米倉利紀、新宿ReNYで開催したクリスマスライブのレポートが到着!

2020年12月29日 / 17:00

『WHO IS YOUR SANTA? 2020 -pink ELEPHANT』 (okmusic UP's)

米倉利紀の毎年恒例のクリスマスライブ『WHO IS YOUR SANTA? 2020 -pink ELEPHANT』が12月24日(木)、25日(金)、1日2公演<1部:REINDEER/2部:SANTA CLAUS>、2日間にわたって東京・新宿ReNYにて行われた。この公演は毎回その年に行なっていたツアーに、クリスマスならではの選曲をプラスした内容でお届けしていく、年に1度きりのスペシャルライブショーである。今回は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、予定していた28公演中5公演しか実施できなかった全国ツアー「pink ELEPHANT」の雰囲気がここで垣間見られるということもあって、ファンにとってはいつも以上に希少価値の高いライブとなった。検温や手の消毒など、政府の新型コロナウイルス感染予防を配慮した対策が徹底的にとられた場内は客席も1席飛ばし。ライブ中は合唱も声援もなし、座ったままで観覧など、昨年までのクリスマスライブとはまったく違うスタイルでの開催となった今回のライブ。そのなかから、ここでは1日目の2公演目『SANTA CLAUS』のレポートをお届けする。

2020年、米倉利紀にとってのサプライズ。そのなかの1つのトピックは、ここ数年テレビで歌う姿を見ることがなくなった彼のステージが、WOWOWのライブプログラムとしてオンエアされたことだろう。“こんな素晴らしいシンガーが日本にいるんだ”――など、その反響は絶大なるもので、米倉が放つその“声”の破壊力に番組を観た誰もが魅了された。この日訪れた観客たちもまぎれもなくそうだ。どんなに席から立ち上がって踊れなくても、どんなに一緒に歌えなくても、その声は、するりと心と体の奥に入り込んで細胞たちを震わせ、米倉の歌にエスコートされるように、オーディエンスはいつの間にかまるで美しい都会の夜景をバックに、おめかしした姿で豪華なディナーを食べながら音楽に酔いしれる。そんな、エレガントでゴージャスな多幸感に満ち溢れた、夢のようなクリスマスナイトを過ごしている気分になっていく。どんな状況下に置かれようが、声でそんな優雅なムードを作り出してしまうのが米倉の凄さなのだと改めて実感した夜だった。

開演予定時間ぴったりに“メリークリスマス!”というサンタクロースの声を合図に、ジャジーな「it don‘t mean a thing」のカバーにのせて、ステージをおおっていた真紅の緞帳がゆっくりとオープン。白いツリーに暖炉、キャンドルやプレゼントボックスをバックに、この日は米倉とバンドメンバーは全員お揃いのクリスマスカラーのスエットをセットアップで着用し、姿を現した。スエット姿でも精悍な顔立ちといい鍛え抜かれたボディラインといい、米倉はステージにいるだけで華がある人。その華が、声できらめき出す。この日の声は1音目から抜けがクリアで、街のイルミネーションのようにキラキラしていた。pink ELEPHANTのシートが敷かれたフロアでは、曲が間奏に差し掛かり、さっそく楽器隊が手始めにとばかりにソロ回しを始める。そんな大人にしかできないようなオープニング演出に、場内の空気はたちまち華やかになる。その空気を受け、続いてはこの日、米倉SANTAからのプレゼントとして2021年1月20日発売のニューアルバム『green GIRAFFE』から先行配信がスタートしたばかりの「なんて素敵なことだろう」をパフォーマンス。マーチングなドラムにのせてサビが始まると照明が明るくなり、米倉は“なんて素敵なことだろう”と背筋をピンと伸ばして歌いながら、ダンディな顔つきをパッとおおらかな表情に変えて、観客全体を包み込むようなポジティブなバイブスを届けていった。

そして「THE CHRISTMAS SONG」のカバーから「JINGLE BELLS」「WHITE CHRISTMAS」「santa claus is coming to town」とおなじみのクリスマスソングをノンストップでつないで、メドレーで披露。英詞を歌うときの米倉は、日本語詞を歌うとき以上に細やかに眉毛や表情筋を活発に動かして歌うところが特徴的。リズム感のよさは日本人シンガーのなかではずば抜けた存在だが、そのよさが英語詞を歌うとさらに映える。英語の発音のディテールで、すべての音がつながっているように聴こえてくるようなこの耳障りのいいグルーヴ感は、他の日本人にはなかなか出せないところ。それを、ときにはリズミカルに、ときには柔らかく密やかな波を生み出しながらも、艶っぽくダンディーな声で響かせるところが米倉の米倉たる所以。聴いていても、観ていても、本当に美しい。そんな米倉から歌の贈りものが届けられたあとは、短い挨拶を挟んで“みなさんとお会いすることができたこの幸せな空間を、最後までシェアできますように”と伝え、ライブは「pink ELEPHANT」ゾーンへ。アルバムからの代表曲となった「elephant LOVE」は音源よりも力強いドラムと情熱的なコーラスがものすごい熱量をもって伝わってきて、観客たちはクラップをしながら気持ちよさそうに体を揺らしていく。

