PENICILLIN、千聖(Gu)のバースデーライブのレポートが到着

2022年11月2日 / 19:00

10月2日@恵比寿LIQUIDROOM (okmusic UP's)

ロックバンドの花形ポジションは、今や“ギターソロ不要論”がシーンに蔓延るようになったこの状況においても、やはりどうしたってギタリストだと信じて疑いたくない。もちろん、フロントマンとなるヴォーカリストの存在感は重要であるし、ベーシストの粋なプレイや、ドラマーの頼もしい支えがあってこそ成り立つのがロックバンドだとは思うものの、とにかくギターヒーローのいないロックバンドは気の抜けたビールのようで個人的にはどうもいただけないのだ。そして、カッコ良いギターヒーローがいてこそロックバンドとはキレとコクを醸し出すことが出来る、というひとつの観点からいけば。まさに、PENICILLINにおいては千聖がその任をこの30年にわたって見事に果たし続けて来てくれていると言えよう。

「こんばんは、PENICILLINです。今回は昨日と今日にわたり、千聖くんのバースデーライヴとして毎年恒例の[ROCK×ROCK]をやっているわけですが、千聖くんは今年で33回目くらいの18歳になるそうです(笑)。そして、今年はちょうどPENICILLINが30周年の節目でもありますからね。先月やったO-JIROくんの誕生日ライヴ[とのさまGIG]に引き続いて、またここでも「The Time Machine」という企画で過去に行ったツアーのセットリストを今にリバイバルしていこうと思います」(HAKUEI)

ということで、このたび10月1日と2日に恵比寿LIQUIDROOMにて開催された千聖の誕生日ライヴは、今春から始まったライヴシリーズ「The Time Machine」と連動するかたちをとり、第1夜には2007年にアルバム『BLUE HEAVEN』をリリースした際のツアー内容を今に再現していく[PENICILLIN 30th anniversary ROCK×ROCK2022 「The Time Machine ~Return of BLUE HEAVEN’S DOOR~」]、そして第2夜は

1997年にアルバム『Limelight』を発表した際のツアーで演奏していたセトリをベースとした[PENICILLIN 30th anniversary ROCK×ROCK2022 「The Time Machine~Return of mouth to mouth~」]として展開していくことになったのだった。

ちなみに、10月2日の公演においてオープニングを飾ったのはアルバム『Limelight』でも冒頭に位置していた、イントロ部分で千聖の弾くエモいギターフレーズがいきなり聴き手の心を鷲掴みにしてくるバラード「太陽の国」。かと思うと、次いでの「Quarter Doll」では千聖がオモチャの電子銃をピックアップに接近させるトリッキーかつ遊び心にあふれたレイガン奏法でオーディエンスの耳と眼を惹きつけることに。なお、ここでの大胆なプレイスタイルは名だたるアーティストたちとのコラボを果たしているばかりか、映画『トップガン』のサントラで「Top Gun Anthem」を弾いたことでも知られる御大スティーヴ・スティーヴンスに対するオマージュを込めたものであったと思われ、つくづく千聖は永遠のロックキッズにしてギターキッズであるのだな、ということが今さらながらにその様子からうかがえた次第である。
また、ロックと言えば毎回PENICILLINはライヴでの出で立ちという面でも常に刺激的でなヴィジュアルを披露してくれており、今回の場合まず初日は全員がそれぞれにロンドンパンクスを彷彿とさせる赤ギンガムチェックを取り入れたスタイリングで登場。さらに、この2日目については個々がヒョウ柄などのアニマル系な衣装を着こなすというコンセプトとなっていたそうで、主役たる千聖に関してはそこに両日ともO-JIROが自作したという愛情あふれるバースデープレゼントのスタッズ付チョーカをあわせていて、とにかく細部に至るまでロックなコーディネートが光っていたのもひとつの特徴だった気がする。ロックスターたるもの音でオーディエンスを魅了して欲しいのは大前提だとしても、たとえアラフィフになろうと派手でかぶいた姿を見せ続けていて欲しい、というファンの貪欲な願望をもPENICILLINは決して裏切ることがないバンドなのだ。

そのうえ、この第2夜については本編後半での「BLUE MOON」以降アンコールでの「Limelight」や、配信が終了してからのWアンコールとして演奏された「Imitation Queen」に至るまで、1990年代後半から2000年代初頭にかけて音源化された懐かしい楽曲たちがあれもこれもと提示されることになり、この夜のライヴを体験した人々はそれこそタイムマシンに乗せられたかのごとく、彼らの放つ音の数々によってある種の貴重な時間旅行を体験したことになるのではないだろうか。

