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DASEIN、DAIDA LAIDAのほかthe CYCLEなどでも活動中のドラマー・JOEのデビュー25周年を祝う『DASEIN presents JOE 25th ANNIVERSARY 2MAN EVENT 「No DRUM No LIVE」 ~狂い咲き 叩く命の 鼓動なり~』が、2023年4月14日に東京・渋谷REXにて開催された。JOEの参加するDAIDA LAIDA とDASEIN 、2組の貴重な対バンライヴの模様をお伝えする。
そして、2023年6月17日にはavex時代の楽曲サブスク解禁が決定している!
先攻はDAIDA LAIDA。MAKE-UP、URUGOMEなどでも活動中のNoB (Vo)、ex.ANIMETALでCANTA、地獄カルテット、LIV MOONなどでも活動中のMASAKI (Ba)、ex.Gargoyle、MAZIORA THE BAND、LIV MOONのKENTARO (Gt)、JOE (Ds)からなる超絶テクニカルバンドだ。
この日は体調不良によりNoBは欠席となったため、NoBの声データを使用し楽器陣3人でステージに立つことに。1曲目は「象牙色の嘘」だ。いつもよりセンター寄りの立ち位置で演奏するKENTAROとMASAKI、そんな2人の背中を頼もしげに見つめながら、時折笑顔を見せながらドラムを叩くJOE。3人で信頼のアイコンタクトを取りながら、KENTAROのギターソロ、MASAKIのベースソロとつないで2人が向き合って音を重ねる場面もあり、どうしたって胸が高鳴ってしまう。
間髪入れず、「Dear Friend ~所縁~」ではMASAKIを見習ってオーディエンスも大きくクラップしたり拳を振り上げたりコールしたり。MASAKIの豪快なスラップベース、KENTAROの絶妙なチョーキングを交えたギターソロ、絶対的安心感のあるJOEのドラムも映える。NoBを想いながら、NoBを感じながら、メンバーとオーディエンスでどんどん一体感を高めていく。
メンバー、観客の祝意に応えてマイクを手にしたJOEは、「まさかスケジュールが合うと思わなかったんですけど、こうして今日はDASEINとDAIDA LAIDAの2マンが実現しました。ただ、よくよく考えたらそのぶんリハーサルの時間も増えるし、観ていただいたらわかる通りDAIDA LAIDAってかなりの感じなんですよ(苦笑)。よく「サイコパス」って言われる俺も、さすがに今日、DASEINのリハとDAIDA LAIDAのリハを続けてやったら結構しんどいかもしれないな、と思って。キューピーコーワゴールド2粒にユンケルという禁断のコンビを摂取しました(笑)」と告白。そんなJOEに、「デビュー25周年を迎えたJOE、今日はお客様からなにをいただきたいんですか?」とMASAKIが問いかけると、「これだけの声援と笑みをいただいて、僕はもうそれだけで十分です。MASAKIさんにもKENちゃん(KENTARO)にも、ぜひその声援と笑みをください」と、メンバー想いな言葉も。そういう人柄も、人を呼び寄せるのだろう。
3人それぞれ歌うように奏でた「楔」、技の詰め合わせで圧倒したインストゥルメンタル「雷」とたたみかけて、再びのMCタイムへ。
「25年もこうしてステージに立ち続けられるとは思ってもみなかったし……レジェンドたちが集うDAIDA LAIDAのメンバーであるっていうのは、幸せの極みです」とJOEがしみじみ語ると、「普段ならJOEの話は長いから途中でぶった切るんですけど(笑)、今日は周年ライヴですからね、切らないようにします」と寛大なMASAKI。そんなMASAKIのまさかのムチャブリにKENTAROが笑顔で応たりもして、演奏時とのギャップがありすぎる和やかなトークタイムもまた、とても楽しい。
MASAKIが言う通りまさに“癒やし系”なメロディックナンバー「漣」。一転、赤いライトに照らされながら、エモーショナルな演奏でオーディエンスの本能を呼び覚ました「Hero ~本能の唄~」。感情も色彩も豊かなバンド、それがDAIDA LAIDAだ。
「メンバー4人そろってJOEくんの25周年をお祝いできなかったのは残念なんですけど、今日はNoBさんがいないことでJOEくんがよく見えた、とポジティヴにとらえましょう(笑)」とKENTAROが気の利いたこ提案をし、「この楽しさはNoBさんにもきっと届いたと思います!」と続けたJOE。KENTAROとMASAKIが弾き倒しJOEが叩き倒した疾走感あふれる「DAIDA LAIDA ~魂の唄~」にしても、フロアがヘドバンまみれになった「咲けど徒花 その命かくも短かき 紛い物Gorgeous」にしても、余裕な顔でDAIDA LAIDAの真骨頂を見せつけた3人、とにもかくにもロックヒーローだった。
後攻は、Ricky(ヴォーカル)とJOEからなる2人組ロックユニットのDASEIN 。Rickyの伸びやかな美声がまず響いたのは、ペンライトが揺れるフロアでいきなり合唱も巻き起こった「流離人~さすらいびと~」だ。しなやかなスティックさばきで歌に寄り添うようなJOEのドラムも、耳に心地いい。デビュー曲「夢つれづれ」、9thシングル表題曲「キ・ミ・ダ・ケ」にしても然り、どの時代の楽曲もそこに込めたメッセージも、少しも色褪せていないことにあらためて気づかされる。
