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シザの「キル・ビル」が約4か月間を経て首位に到達し、自身初のNo.1タイトルを獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
2022年12月24日付で3位に初登場した「キル・ビル」は、ホリデー・シーズンの影響で一度TOP10から外れたが、2023年1月14日付で3位に返り咲き、1月~4月まで8週間2位を獲得して、先週の4位から今週1位に到達した。
首位に昇りつめるまでに2位を獲得した週が最も多いタイトルは、2019年に9週間2位をマークした後1位に到達した、ビリー・アイリッシュの「bad guy」で、「キル・ビル」はそれに続く歴代2番目の記録を更新した。なお、同8週を獲得したのは、その他以下の3曲がある。
※()内は初めて首位に到達した日
9週 ビリー・アイリッシュ「bad guy」(2019年8月24日)
8週 シザ「キル・ビル」(2023年4月29日)
8週 ザ・ウィークエンド「スターボーイ feat. ダフト・パンク」(2017年1月7日)
8週 ジャスティン・ビーバー「ソーリー」(2016年1月23日)
8週 アウトキャスト「ザ・ウェイ・ユー・ムーヴ feat. スリーピー・ブラウン」(2004年2月14日)
7週 カミラ・カベロ「ハバナ feat. ヤング・サグ」(2018年1月27日)
7週 LMFAO「セクシー・アンド・アイ・ノウ・イット」(2012年1月7日)
6週 マルーン5「ガールズ・ライク・ユー feat. カーディ・B」(2018年9月29日)
6週 ジョン・レジェンド「オール・オブ・ミー」(2014年5月17日)
Hot 100史上「キル・ビル」は通算1,149番目のNo.1タイトルで、シザにとってはこれまでの最高位だったドージャ・キャットとの「キス・ミー・モア feat. シザ」(2021年)の3位を上回り、自己最高位と自身初の首位を獲得した。
シザ TOP10記録
1位「キル・ビル」(2023年)
3位 ドージャ・キャット「キス・ミー・モア feat. シザ」(2021年)
7位「アイ・ヘイト・ユー」(2021年)
7位「オール・ザ・スターズ with ケンドリック・ラマー」(2018年)
9位 マルーン5「ホワット・ラヴァーズ・ドゥ feat. シザ」(2017年)
9位「グッド・デイズ」(2021年 / 9位)
10位「ノーバディ・ゲッツ・ミー」(2022年)
「キル・ビル」は、今週の集計期間(2023年4月14日~4月20日)初日の4月14日にドージャ・キャットが参加したリミックスがリリースされたことで、各ポイントが上昇。エアプレイは前週と横ばいの8,650万回を維持し、ストリーミングは32%増加の2,830万回、セールスは228%増加の5,000にそれぞれ上昇した。ストリーミングとセールスは、その週最も伸びた曲に贈られるStreaming Gainer、Sales Gainerをそれぞれ獲得している。
各チャートでは、エアプレイ・チャートで3位から2位に最高位を更新し、ストリーミング・ソング・チャートで4位から3位、デジタル・ソング・セールス・チャートでは36位から8位にそれぞれ上昇した。その他、R&Bソング・チャートでは18週目、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートでは女性がリード・アーティストの楽曲として史上最長の17週目の首位を獲得している。
タイトルにキル(Kill)が含まれる曲としてはHot 100史上4曲目の首位獲得で、キル(Kill)を含む映画のタイトルがつけられた楽曲としてはデュラン・デュランの「007/美しき獲物たち(A View to a Kill)」に続く2曲目の快挙となる。
※()内は初めて首位に到達した日
シザ「キル・ビル」(2023年4月29日)
ケリー・クラークソン「ストロンガー (ホワット・ダズント・キル・ユー) 」(2012年2月18日)
デュラン・デュラン「007/美しき獲物たち(A View to a Kill)」(1985年7月13日)
ロバータ・フラック 「やさしく歌って(Killing Me Softly With His Song)」(1973年2月24日)
なお、デュラン・デュランの楽曲は1985年に公開された映画『007/美しき獲物たち』の主題歌だが、シザの「キル・ビル」は2003年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督による映画『キル・ビル』にインスパイアされたもので、作品との直接的な関連性はない。
「キル・ビル」が収録された最新作『SOS』も、アルバム・チャート“Billboard 200”で初登場から10週連続で1位を獲得した後、今週(4月29日付)は3位にランクインしている。
