【米ビルボード・ソング・チャート】テイラー・スウィフト「アンチ・ヒーロー」6週連続No.1、「恋人たちのクリスマス」が2位に上昇

2022年12月6日 / 11:00

 テイラー・スウィフトの「アンチ・ヒーロー」が6週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 11月5日付で1位に初登場してから6週目の首位を獲得した「アンチ・ヒーロー」は、今週の集計期間中(11月25日~12月1日)エアプレイが6,890万回(6%増加)、ストリーミングが2,090万回(19%減少)、セールスは13,000(15%増加)をそれぞれ記録。ストリーミング・ソング・チャートでは2位から6位に順位を下げたが、エアプレイ・チャートでは2位をキープして、デジタル・ソング・セールス・チャートでは2位から1位に返り咲いている。

 今週売り上げが上昇したのは、これまでにリリースしたリミックスを含む10のバージョンが69セントに値引きされ、テイラーの公式サイトで再び販売されたため。そのセール期間が今週の集計期間と重なったことで、前週から15%増加の13,000に跳ね上がった。

 Hot 100で初登場1位を獲得したのは「アンチ・ヒーロー」が史上64曲目で、そのうち6週連続で首位をマークしたのは以下に続く10曲目の快挙となる。

6週 テイラー・スウィフト「アンチ・ヒーロー」(2022年)
7週(通算10週) BTS「Butter」(2021年)
8週 オリヴィア・ロドリゴ「ドライバーズ・ライセンス」(2021年)
11週 ドレイク「ゴッズ・プラン」(2018年)
10週 アデル「ハロー」(2015~16年)
6週 レディー・ガガ「ボーン・ディス・ウェイ」(2011年)
11週 エルトン・ジョン「サムシング・アバウト・ザ・ウェイ・ユールック・トゥナイト / キャンドル・イン・ザ・ウインド 1997」(1997~98年)
14週 パフ・ダディ&フェイス・エヴァンス「アイル・ビー・ミッシング・ユー feat. 112」(1997年)
16週 マライア・キャリー&ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」(1995~96年)
8週 マライア・キャリー「ファンタジー」(1995年)

 続いて今週2位には、先週5位に再浮上したマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が上昇し、今シーズンでの最高位を更新した。今週もホリデー・シーズンのプロモーション、ストリーミング効果が高まり、ストリーミングが41%増加の3,030万回、エアプレイが45%増加の2,980万回、セールスも59%増加の5,000にそれぞれ上昇。エアプレイ・チャートでは今週のAirplay Gainerを獲得して38位から23位にジャンプアップし、セールス・チャートでは14位から7位にTOP10入り、ストリーミング・チャートでは3位から1位に通算16週目の首位を獲得した。また、ホリデー・ソング・チャート(Holiday 100)では38週連続、通算53週目の首位をマークし、同チャートの集計が始まった2011年以降の歴代最高記録を更新し続けている。

 「恋人たちのクリスマス」がリリースされたのは1994年10月だが、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降年々最高位を更新して、2017年の12月に初めて9位にTOP10入りし、翌18年には3位まで上昇。2019年12月21日付チャートでは、発売25週年目で通算19曲目の首位に輝き、ザ・ビートルズがもつ20曲に次ぐ歴代2番目の記録に浮上した。ホリデー・ソングとしては、1958年12月22日から1959年1月12日付までの4週1位をキープした、デヴィッド・セヴィル&ザ・チップマンクスの「ザ・チップマンク・ソング」以来61年ぶり、2曲目の首位獲得で、その「ザ・チップマンク・ソング」がもつ4週を上回るホリデー・ソングの歴代最長記録(通算8週)を更新している。

「恋人たちのクリスマス」首位獲得週
2019年12月21日
2019年12月28日
2020年1月4日
2020年12月19日
2021年1月2日
2021年12月25日
2022年1月1日
2022年1月8日

 例年の傾向からすると、翌週もしくは翌々週に首位を獲得する可能性が高い。

 「恋人たちのクリスマス」に続き、今週3位にはブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」(1958年)が先週の6位から上昇し、TOP3復帰を果たしている。同曲もホリデー・シーズンのプロモーション、ストリーミング効果により、ストリーミングが51%増加の2,990万回、エアプレイが30%増加の2,620万回、セールスは292%増加の4,000に跳ね上がり、その週最も伸びた曲に贈られるSales Gainer、Streaming Gainerの2冠を達成した。

 両曲の上昇によりサム・スミス&キム・ペトラスの「アンホーリー」は先週の3位から4位に下降したが、前週から8%増加の7,740万回を記録してエアプレイ・チャートでは3週目の首位をキープしている。

 先週TOP10入りしたボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」(1957年)は9位から5位に、バール・アイヴスの「ホーリー・ジョリー・クリスマス」(1964年)は10位から6位に今シーズンの最高位を更新した。なお、過去3年間のホリデー・シーズンには前者が3位、後者は4位まで上昇している。

 上記4曲の上昇により、初登場から3週連続で2位をキープしていたドレイク&21サヴェージの「Rich Flex」は7位に急落し、ストリーミング・チャートでも「恋人たちのクリスマス」に今週首位の座を明け渡したが、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは4週連続で1位を保持している。

 同様に、スティーヴ・レイシーの「バッド・ハビット」も4位から8位に順位を下げたが、ロック&オルタナティブ・ソング・チャート、ロック・ソング・チャート、オルタナティブ・ソング・チャートでそれぞれ15週目、R&Bソング・チャートでは13週目の首位をキープした。

 続いて今週9位にはアンディ・ウイリアムスの「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」(1963年)が先週の19位から上昇し、約11か月ぶりのTOP10復帰を果たした。それにより、「ロンリー・ストリート」が初めてTOP10入りした1959年10月12日付からのブランク記録を歴代最長の63年2か月に更新している。なお、「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」の最高位は2020年に記録した5位で、昨シーズンも6位まで上昇した。

 10位にもワム!の「ラスト・クリスマス」(1984年)が先週の23位からジャンプアップし、今年の1月以来11か月ぶりのTOP10入りを果たしている。同曲も、2020年のホリデー・シーズンに初めてTOP10入りし、昨シーズンは7位に最高位を更新した。なお、バックストリート・ボーイズのカバー・バージョンはアダルト・コンテンポラリー・エアプレイ・チャートで2週1位を獲得している。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月9日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「アンチ・ヒーロー」テイラー・スウィフト
2位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
3位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
4位「アンホーリー」サム・スミス&キム・ペトラス
5位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
6位「ホーリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス
7位「Rich Flex」ドレイク&21サヴェージ
8位「バッド・ハビット」スティーヴ・レイシー
9位「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」アンディ・ウイリアムス
10位「ラスト・クリスマス」ワム!


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