エンターテインメント・ウェブマガジン
布袋寅泰のファンクラブ・スペシャルライブ『beat crazy Presents Special Gig B.C. ONLY +1 2022』(振替公演)を目撃した。ファンダムと向き合い、通常のライブやツアーではやらないレアな選曲が魅力のステージだ。いわゆるリリースやアルバムに紐づかない作品が聴けるという、どんな曲が飛び出すかわからない緊張と期待の高揚感。
布袋は、今年で結成20周年となるファンクラブ『beat crazy』のスペシャルライブ『B.C. ONLY』について、「ある意味、僕にとって実験の場でもあるし。つべこべ考えず音を楽しめる場所でもあって、パーティーでもあり真剣勝負でもあり」と、MCで語っていたのが印象的だ。
しかも、東京会場はZepp DiverCityというライブハウス。距離の近い、爆裂な臨場感に満ちたパフォーマンス。さらに、念願の歓声解禁である。3年間、まさに夢に見ていた光景だ。
オープニングは「I’M FREE」。壮大な世界観を持つハイヤーセルフをテーマとしたロックチューン。布袋はピンクのジャケットを羽織り、ギターはZEMAITISのMETAL FRONTを使用。今回のバンドメンバーは、黒田晃年(Guitar)、井上富雄(Bass)、古田たかし(Drums)による4ピース。シーケンスの同期も使わず、骨太なバンドサウンドを「DRIVIN’ TO YOUR HEART TONIGHT」、「DOBERMAN」と続くロックナンバーをこれでもかとプレイ。キーボード、マニピュレーターのいるツアー時のアレンジとは異なる、ギターによるエフェクトを活用した生々しくもレアなプリミティヴなサウンドが耳に新鮮だ。
緩急つけて、インストでのダンサブルなパーティーロック「FINGER SKIPPIN’ JIVE」や、レコーディングでは全ギターパートをブライアン・セッツァーに委ねていた「King & Queen」。さらに、シングル『さらば青春の光』のカップリングに収録された「七年目の幽霊」をプレイ。マニアックな選曲だ。さらに布袋は、ジェフ・ベックへ哀悼の意を表した。想いを込めてジェフ・ベック・モデルを用いて、自身のナンバー「ハウリング」を演奏した事は忘れられない。空間をせつなきミストでいっぱいにする、泣きの音色が響き渡った。
中盤、SEが鳴り響き、スペシャルゲストにのんが登場するサプライズも。のんは、実は音楽活動もさかんに行っており、テレキャスターを愛好するギタリストでもある。思いがけないゲストに、沸き立つオーディエンスたち。こんなスペシャルなセッションが起こるのも『B.C. ONLY』の楽しいところだ。
のんとは、音楽シーンを牽引した先輩であり、天国へ先に旅立だった高橋幸宏、鮎川誠への追悼としてグラムロック・テイストな「タイムマシンにおねがい」(サディスティック・ミカ・バンド)、ウォール・オブ・サウンド風な「ユー・メイ・ドリーム」(シーナ&ザ・ロケッツ)をプレイ。のんによる天をも貫く、ロッキンかつアッパーな歌声によってカバー。様々な思いがよぎり、思わず涙したオーディエンスも多かったことだろう。
のんによるソリッドな8ビート・チューン「やまないガール」では、布袋は一歩後ろでギターに徹していた事も印象的だ。布袋による、ボーカリストを斜め後ろから見る視線からは、40年に渡る様々な物語が呼び起こされる。のんオリジナルによる本作は、ニューウェーブ調なビートの効いたロックソングであり布袋サウンドとの相性も抜群だった。のん曰く「布袋さんとこの曲を一緒に演奏できて、めちゃくちゃ楽しい!」とオーディエンス同様に盛り上がっていた。
勢いはそのままに、曲順は前後するが布袋寅泰のロマンティックな側面である「Shape Of Pain」、「London Bridge」、「DANCING WITH THE MOONLIGHT」での煌びやかなプレイに酔いしれたフロア。
さらに、とどめとして「BEAT EMOTION」、「C’MON EVERYBODY」では、聴き馴染みの深い人気チューンが、4ピースによる圧巻の演奏力によってフレッシュに繰り広げられ、会場は破裂寸前の大盛り上がりへ。オーディエンス全員のジャンプで、Zepp DiverCityがリアルに大きく揺れていた。なかでも「BEAT EMOTION」の間奏のスリリングな掛け合いは鳥肌ものだった。メンバーのスキルフルな極上のプレイに、度肝を抜かれたものだ。