なお、アンコールの合間には彼のトレードマーク=Vギターのデコレーションが施されたバースデーケーキを前に、少しばかり何時もよりハシャぎながら嬉しそうな表情をみせたり、楽しそうにメンバーと記念撮影をしていた千聖だが、いざ曲が再び始まればおなじみのKING-Vシェイプギターや、エクスプローラータイプのEXPLOSIONを自在に操り、華麗なプレイで貫録あるギターヒーローぶりを我々に堪能させてくれた彼は、今年の[ROCK×ROCK]でも圧倒的主人公としてステージ上に君臨し、30周年を迎えてなお健在なPENICILLINのロックバンド魂を牽引してくれていたのではないかと思う。
来たる11月2日には実に8年ぶりとなるフルアルバム『パライゾ』がリリースとなるうえ、11月23日からはコロナ禍発生以降としては初であり3年ぶりとなる全国ツアー[PENICILLIN 30th anniversary WINTER TOUR]が【HAKUEI BIRTHDAY LIVE】の意味も持つ12月16日のSpotify O-EAST公演まで続いていくことも決定している中、今回の2デイズライヴを通じ“カッコ良いロックバンドには間違いなくイカしたギターヒーローがいる”ということを、今一度ここで証明してくれた千聖とPENICILLIN。年内一杯続いていく彼らの記念すべき30周年が、いよいよのクライマックスを迎えていくのはきっとこれたからだ。

Photo by 折田琢矢

Text by 杉江由紀
【セットリスト】

01 太陽の国

02 QUARTER DOLL

03 Melody

04 冷たい風

05 BLOOD TYPE S

06 一発あてろ

07 ナルシスの花

08 REAL XXX

09 夜をぶっとばせ

10 ひび割れたHOLY NIGHT

11 Hate

12 BLUE MOON

13 DEAD or ALIVE

14 99番目の夜

15 天使よ目覚めて

EN1

01 Limelight

誕生日セレモニー

02 Desire

03 Chaos

EN2

01 Imitation Queen
『PENICILLIN30th anniversary 『パライゾ・マスター』 TOUR』

11月23日(水・祝) 埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3

11月27日(日) 神奈川・新横浜NSB 12/03(土) 柏PALOOZA

12月10日(土) 愛知・名古屋Electric Lady Land

12月11日(日) 大阪・梅田Shangri-La

12月16日(金) 東京・Spotify O-EAST【HAKUEI BIRTHDAY LIVE】

<チケット一般発売(先着)>

11月12日(土)10:00~

https://eplus.jp/penicillin2022/


音楽ニュースMUSIC NEWS

ワン・ダイレクション、共同声明でリアム・ペインを追悼「彼と共有した思い出は永遠に大切にしていく」

洋楽2024年10月18日

 メンバーのリアム・ペインが現地時間2024年10月16日にアルゼンチン・ブエノスアイレスのホテルの3階から転落死したことについて、ワン・ダイレクションが連名で悲しみを語った。  悲劇の翌日にインスタグラムに投稿された共同声明で、ハリー・ス … 続きを読む

今夜10/18『Mステ2HSP』Da-iCE×THE RAMPAGEがコラボほか、Snow Man/INI/HYDE/日向坂46/Perfume/とき宣

J-POP2024年10月18日

 本日10月18日20時より放送のテレビ朝日系『ミュージックステーション』に、Snow Man、Da-iCE、THE RAMPAGE、INI、HYDE、日向坂46、Perfume、超ときめき▽宣伝部(※)が出演する。  今夜の『Mステ』は、 … 続きを読む

カーディ・B、長らく待たれている2ndアルバムを予告「すごくすごく近いうちに出す」

洋楽2024年10月18日

 カーディ・Bが、米ロサンゼルスへの9日間の旅行でいくつかの仕事をする予定だ。ニューヨーク・ブロンクス出身の彼女は、現地時間10月16日の午後にXスペースで、長らく待たれている2作目のアルバムの制作も含まれる西海岸での予定について話した。 … 続きを読む

ポール・マッカートニー、紙ジャケAL再発第2弾が12/6に発売決定

洋楽2024年10月18日

 ポール・マッカートニーの紙ジャケットアルバム再発第2弾が2024年12月6日に発売決定した。  第2弾は、ウイングスの『ヴィーナス・アンド・マース』(1975年)、『スピード・オブ・サウンド』(1976年)、『ウイングス・オーヴァー・アメ … 続きを読む

絢香、【サントリー1万人の第九】にゲスト出演決定

J-POP2024年10月18日

 12月1日に大阪城ホールで開催される【サントリー1万人の第九】のゲストアーティストに絢香の出演が決定した。                                                   1983年に始まり、今年で42 … 続きを読む

Willfriends

page top