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モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」が通算9週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
5月6日付から今週(6月10日付)まで6週連続、1位に到達した3月18日付から非連続で通算9週目の首位を獲得した「ラスト・ナイト」。
今週の集計期間(2023年5月26日~6月1日)に、エアプレイが6,630万回(1%増加)、ストリーミングが3,280万回(前週同率)、セールスは8,000(4%減少)をそれぞれ記録して、エアプレイ・チャートで5位から4位に上昇。ストリーミング・ソング・チャートでは通算11週目の首位を獲得した。デジタル・ソング・セールス・チャートでは5位から6位に順位を下げたが、売上は高水準を維持している。
ジャンル別では、カントリー・エアプレイ・チャートで5週目の首位を獲得。ポップ・エアプレイ・チャートでは自身初のTOP10入りを果たし、カントリー・ソング・チャートでは首位獲得週を17週目に更新した。
続いて今週2位には、テイラー・スウィフトの「カルマ feat. アイス・スパイス」が先週の27位からジャンプアップして、再TOP10入りと最高位を更新している。
「カルマ」は、2022年10月21日にリリースされたアルバム『ミッドナイツ』の収録曲として11月5日付で9位に初登場したが、以降TOP10にはランクインせず、今週約7か月ぶりに返り咲いた。
今週上昇したのは、5月26日にラッパーのアイス・スパイスをフィーチャーしたリミックスをリリースしたからで、同26日に米ニュージャージー州イースト・ラザフォードで開催された【The Eras Tour】の公演ではミュージック・ビデオを初公開し、アイス・スパイスがサプライズ出演したライブ・パフォーマンスも披露された。翌27日には、正式にミュージック・ビデオも公開されている。
リミックスとミュージック・ビデオのリリース効果により、エアプレイは15%増加の3,840万回、ストリーミングが175%増加の2,250万回、セールスは744%増加の17,000にそれぞれ跳ね上がり、ストリーミングとセールスはその週最も伸びた曲に贈られるStreaming GainerとSales Gainerを獲得した。
主要チャートでは、ストリーミング・ソング・チャートで50位から4位、デジタル・ソング・セールス・チャートで圏外から2位、エアプレイ・チャートでは18位から12位にそれぞれ上昇し、各チャートでの最高位を更新した。
テイラー・スウィフトは、これでTOP5にランクインしたタイトルを25曲目に更新し、Hot 100の集計が始まった1958年8月以降、史上5番目のアーティストに記録を塗り替えた。
TOP5ランクイン総数
35曲 ドレイク
29曲 ザ・ビートルズ
28曲 マドンナ
27曲 マライア・キャリー
25曲 テイラー・スウィフト
24曲 ジャネット・ジャクソン
24曲 リアーナ
21曲 エルヴィス・プレスリー(1958年8月以前の記録は含まない)
20曲 ジャスティン・ビーバー
20曲 マイケル・ジャクソン
20曲 スティーヴィー・ワンダー
また、TOP2にランクインした曲数を17曲目に更新し、以下に続く史上6番目の記録を達成した。
TOP2ランクイン総数
23曲 ザ・ビートルズ(1位が20曲、2位が3曲)
23曲 マライア・キャリー(1位が19曲、2位が4曲)
20曲 ドレイク(1位が11曲、2位が9曲)
18曲 リアーナ(1位が14曲、2位が4曲)
18曲 マドンナ(1位が12曲、2位が6曲)
17曲 テイラー・スウィフト(1位が9曲、2位が8曲)
収録アルバム『ミッドナイツ』からは、昨年11月~今年の1月に自己最長の8週1位をマークした「アンチ・ヒーロー」、2022年11月5日付で2位に初登場した「ラヴェンダー・ヘイズ」の計3曲がTOP2にランクインして、アルバムが1位に初登場した2022年11月5日付では以下の10曲がTOP10を独占するという史上初の偉業を達成している。
2022年11月5日付
1位「アンチ・ヒーロー」
2位「ラヴェンダー・ヘイズ」
3位「マルーン」
4位「スノウ・オン・ザ・ビーチ feat. ラナ・デル・レイ」
5位「ミッドナイト・レイン」
6位「ビジュエルド」
7位「クエスチョン…?」
8位「ユーア・オン・ユア・オウン、キッド」
9位「カルマ」
10位「ヴィジランティ・シット」
同じアルバムから3曲がTOP2にランクインしたのは、「シェイク・イット・オフ」(2014年 4週)、「ブランク・スペース」(2014~15年 7週)、「バッド・ブラッド feat. ケンドリック・ラマー」(2015年 1週)の3曲がNo.1に輝いた2014年のアルバム『1989』以来、自身2作目の快挙で、他のアーティストを含めると、「ハートレス」(2019年 1週)、「ブラインディング・ライツ」(2020年 4週)、「セイヴ・ユア・ティアーズ」(2021年 2週)の3曲が1位を獲得した、ザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』(2020年)以来のタイトルとなる。それ以前には、アリアナ・グランデの『thank u, next』(2019年)から3曲(内2曲が1位)、ドレイクの『スコーピオン』(2018年)から4曲(内3曲が1位)が、同じアルバムからTOP2に3曲以上をランクインさせた。
