<レポート>くるり/CHAI/DATSら登場、初開催【PARK LIFE 2021】大成功にて終演

2021年10月22日 / 21:00

 マーケット&ミュージック・イベント【PARK LIFE 2021】が、2021年10月16日・17日に福島県福島市のあづま総合運動公園で初開催された。

 このイベントは、「衣・食・住 」+「 遊(アートや音楽)」をテーマにした入場無料のイベントで、吾妻小富士を望む自然豊かなロケーションのもの、福島の食と多彩な音楽を楽しむことができる。装飾にも力を入れたであろう会場の雰囲気は、木材を利用した店舗装飾と、秋色に色づきかけた自然と、夕方以降はそれらを優しく照らすライトアップの装飾が溶け込み、美しい空間演出を施していた。今年は感染症対策を徹底しながら福島県民向けのイベントとして開催された。

 2日間とも時折雨が降る不安定な天候の中、多くの来場者が会場に訪れ、思い思いにイベントを楽しんだ。2日目には大きな虹が顔を出し、アーティスト達の演奏も会場の雰囲気に花を添えていた。

 記念すべき最初のアーティストは、メンバー全員が19歳の4人組バンド・chilldspot。Spotifyによる「RADAR:Early Noise 2021」、YouTube Musicの「Foundry」と様々なプログラムに選出される注目のアーティストだ。代表曲の「Groovynight」をはじめとした、ジャジーな楽曲で心地よいグルーヴを生んだ。

 続いて、片平里菜+ASA-CHANGが登場。片平は福島市、ASA-CHANGはいわき市とともに福島県出身のユニットだ。郷土愛溢れる片平の「Come Back Home」、ASA-CHANGが東京スカパラダイスオーケストラ時代に制作に携わった小泉今日子のカバー「丘を越えて」、大切な人たちへの感謝の気持ちを歌った片平の「オレンジ」の3曲を歌唱。ライブの途中には、フェスの理念に賛同し、運営サポートをしているみんな電力の平井有太氏とのトークセッションも行われ、好きな電力を選ぶ社会について語られた。

 DATSは昨年リリースのアルバム『School』を中心としたセットリストを展開。爽やかなダンスミュージックで初めての福島の会場を横ノリで揺らしていく。また、MONJOE(Vo, Syn)が「面白いことをやっていく」と宣言し、ループステーションに4人が思い思いにサウンドを重ねていったり、ドラムを全員で叩くパーカッション・セッションをしたりと、ユニークな試みを実施。この日が初披露の新曲「Into」もいち早くパフォーマンスされた。

 ピアノ・トリオバンドのOmoinotakeは、藤井怜央(Vo, Key)の伸びやかなボーカルと流麗なバンドサウンドが印象的な「彼方」で会場の心をガッチリと掴む。80’sテイストの「プリクエル」からは、所々でサポートメンバーの柳橋玲奈(Sax)が参加した。「大自然に響かせる選りすぐりの楽曲」と紹介し、ムーディーな「欠伸」、降りしきる雨が楽曲の世界観とマッチした「モラトリアム」をパフォーマンス。藤井が「地域を愛する方が開催するフェスの姿勢に感化されます」と思いを語り、ラストはメジャー・デビュー曲「EVERBLUE」を高らかに歌い上げた。

 ミツメは「disco」でライブを開始すると、「なめらかな日々」「天気予報」といった楽曲をコンスタントに披露。川辺素(Vo, G)の浮遊感のあるボーカルとミニマル・ミュージックが会場に響き渡る。中盤では今年リリースのアルバム『VI』から「リピート」「変身」「フィクション」を演奏。ラストは代表曲の「煙突」で、ドリーミーなバンドサウンドを届けた。