そのノリのまま「キーホルダー」をナチュラルに歌ったあとは、ベースにピンスポットがあたり、エレピとのアンサンブルから「see EYE to EYE」へ。そこから「merry-go-round」とつなげて展開。この2曲は、音の響きで日本語と英語の境目を曖昧にしてリズムと一体化させていくバランス感、それが米倉ナンバーの中でも飛び抜けて素晴らしい楽曲なのだが、あの音の響きを生み出すために、ライブで彼がこの2曲の言葉と音をひたすら行儀よく、丁寧につかみ、声として放っていくときの緊張感と集中力は見ていて目が離せないほど凄いものがあった。そんなスリリングなアクトで、場内を魅了したあとは「gee, baby ain’t I good to you」のカバーへ。最後は、大人の男の色気をたっぷり含んだ声でオーディエンスをやさしく包み込みこんで、本編は終了。

換気タイムを挟んで、アンコールは「HERO」「愛日」とタイプの違う2曲のバラードを立て続けにアクト。ここではビロードの質感をもった声を最大限に使って、言葉とメロディを丁寧に、大切に、切実に歌い上げ、心の奥底まで声を染み込ませていく。その空気を「GOOD MORNING」がパッと変える。軽快なサウンドに合わせ、オーディエンスが手拍子を贈ると、米倉の“SHINE, SHINE, SHINE”の声に合わせて、フロアに明るい光が注がれていった。そうして、クリスマスの夜を演出するように甘い言葉満載の米倉利紀のオリジナルクリスマスソング「ALL I WANT IS YOU -very merry christmas」で観客を究極にまでロマンティックにとろけさせ、最後の仕上げはファルセットからビブラートまで、テクニカルな歌唱オンパレードのオリジナルクリスマスソング「Have Yourself A Merry Little Christmas」でハートをとろとろにとかしたところで、ステージには再び緞帳が降りてきて、ライブはフィニッシュを迎えた。

そして、終演後にはニューアルバム『green GIRAFFE』発売後、3月から“green GIRAFFE”(フルバンド編成)、“mini green GIRAFFE”(アコースティック編成)と題した2本立て全国ツアーを5月まで開催することを発表した米倉利紀。まだ彼の声、ライブショーを体験したことがない人はぜひともこのツアーで、米倉利紀の声を生で体感して欲しい。

撮影:井野友樹(tomoki ino)

取材・文 :東條祥恵

【セットリスト】

01. it don‘t mean a thing

02. なんて素敵なことだろう

03. THE CHRISTMAS SONG

04. JINGLE BELLS

05. WHITE CHRISTMAS

06. santa claus is coming to town

07. elephant LOVE

08. キーホルダー

09. see EYE to EYE

10. merry-go-round

11. gee, baby ain’t I good to you

<ENCORE>

1. HERO

2. 愛日

3. GOOD MORNING

4. ALL I WANT IS YOU -very merry christmas

5. Have Yourself A Merry Little Christmas
『sTYle72 inc. presents toshinori YONEKURA concert tour 2021 “green GIRAFFE”』

3月13日(土) 東京・新宿ReNY ※

3月14日(日) 東京・新宿ReNY ※

3月21日(日) 兵庫・神戸チキンジョージ

3月24日(水) 大阪梅田CLUB QUATTRO

3月25日(木) 愛知・名古屋Electric Lady Land

4月18日(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM

4月24日(土) 東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE ※

4月25日(日) 東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE ※

5月04日(火・祝) 東京・白金高輪SELENE b2 ※

5月11日(火) 北海道・Zepp Sapporo

5月17日(月) 大阪・Zepp Namba

5月18日(火) 福岡・Zepp Fukuoka

5月31日(月) 東京・Zepp Tokyo ※
『sTYle72 inc. presents toshinori YONEKURA concert tour 2021 “mini green GIRAFFE”』

3月27日(土) 沖縄・Top Note

3月28日(日) 沖縄・石垣CITY JACK

4月03日(土) 宮崎・WEATHER KING

4月04日(日) 鹿児島・CAPARVO HALL

4月10日(土) 熊本・B.9 V1

4月11日(日) 大分・DRUM Be-0

4月17日(土) 高知・X-pt.

4月29日(木・祝) 福岡・Gate’s 7

5月03日(月・祝) 東京・白金高輪SELENE b2 ※

5月06日(木) 新潟・LOTS

5月08日(土) 宮城・仙台Rensa

5月09日(日) 青森・Quarter
アルバム『green GIRAFFE』
2021年1月20日(水)発売

STYLE-001/¥3,000+税

<収録曲>

1. なんて素敵なことだろう

2. better than today

3. ON YOUR SIDE

4. BLAH BLAH BLAH

5. EGO

6. ひと、ひとり

7. BODYGUARD

8. ぼくたちのいろ

9. それが人というものだから

10. MONT BLANC

11. CICADA


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