ラストは「サンキュー、beat crazy! 今日はひさしぶりにみんなとロックンロール出来て嬉しかったです。(beat crazy結成)20周年と言わず、30周年、40周年と言わず50周年。60周年、70周年。とにかくいけるところまで一緒に行こうぜ! 今日はありがとう!!!」と語り、最新アルバム『Still Dreamin’』から「Let’s Go」をプレイ。布袋寅泰音楽活動40周年を経て、さらなるネクストへと突き進んでいく決意表明をサウンドを通じて宣言した。
本公演は、ライブ配信も行われ3月7日(火)までアーカイブ配信にて目撃可能だ。3月5日(日)までにファンクラブ入会すれば、3月7日(火)19時のチケット販売終了に間に合う。もし、ファンクラブ・スペシャルライブ『B.C. ONLY』が気になった方は、これをきっかけに『beat crazy』への加入をオススメしたい。常に最新をアップデートし続ける驚きの布袋ワールド、その激レアなアナザーサイドがあなたを待っている。
photo by 山本倫子
text by ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
【セットリスト】
I’M FREE
DRIVIN’ TO YOUR HEART TONIGHT
DOBERMAN
FINGER SKIPPIN’ JIVE
King & Queen
七年目の幽霊
ハウリング
タイムマシンにおねがい [with のん]
やまないガール [with のん]
やるだけやっちまえ! [with のん]
ユー・メイ・ドリーム [with のん]
Shape of pain
BEAT EMOTION
C’MON EVERYBODY
London Bridge
DANCING WITH THE MOONLIGHT
Let’s Go
【アーカイブ配信】
『beat crazy Presents Special Gig
B.C. ONLY +1 2022(振替公演) Live Streaming』
3月7日(火)23:59 までアーカイブ配信中!
配信チケット販売締切: 3月7日(火)19:00まで
チケット料金: 2,750円(税込み)
※チケット代金とは別に1枚220円のシステム利用料、1枚110円の配信サービス料がかかります。
購入資格: beat crazy正会員/アーカイブ配信(3月5日(日)時点 )
配信詳細: https://www.beatcrazy.net/posts/pages/lbfndf
J-POP2024年5月4日
Travis Japanの新曲「Sweetest Tune」と、テレビ朝日系オシドラサタデー『東京タワー』のコラボMVが期間限定公開された。 本ドラマは、2001年に刊行された江國香織の同名小説が原作で、永瀬廉(King & P … 続きを読む
J-POP2024年5月4日
King & Princeのニューシングルとベスト盤の収録曲が、CDデビュー6周年を迎える2024年5月23日にサブスク解禁される。 配信の対象となる作品は、5月23日にリリースとなる15枚目のシングル『halfmoon / m … 続きを読む
J-POP2024年5月4日
川西拓実(JO1)と桜田ひよりが主演を務める映画『バジーノイズ』のメイキング写真が公開された。 2024年5月3日に公開となった本映画の原作は、むつき潤による同名漫画。DTM(デスクトップミュージック)を題材にしており、『週刊ビッグコミ … 続きを読む
J-POP2024年5月4日
OWVが、2024年6月12日にリリースとなるニューシングル『LOVE BANDITZ』のFC限定盤に収録されるライブ映像のダイジェストを公開した。 FC限定盤の付属Blu-rayには、今年1月14日に東京・片柳アリーナで開催された【O … 続きを読む
J-POP2024年5月4日
昨年、デビュー5周年を迎えたシンガー、halcaがビルボードライブに初登場する。 2013年にボカロ・アニソン特化型オーディション『ウタカツ!オーディション』で準グランプリを獲得し、2018年にはTVアニメ『ヲタクに恋は難しい』エンディ … 続きを読む