 初日のトリを務めたのは、くるり。1曲目から「コンチネンタル」で強靭なバンド・アンサンブルを叩きつける。「花の水鉄砲」「琥珀色の街 上海蟹の朝」でゆったりかつソリッドな演奏を見せたくるりは、最新アルバム『天才の愛』から「watituti」「益荒男さん」、ドラマティックな展開の「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」をプレイした。優しく穏やかな「ハイウェイ」、さらに「潮風のアリア」を悠然と歌い上げた岸田繁(Vo, G)は、くるりが福島市でライブをするのは20年ぶりだと明かす。「福島市の歌はないんですけど、浜通りの歌がありますんで」とラストに披露したのは「soma」。相馬市の青い海、青い空を思い奏でるくるりのサウンドが、雨上がりの夜空に響き渡った。温かなアンコールに迎え入れられたくるり。岸田は再び福島市に訪れることを約束すると、「いわき市でビデオを撮影した思い出の曲」と紹介し「ばらの花」でライブを締めくくった。

 【PARK LIFE 2021】2日目の幕開けを担当したのは、naomi paris tokyo。寒空の下、アンビエント/ノイズといったジャンルのアプローチで、風に吹かれざわめく木々さえも、世界観の一部にしていた。

 続けて登場したのは、スリーピース・ガールズバンドのthe peggies。「グライダー」で勢い良く口火を切ると、会場にはいくつもの拳が掲げられる。コール&レスポンスが恒例だった「そうだ、僕らは」では、手拍子で一体感を生み出していく。さらに新曲のダンス・ミュージック「ドラマチック」もプレイ。ライブチューン「君のせい」で、盟友であるTENDOUJIにバトンを渡した。

 福島初のライブとなるTENDOUJIは、「Killing Heads」「Feelin’」「FIREBALL」といった新旧のナンバーを畳み掛け、自分たちだけのジャンル“EASY PUNK”を提示する。続けて、アサノケンジ(Vo, Gt)が身近な幸せについて歌う、しっとりとした新曲「I don’t need another life」を投下。モリタナオヒコ(Vo, Gt)が「こういうフェスがずっと続いていけばいい。こういうカルチャーを好きな人が音楽を支えていると思っています」と溢れる思いを伝え、キラーチューン「GROUPEEEEE」でアクトを閉じた。

 中納良恵(EGO-WRAPPIN’)は、神田智子とAchicoからなるコーラス隊・あまいシスターズを引き連れて登場。3人のアカペラのハーモニーが際立つ「オムライス」「あくび」でライブをスタートした。ソロとしての楽曲が中心の中、中盤にはEGO-WRAPPIN’の「サニーサイドメロディー」を歌唱する一幕も。「大きな木の下」からは神田、Achicoの2人もタンバリンやシェイカーで演奏に加わり、ラストナンバー「ケムニマイテ」の前には中納が「またEGO-WRAPPIN’でも」と再訪を誓った。

 フェスの大トリを務めるのは中納から「BARIカワイイ」と紹介されたCHAI。「カーリー・アドベンチャー」でショータイムを始めると、今年5月リリースの『WINK』から「IN PINK」「チョコチップかもね」を披露。恒例の自己紹介コーナーを経て、そのまま代表曲のアッパーチューン「N.E.O.」で会場の熱を上げていく。「PING PONG!」ではマナ(Vo, Key)、カナ(Vo, G)の2人、その後ろのDJブースでユウキ(B, Cho)がキュートなダンスを、「UNITED GIRLS ROCK’N’ROLL CLUB」ではユウキ(B, Cho)、ユナ(Dr, Cho)がステージ前方でパフォーマンスをすることで、多彩なバンドの形を体現して見せた。ラストを飾るのは壮大なスケールの「フューチャー」。マナが「また会う日まで! 健康で!」と呼びかけ、最後にサプライズとなる花火が打ち上がり、【PARK LIFE 2021】の幕を閉じた。

◎イベント情報
【PARK LIFE 2021】
2021年10月16日(土)・17日(日)
福島県福島市あづま総合運動公園


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