「キル・ビル」の浮上により先週1位だったモーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」は2位にダウンしたが、ストリーミング・ソング・チャートでは3,510万回(4%減少)を記録して6週目の首位をキープしている。また、エアプレイは前週から16%増加の3,990万回に上昇して、今週最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerを獲得。カントリー・ソング・チャートでは、初登場から11週連続で首位をキープした。
3位は、マイリー・サイラスの「フラワーズ」が先週に続き同位をキープ。前週から若干数減少したが、今週も9,270万回と高記録を維持して、エアプレイ・チャートでは10週目の首位を獲得した。
エアプレイ・チャートで10週以上首位を獲得した曲数は、1990年12月に集計を始めて以来全体のわずか15%で、「フラワーズ」はその他ポップ・エアプレイ・チャート、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャート、アダルト・コンテンポラリー・チャートでも同時に首位を獲得するという快挙を達成した。それら3つのチャートを同じ週で3週以上制覇したのは、 アデルの「イージー・オン・ミー」(2022年3週)、アデルの「ハロー」(2015年4週)、セリーヌ・ディオンの「ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー」(1996年5週)に続く4曲目のタイトルとなる。
続いて今週4位には、女性ラッパーのアイス・スパイスとニッキー・ミナージュによるコラボレーション・シングル「プリンセス・ダイアナ」が初登場。原曲は、今年の1月に発表したアイス・スパイス初のEP『Like..?』に収録されていて、ニッキー・ミナージュがゲストとして参加したリミックスが4月14日にリリースされたため、今週各ポイントが上昇し、TOP10入りを果たした。
Hot 100でのTOP10入りは、アイス・スパイスがピンクパンサレスとコラボした前曲「ボーイズ・ア・ライアー Pt. 2」(今週10位)に続く2曲目、ニッキーは女性ラッパー最多の通算22曲目に記録を更新した。
「プリンセス・ダイアナ」は、そのリミックスのリリース効果により、ストリーミングが2,180万回、エアプレイが240万回、セールスは77,000をそれぞれ記録して、ストリーミング・ソング・チャートで6位、デジタル・ソング・セールス・チャートでは1位に初登場した。セールス・チャートでの首位獲得は、ニッキー・ミナージュが13曲目、アイス・スパイスは初のタイトルとなる。なお、セールスにはリミックスの他にオリジナル・バージョン、クリーン・バージョン、エクスプリシット・バージョン等複数のバージョンによる売上が含まれる。
ジャンル別では、ラップ・ソング・チャートでも1位にデビューしていて、ニッキー・ミナージュは10曲目、アイス・スパイスは初のNo.1タイトルを獲得した。
5位には、先週10位にTOP10入りしたエスラボン・アーマードとペソ・プルマによるコラボレーション「Ella Baila Sola」が上昇し、メキシコの楽曲としてはHot 100史上初のTOP5入りを果たしている。また、ラテン・ソング・チャートでは3週目の首位をキープし、今週のGlobal 200では両者初の1位を獲得した。週間ストリーミングは、前週から31%増加の3,180万回に上昇している。
TOP5以下、メトロ・ブーミンの「Creepin’ with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ」が先週の5位から6位、レマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」が6位から7位、ザ・ウィークエンド&アリアナ・グランデの「ダイ・フォー・ユー」も7位から8位にそれぞれダウンして、先週2位に初登場したドレイクの新曲「サーチ・アンド・レスキュー」は今週9位に急落した。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは4月28日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「キル・ビル」シザ
2位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
3位「フラワーズ」マイリー・サイラス
4位「プリンセス・ダイアナ」アイス・スパイス&ニッキー・ミナージュ
5位「Ella Baila Sola」エスラボン・アーマード&ペソ・プルマ
6位「Creepin’」メトロ・ブーミン with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ
7位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
8位「ダイ・フォー・ユー」ザ・ウィークエンド&アリアナ・グランデ
9位「サーチ・アンド・レスキュー」ドレイク
10位「ボーイズ・ア・ライアー Pt. 2」ピンクパンサレス&アイス・スパイス
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