden
17. Don’t Stop Believin’ (Journey cover)
18. The Last Of The Real Ones
19. Save Rock and Roll
20. Baby Annihilation
21. Crazy Train (Ozzy Osbourne cover)
22. Dance, Dance
23. Hold Me Like A Grudge
24. G.I.N.A.S.F.S
25. America’s Suitehearts
26. My Songs Know What You Did In The Dark (Light Em Up)
27. Thanks fr th Mmrs
28. Centuries
29. Saturday


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