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<インタビュー・後篇>スリップノット・クラウンが語る新ALの中心核「イェン」と日本への想い

 スリップノットが3年ぶりとなるアルバム『ジ・エンド、ソー・ファー』をリリースした。本作は通算7作目のアルバムとなり、スリップノットとプロデューサーのジョー・バレシが共同プロデュースした作品。2022年10月5日公開のBillboard JAPAN総合アルバム・チャート“HOT Albums”では初登場9位を記録した。

 今回リーダーのショーン “クラウン”クラハンのインタビューが到着。クラウンによる『ジ・エンド、ソー・ファー』の解説や、スリップノット解散説について、さらに2023年4月に決定している【KNOTFEST JAPAN】での来日についてなど、前篇・中篇・後篇と3部に分けて紹介する。

■収録曲のひとつである「イェン」と、そのミュージック・ビデオについて。

 この曲は、自分自身のパズルだ。長年にわたって楽器を演奏し、一緒にバンド活動をし、コミュニケーションやお互いを信用と信頼することに関する一例だといえる。「イェン」では信頼というものが大きな意味を持っている。自分自身の創造物を通して貢献し、さまざまな経験を提供できるようになるには何年もかかるものだが、「イェン」ではまさにそうした表現がなされている。曲中に2つのブリッジがあり、より重いブリッジと、今まで表現されたこともないような音楽的な要素、ケミストリーのブリッジへと吹き飛んでいく。それは従来のどのアルバムにおいても発揮されたことがないもので、まったく新しい冒険なんだ。だから「イェン」は、まさに夢の核のような存在だといえる。

 『ジ・エンド、ソー・ファー』というアルバムをナビゲートする時に各曲を見渡してみると、「イェン」がいちばん核に近い存在で、「フィナーレ」のような曲はその逆ということになる。「イェン」はあらゆることが起こる曲であり、デビューから23年、結成から25年間の信頼と信念のもとに出来上がった曲だといえる。

俺にわかっているのは、世の中の半分の人たちがそれを気に入り、残り半分は好まないだろうということ。そして気に入ってくれる人たちは、きっと俺たちの芸術の進化を感じてくれることだろう。俺たちの色、振動、エネルギー、夢、悪夢。そうそたすべてを感じることになるはずだ。俺たちは音楽を提供することで音楽を得る。「イェン」はすべてのものの核となるものだ。

 「イェン」の歌詞を手掛けたのはコリィだが、ある晩そのコリィから「ミュージック・ビデオの脚本を書いてみた」という連絡がきた。過去、どのメンバーも書いたことがなかったというのにね。コリィも当然その例外ではない。俺はその脚本を受け取り、彼は俺のスキルを完全に信頼してくれた。脚本を読んだ時、そこに何かを加えることが許されるものなのかと少しばかり悩んだよ。なにしろこの曲の歌詞を書いているシンガーが、初めて映像用の脚本を書いてきたんだからね。ただ、俺には、美しいものになるという素直な予感があった。彼は本もたくさん書いてきたし、他にもさまざまなバンドをやっている。豊富な言葉を持っていて、常にその言葉を進化させていて、自分なりの言葉のコンビネーションを使うことができる。作詞者と同一の人物のアイディアによるビデオを作ることは、バンドにとっても素晴らしい経験になるだろうと思えた。だから俺は190%の協力を惜しまず、彼を満足させるよう努力するのみだった。

このビデオにはコリィが素顔で登場している。彼が脚本を書いてきた以上、彼自身が当然その登場人物ということなんだろうと俺は勝手に解釈していたから、彼をキャスティングして、衣装のサイズを合わせたりもして準備していた。ところが彼自身はそもそもビデオに出るつもりはなかったようだ。撮影の際、誰かにそう言ったらしい。

 今回の脚本のストーリーは、いわば「スナッフ」、そして「デッド・メモリーズ」に続くようなものだと思えた。自分の中ではその過程で準備を進めていた。そしてさっきも言ったように、この曲は俺たちが今いる場所の核だといえる。今現在の自分たちにとってとても重要な曲だし、未来への入口でもあると思う。ヘヴィさが足りない、メロディックさが足りないと言う人もいるだろうし、リスクがない曲だともいえない。ただ、そのすべてを満たしているともいえるし、これまでの10倍ヘヴィで10倍メロディックだともいえる。つまり、我々は常に進化し続けているということだ。

■2023年春、延期措置となっていた【KNOTFEST JAPAN】での来日が実現。

 俺は日本の文化、日本のライフスタイル、日本の人々、日本のファン、そして日本という国自体が大好きだ。 日本というのは本当に学びの場であり、そこで思考を巡らせると、いつも自分が向上しているように感じられる。日本は、コロナ禍において最初に公演をキャンセルしなければならない国だった。日本のファンにはとても悪いことをしたと思ったが、同時に、思慮深い彼らならば事情を理解し、俺たちの決断を許容してくれるだろうとも思っていた。だから次回は改めてみんなに挨拶をして、できなかったことの埋め合わせをしたいと考えている。

 コロナとパンデミックは、文化間の距離を遠ざけるものだった。だが俺は、異なる人間、異なる美しさ、異なるライフスタイルを体感できる状態に早く戻りたくてたまらない。何故ならお互いから何かを学ぶこと、物事を当たり前と思わないことが大事だと思うからだ。

 日本に行くことは俺の人生においてとても重要なことだ。少なくとも1年おきには日本へ行かないと憂鬱になってしまう。だから、俺自身もとても興奮しているし、すぐにでも行きたいぐらいの気持ちだ。俺たちが愛を届けられるように、そして日本の人たちの愛を受け取るためにも、世界がポジティヴな方向に向かうことを願っているよ。

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