リミックスのゲストであるアイス・スパイスは、「ボーイズ・ア・ライアー Pt. 2 with ピンクパンサレス」(2023年 3位)、「プリンセス・ダイアナ with ニッキー・ミナージュ」(2023年 4位)に続く3曲目のTOP10入り(TOP5入り)で、自己最高位を更新した。なお、今週はリミックスがオリジナルのポイントを上回ったため、アイス・スパイスがクレジットされ、チャートの記録にも含まれたが、リミックスがオリジナルを上回らない場合、ゲストのクレジットと記録には含まれないルールがある。
先週2位に浮上したマイリー・サイラスの「フラワーズ」は今週3位にダウンしたが、今週も8,680万回(3%減少)と高水準を維持して、エアプレイ・チャートでは通算16週目の首位を獲得した。16週は、1990年12月に集計が始まったエアプレイ・チャート史上3番目に長い記録で、コロムビア・レコードの楽曲としては、アデルの「イージー・オン・ミー」を上回り最長記録を達成している。
26週 ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」(2020年)
18週 グー・グー・ドールズ「アイリス」(1998年)
16週 マイリー・サイラス「フラワーズ」(2023年)
16週 マルーン5「ガールズ・ライク・ユー feat. カーディ・B」(2018年)
16週 マライア・キャリー「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年)
16週 ノー・ダウト「ドント・スピーク」(1996~97年)
15週 アデル「イージー・オン・ミー」(2021~22年)
先週7位にダウンしたリル・ダークの「オール・マイ・ライフ feat. J.コール」は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で3位にデビューした新作『オールモスト・ヒールド』のリリース効果により、今週4位に再浮上。R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでも、それぞれ首位に復帰した。
レマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」は先週の4位から5位に順位を下げたが、約1年前から集計が始まったアフロビーツ・ソング・チャートでは首位獲得週を史上最長の40週目に更新している。
なお、2000年代以降チャートを賑わせてきた女性アーティストのテイラー・スウィフト、マイリー・サイラス、セレーナ・ゴメスの3者がTOP5に同時ランクインするのは、意外にも今週が初のチャート・アクションとなる。
シザの「キル・ビル」は先週の3位から6位に下降したが、R&Bソング・チャートでは24週目の首位を獲得。エスラボン・アーマード&ペソ・プルマの「Ella Baila Sola」も6位から7位に順位を下げたが、ラテン・ソング・チャートでは9週目の首位を獲得している。
続いて8位には、先週の10位からルーク・コムズの「ファスト・カー」が上昇し、5月27日付の9位を上回る最高位を更新。また、前週から33%増加の2,630万回を記録して、2週連続でその週最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerを獲得した。なお、同曲は女性シンガーソングライターのトレイシー・チャップマンが1988年にリリースした同名曲のカバーで、原曲は同年8月に最高6位を記録している。
以下、トゥーシーの「フェイバリット・ソング」が5位から9位、メトロ・ブーミンの「Creepin’ with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ」も9位から10位にそれぞれダウンした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは6月9日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
2位「カルマ」テイラー・スウィフト feat. アイス・スパイス
3位「フラワーズ」マイリー・サイラス
4位「オール・マイ・ライフ」リル・ダーク feat. J.コール
5位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
6位「キル・ビル」シザ
7位「Ella Baila Sola」エスラボン・アーマード&ペソ・プルマ
8位「ファスト・カー」ルーク・コムズ
9位「フェイバリット・ソング」トゥーシー
10位「Creepin’」メトロ・ブーミン with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ
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