米アトランタ出身のラッパー、プレイボーイ・カルティの新作『Whole Lotta Red』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
本作『Whole Lotta Red』は、2018年5月に発表したデビュー・アルバム『Die Lit』に続く自身2作目のスタジオ・アルバムで、TOP10入りは最高3位を記録したその『Die Lit』に続く2作目、首位獲得は初の快挙となる。その他には、2017年に12位をマークしたミックステープ『Playboi Carti』がチャートインした。
『Whole Lotta Red』の初動ユニットは100,000で、そのうち90,000がアルバム・ストリーミング（SEA）と全体の9割を占めた。週間再生数は、今週最大の1億2,643万回を記録している。一方、アルバム・セールスは10,000程度だった。
本作からは、カニエ・ウェストをフィーチャーした「Go2DaMoon」など4曲の先行シングルがリリースされているが、ソング・チャート“Hot 100”、R&B/ヒップホップ・ソング・チャート、ラップ・ソング・チャートいずれにもランクインしていない。言い換えれば、シングル・ヒットがないにもかかわらず10万ユニットを獲得したことは、快挙といえる。
ソング・チャートでは、昨年5月にリリースしたドレイクのミックステープ『ダーク・レーン・デモ・テープス』より、フィーチャリング・アーティストとして参加した「Pain 1993」が7位に唯一TOP10入りしているが、意外にもリード曲としてランクインしたタイトルはない。アルバム・アーティストというべく活躍をみせるプレイボーイ・カルティ、前述のデビュー作『Die Lit』は、総再生数16.7億回を突破し、ユニット数は110万を記録した。
初登場から2週連続で首位をキープしたテイラー・スウィフトの『エヴァーモア』は、前週から58％減少の71,000ユニットに落ち込み、2位にダウンした。なお、今月末に開催予定の【第63回グラミー賞】では、前作『フォークロア』（今週6位）が、＜最優秀アルバム賞＞含む5部門にノミネートされていて、グラミー効果を受け本作も再び上昇する可能性が高い。
3位には、先週の46位からジャンプアップしたリル・ダークの新ミックステープ『ザ・ボイス』がランクイン。週間ユニットは、前週から191％増加の66,000を記録している。本作の発売日は前週の集計期間最終日である12月24日で、先週のチャートでは1日分の集計による23,000ユニットを獲得し、46位に初登場した。よって、今週獲得したユニットには、リリース初日分は含まれてない。
リル・ダークは、昨年の7月11日付チャートでも5thアルバム『Just Cause Y’all Waited 2』を56位から2位に上昇させるジャンプアップ記録を達成している。この時は、7曲を追加したデラックス・エディションのリリース効果により、各ポイントが上昇した。TOP10入りは、その2作含む3作目のランクインとなる。
続いて4位には、先週の11位から上昇したポップ・スモークの『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』がランクイン。その他にも、アリアナ・グランデの『ポジションズ』が14位から5位、ミーガン・ジー・スタリオンの『グッド・ニュース』が17位から7位、ルーク・コムズの『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』が19位から8位、バッド・バニーの『El Último Tour Del Mundo』が16位から9位に、それぞれTOP10復帰している。
各アルバムが一斉に上昇したのは、先週までTOP10にランクインしていたホリデー・アルバムが一掃されたため。これは毎年始めのチャート・アクションでみられる現象だが、今年は先週まで過去最多となる6作ものホリデー・アルバムがTOP10にランクインしていたため、再浮上したアルバムの数がより多く感じられる。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、1月8日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『Whole Lotta Red』プレイボーイ・カルティ
2位『エヴァーモア』テイラー・スウィフト
3位『ザ・ボイス』リル・ダーク
4位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
5位『ポジションズ』アリアナ・グランデ
6位『フォークロア』テイラー・スウィフト
7位『グッド・ニュース』ミーガン・ジー・スタリオン
8位『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』ルーク・コムズ
9位『El Último Tour Del Mundo』バッド・バニー
10位『ミュージック・トゥ・ビー・マーダード・バイ』エミネム