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Billboard JAPAN主催のトークセッション【Billboard JAPAN Women In Music Sessions Supported by CASIO】が、本取り組みを支援するYouTube の支援の元、2023年3月30日にGoogle渋谷オフィスにて開催された。
本イベントは、米ビルボードで2007年より開催されている【Billboard Women In Music】と題した取り組みの日本版トークセッションで、商業的、文化的に日本の音楽業界に関わる女性、様々なジェンダーや立場の方が活躍できる、あたらしい社会をつくることを目的に国内で初めて開催された。
日本の音楽マーケットにおけるジェンダーバランスをテーマに、世界でも課題となっているフェス出演アーティストの男女比のバランスや、国内ヒットチャートの大半を男性アーティストが占めている背景と今後グローバルに活躍するアーティストが向き合うべき課題について議論が交わされた。
冒頭では、Billboard JAPAN編集長の高嶋直子が、本プロジェクトを始めたきっかけや今後の取り組みを説明。続いて、会場およびリアルタイム配信限定で、ハンナ・カープ(Billboard エディトリアルディレクター)とヴィヴィアン・ルイット(YouTube アーティスト リレーションズ グローバル責任者)の対談が上映された。
Session 1では、パネリストに【SUMMER SONIC】のPRやブッキングを担当している、株式会社クリエイティブマンプロダクション宣伝部部長/平山善成、【SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER】の創設者で、現在はアーティスト・プロデュース事業を担当する、株式会社スペースシャワーネットワーク上席執行役員/石田美佐緒の2名を迎え、「フェスにおけるジェンダーバランスと今後のあり方」をテーマに、女性アーティストのフェス出演比率が低いことが世界的に問題視されるようになっている課題に対して、プロモーターとアーティスト・マネジメントの観点からトークセッションを行った。
モデレーターのライター/渡辺志保より、国内外フェスの出演アーティストのジェンダーバランスとして2000年、2010年、2022年の【コーチェラ】【SUMMER SONIC】【SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER】を例に、年々女性アーティストの比率が上がってきていることがグラフで提示されると、「近年女性アーティストが増えているのは明らかですし、実際にブッキングしている際もそう感じます」と平山は話す。一方の石田は、ジェンダーを意識したブッキングについて問題意識が足りないことを認識ししつ、20代の女性をターゲットにしているという【SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER】では「20代女性に響くアーティストが増えてきていると感じる」と述べ、それぞれフェスのジェンダー比率において、女性の割合が増えていることを体感していることを述べた。
セッション内では、音楽フェスにおけるブッキングのプロセスやヘッドライナーの決め手についても展開された。その流れから女性の来場者に対するフェス作りの話題に。平山は、女性専用のトイレのエリアやパウダールームの設置など、石田は環境が美しい会場選びやカフェメニューなど、よりフェスを楽しんでもらえるような環境づくりをしていると口にした。
また、他イベンターや海外のフェスでのジェンダー比についてトークが展開していくと、石田は海外フェスにおいて、女性アーティストがヘッドライナーを多く務めていることに対し、日本ではまだその傾向が少ないことを指摘。平山は、2022年の【SUMMER SONIC】でThe 1975から「自分たちが出るステージには女性アーティストを半分以上入れて欲しい」という要望があったこと、ステージにおけるジェンダーバランスを整えたことを明かし、フェスの中でジェンダーバランスをより意識しながら取り入れていくことの実例を感じたと話す。
セッション内では、フェスにおけるジェンダー比の問題点は何なのか、ラインナップに女性アーティストを増やすことや、結婚や妊娠・出産などライフステージを迎えている女性アーティストや音楽業界の女性スタッフのケアなどについてトークが展開。最後は理想のフェスについてそれぞれがディスカッションし、Session 1は終了した。
Session 2では、音楽プロデューサー/ベーシストの亀田誠治、日韓音楽コミュニケーターの筧真帆、UNIVERSAL MUSIC EMI Records A&R/音楽ディレクターである亀田裕子の3名を迎え、「チャートから見るジェンダーバランス」をテーマにトークが繰り広げられた。
まずはモデレーターの平井莉生から、2019年~2022年にかけてBillboard JAPAN年間チャート Hot 100におけるジェンダー構成比がほとんど変わらず、さらにそのうち男性グループが半数以上を占めているというデータが提示されると、亀田誠治は「ストリーミングの浸透など、音楽の聞き方は変わっているはずなのに、ジェンダーの観点のみ停滞してしまっているのはなぜだろう」と疑問を投げかける。そこに「ライフステージの変化による分断があるのではないか」(亀田裕子)、「K-POPは“アイドル”のため、(日本の)チャートにも上位に入りやすいが、J-POPには個性を持った女性ソロシンガーの数は多いのでは」(筧)とそれぞれが意見を発信。それをきっかけに、制作現場で感じるジェンダーによるアプローチの仕方の差や、韓国のガールズグループにおいてキーワードとなっている“ガールクラッシュ”という文化へと、セッションが展開していく。
そこから、「女性だから」など、ジェンダー差/身体的差がアーティストの成功に悪い影響を及ぼすことがあるのかという議論に。「小さい女の子が、(インターネットにアップした)演奏をきっかけに世界的な評価を得たりしている。身体面で、演奏が評価されないということはないと思う」(亀田誠治)、「ジェンダーでアーティストの売り出し方を変えていることはない。売り出す際に、『女性だから』ということで機会が奪われることはない」(亀田裕子)と語りつつ、K-POPを例に挙げて、日本の音楽の海外展開や多様性へと話は進む。
最後は、多様性を受け入れるために古い世代を排除するのではなく「様々な世代とジェンダーに脚光が当たる業界を目指したい」と、ジェンダーやセクシュアリティの目線を超越したコンテンツや業界をつくる、というところへ発展し、盛り上がったところで終了した。
なお、本トークセッションの模様は、Peatix登録者限定でアーカイブ配信中。視聴希望の場合、下記URLより会員登録を行うと、視聴URLが送られる(映像は5月3日17:59まで視聴可能)。
◎Peatix 登録URL:https://wimsessions.peatix.com/
アーカイブ視聴をご希望の方は、上記URLより登録をお願いいたします。ご登録後、視聴URLが届きます。
※映像は5月3日(水・祝)17:59まで視聴可能です。
※本映像はPeatix登録をされた方のみ視聴可能です。アーカイブ視聴URLのシェアはお控えください。
※ハンナ・カープとヴィヴィアン・ルイットの対談のアーカイブ配信はございません。
◎イベント概要
【Billboard JAPAN Women In Music Sessions Supported by CASIO】
2023年3月30日(木)
Session 1「フェスにおけるジェンダーバランスと今後のあり方」
-モデレーター:渡辺 志保(ライター)
-パネリスト
・平山 善成(株式会社クリエイティブマンプロダクション宣伝部部長)
・石田 美佐緒(株式会社スペースシャワーネットワーク上席執行役員)
Session 2「チャートから見るジェンダーバランス」
-モデレーター:平井 莉生(FIUME Inc.)
-パネリスト
・亀田 誠治(音楽プロデューサー/ベーシスト)
・筧 真帆(日韓音楽コミュニケーター)
・亀田 裕子(UNIVERSAL MUSIC EMI Records A&R/音楽ディレクター)
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