「ワンマンくらいの熱気と景色、ありがとうございます! DAIDA LAIDAさんが駆けつけてくれた今日、JOEがセットリストを考えてくれました。盛り上げるというよりは聴かせるナンバーを3曲立て続けにお送りしましたが、どうですか? パーカーで歌う曲じゃないな、と思ったりもしたんですけど、最新シングル「歩-ayumi-」の衣装がこれなんでしょうがないです(笑)。JOEは網々の衣装でね」とRickyから話を振られたJOE、ここでDASEINのJOEとして挨拶することに。「先程も激しい運動をしまして、アスリートっていうのは大変なんだな、と痛感しました(笑)。25年間このスタイルを貫き通せたのも、みなさんのおかげだと思っております。周りのみなさんの支えがなければ僕はいません。ホントにありがとうございます!」という心からの感謝の言葉に、温かい拍手を送るザイナー。なんて素敵な記念日なんだ。
「普段はあまり2マンとかやらないので、リハーサルから圧倒されました。DAIDA LAIDAさん、めちゃめちゃかっこいい。主催なのでトリを務めますが、DAIDA LAIDAさんの胸を借りるつもりで、でも負けないつもりで頑張ります。JOEの25周年をみんなで盛り上げましょう! そしてめでたいことは続くもので、明日4月15日はDASEINのCDシングル「歩-ayumi-」のリリース日です。コロナ禍でずっと配信リリースが続いてましたが、やっとCDで出せます」
Rickyの言葉が導いたのは、最新シングル「歩-ayumi-」に収録の4曲だ。歩み続ける者だからこそ紡げる言葉に胸を打たれる、ドラマティックな「歩-ayumi-」。キラキラリングをつけたザイナーの指がフロアで数多揺れた「五月雨-HBR ver-」。JOEの激しいツーバスとRickyの力強い歌声で闇を切り裂いていくような「闇-darkness ver-」。歌詞に生き方のヒントがちりばめられてもいるエレクトロックな「葬れ」。DASEINで満を持しての音源化となる「歩-ayumi-」も「五月雨-HBR ver-」も「闇-darkness ver-」も、新曲「葬れ」も、ライヴでますます鮮烈な輝きを放つ曲たちだ。
そして、第一線で活躍し続けてきた25年のドラマー人生を凝縮したような、華やかでダイナミックなドラムソロを披露したJOE。「プロのドラマーになりたい、その夢がまさか実現するとは。途中、腰を痛めてSEX MACHINGUNSを脱退し、DASEINを結成しました。よく、Rickyが「JOEが僕の声に惚れてくれたから自分は今ここにいる」って言うけど、逆ですよ。僕はあいつに救われたし、あいつがいてくれたからここにいます。SEX MACHINGUNS再加入も含めてメジャーデビューを3回していて、レジェンドたちがいるDAIDA LAIDAのメンバーになれて。こんな人生、なかなかないですよ」という感慨深げな言葉も相まって、グっときてしまった。
「HYPER BEAT ROCKブチかませ!」とRickyが気を吐き、火に油を注ぐがごとくフロアの熱狂を加速させた「ケリをつけろ」。「俺たちとみんなが出会えた今日ここに、“我思う、ゆえに我在り”」といざなった「COGITO ELGO SUM」。<在るがまま>でいい、と高らかに歌う「我ここに在り」。生きている限り悩みは尽きないけれど、また明日から前を向いて歩いていこう。いつだって、DASEINはそう思わせてくれる。
再び幕が上がり、ステージにDAIDA LAIDAとDASEINのメンバーがそろうことに。「まずは25周年おめでとう。そんな栄えある場所にいられなくて、断腸の想いです。DAIDA LAIDAも、2022年に結成10年を迎えました。あなたのキャラにどれだけ救われてきたことか。僕にとって、DAIDA LAIDAが人生最後のバンドになるでしょう。これからも一緒に頑張ろう」というNoBからJOEへの胸熱コメントがMASAKIによって読み上げられると、感無量な様子のJOE。そして、DASEINの「レジスタンス」、偉大なるバンド・MAKE-UPによるアニメ『聖闘士星矢』の初代主題歌「ペガサス幻想」で実現した、DAIDA LAIDAとDASEINのスペシャルセッション。目にも耳にも、あまりにも豪華で贅沢だった。
ステージに残ったJOEとRicky。「2人で歩んできた道は僕の宝物。これからもそれを生きるバネにして頑張っていきます」とJOEが決意すれば、「いつも僕のことを手放しで褒めてくれるJOEに、おまえを選んでよかった、って思ってもらえるようこれからも頑張ります。2人はもちろん、いろんな方と手をとって一緒に歩んでいきましょう」と約束したRicky。心動く場面の連続だったこの日のライヴを締めくくったのは、「仲間がいて自分の好きなことがやれる、こんな幸せな人生ないですね。みなさんも自分のことを大事にして、長いお付き合いをよろしくお願いします」という、JOEからすべてのファンに向けた温かなメッセージだった。ドラムに愛され、人に愛されてきたJOEのアニバーサリーライヴ。節目のたびに、素晴らしい饗宴が開かれることを願う。
photo by 小山美里 (ODD JOB LTD.)
text by 杉江優花
【セットリスト】
■DAIDA LAIDA
01. 象牙色の嘘
02. DEAR FRIEND
03. 楔
04. 雷
05. 漣
06. HERO
07. DAIDA LAIDA
08. 咲けど徒花 その命かくも短かき 紛い物Gorgeous
■DASEIN
01_流離人
02_夢つれづれ
03_キ・ミ・ダ・ケ
ーMCー
04_歩-ayumi-
05_五月雨
06_闇
07_葬れ
ーDrsolo~狼煙ー
08_ケリをつけろ
09_COGITO ELGO SUM
10_我ここにあり
ーセッションー
11_レジスタンス
12_ペガサス幻想
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