Ricky、ソロデビュー10周年記念アルバムを携えたツアー最終公演が大盛況

2020年2月22日 / 00:00

2月15日(土)@渋谷 REX  photo by 折田琢矢 (okmusic UP's)

気付けばDASEIN、R*A*Pとして活動していた期間よりも長い時間をソロイストとして活動していることになる。2013年に事務所から独立し、“この世界、社会に生きる誰もがソロイストである”をテーマに“HYPER NEO SOLOIST”を掲げ活動する唯一無二のボーカリスト・Rickyのソロデビュー10周年を記念するアルバム『R☆LITERACY』を引っ提げたツアー『THE☆CON-10-PORARI☆CKY~我がため 誰がため 君がため~』のファイナルを2月15日に東京・渋谷REXで開催した。

暗転した会場を色とりどりのフラッシュリングが彩るなかRickyが現れ、『R☆LITERACY』と同じく「AGITATOR of A☆my」でライヴはスタート。「ようこそ。Rickyです。今日はツアーファイナル。みんながハッピーになれる“とっておき”を持ってきたぜ!」とフロアに挨拶をするとバンドメンバーもステージインし「キミリテラシー」を演奏。今回のアルバムのタイトルにも採用されている“リテラシー”というワード。そう、Rickyは10年もの間A☆my(Rickyファンの総称)と接してきたA☆myリテラシーに富んだ人物。いわばA☆myに “とっておき”を教えてくれるキュレーションサイトなのだ。続く「人の振り見て我がREFRECTION」ではトレードマークのサングラスを外すとフロアから歓声があがる。これも何をすればA☆myが喜ぶかを知っているRickyなりのリテラシーなのかもしれない。

会場に七色のレーザーライトが射すと「曖昧モラトリアム」の四つ打ちサウンドが体の芯に響く。このレーザーライトを操っているのが昨年からタッグを組んでいるryosuke hagihara(NAIFF/WING WORKS)だ。さらにエレクトロポップナンバー「雨のスパイラル~A Rainy Spiral~」ではD’zのKO-HEYとKAZUKIが傘を使った独創的なダンスで魅せる。サウンド以外にも様々なアーティストとともに作り上げるのがRickyのライヴの魅力だ。

バンドメンバーが退場し、再び巧(Mani)と二人になったRickyが「たくさんのアーティストが世の中にいて、それでたまに凹むこともあるんですけど、そういうとき僕は自分にこう言い聞かせます」と始めたのは「僕には僕の世界がある」。さらに巧のループするシンセに淡々としたポエトリーリーディングを乗せた「独白-Golden Time-」では、朗々と歌い上げるサビとのコントラストが映え、Rickyの歌をより堪能することができた。

バンドメンバーが再びステージインすると重厚なバンドサウンドが炸裂した「BLACK ANT」をプレイし、ばる(Dr/DuelJewel)がそのパワーヒッターぶりを遺憾なく発揮すると、各メンバーのソロタイムを経て始まった「ヨウコソサヨウナラ」では刻(Gt/ex.BFN)の小気味いいカッティングが冴える。そしてラストスパートと言わんばかりにアゲアゲテクノチューン「Hi-Techno-Boy」を叩きつけると、YUCHI(Ba/sukekiyo)のグルーヴィーなベースが会場にうねりをもたらし、オーディエンスはフロアを揺らす。

「さぁ、もっと声を聞かせてもらおうか」とフロアに投げかけるとオーディエンスからRickyを呼ぶ声が響く。先ほどの熱をそのままにキラーチューン「↑UP←SIDE→DOWN↓」をドロップすると、フロアではタイトルのとおり縦横無尽にモッシュが巻き起こり、盛り上がりは最高潮に達する。さらに「まだまだ俺の世界にはみんなの力が必要だ!」と叫ぶと本編ラストに「R☆MY WORLD」を披露。サイリウムの光で埋め尽くされたフロアのA☆myに向けて思いを込めて歌い上げ、Rickyはステージを後にした。

アンコールは季節外れの春の陽気となったこの日のためかのような「春風、吹く日に…」からスタート。曲中に「10年、ありがとう」と感謝を述べると、フロアからは拍手が起こった。さらに「覚醒リフレーミング」「洗脳ビリーヴァー」とエレクトロナンバーを立て続けに演奏したのち「嘘偽りなく、みなさんのおかげで僕はこの闇を生きていられます」と話し、KAZUKIのコンテンポラリーダンスとともに「闇の世界~Light to Light~」をまっすぐにA☆myに届けた。そしてRicky自身の自己紹介を歌にしたパーティーチューン「ALIEN<from>TOKYO」は開演前の前説での予習の甲斐あってか振り付けもばっちりであった。これまでの10年間、Rickyには様々なことがあった。中でも大きな出来事が2017年の声帯ポリープの手術だろう。その当時の心境を綴ったのが「My name is…」だ。まるで当時を思いながら、今歌っていることの喜びを噛みしめるようにこの曲をアンコールの最後に我々に届けてくれた。そして、アンコールでは5月31日にTSUTAYA O-WESTでワンマンライヴを行うことも発表され、会場からは大きな歓声があがった。

フロアのA☆myからの鳴りやまないアンコールに応えてくれたRickyは10周年記念先行シングルでもある「O.1.O~Only One Ocean~」を披露。赤でもなく青でもない自分だけのオーシャンを作るという“HYPER NEO SOLOIST”にも繋がる意志を歌い、「まだまだ誰も見たことない世界作ろうぜ!一緒にどうだい?」と問い掛けた。まだまだ熱が冷めやらないフロアに対して「まだまだ一緒に暴れたいぜ!」とこの日二度目となる「↑UP←SIDE→DOWN↓」を叩きつけ、さらにフロアから泣きの「あと1回!」コールが飛び出すと「キミリテラシー」をもう一度披露し、この日のライヴの幕を閉じた。

“我がため 誰がため 君がため”。一体何のために、誰のために歌うのか。ボーカリストにとって永遠のテーマなのかもしれない。<僕の人生の闇の中に光をくれた そんな君の闇を照らす光になるためのR☆MY WORLD>とは「R☆MY WORLD」の一節だが、Rickyにとっての光はA☆myであり、そのA☆myにとっての光であろうとするのがRickyなのである。これからも彼は彼だけの大海を切り拓き、光で在り続けるのだろう。それがRickyの“歌う理由”なのだから。

photo by 折田琢矢

text by オザキケイト

【セットリスト】

01. AGITATOR of A☆my

02. キミリテラシー

03. 人の振り見て我がREFRECTION

04. 曖昧モラトリアム

05. 雨のスパイラル~A Rainy Spiral~

06. 僕には僕の世界がある

07. 独白-Golden Time-

08. BLACK ANT

09. ヨウコソサヨウナラ

10. Hi-Techno-Boy

11. ↑UP←SIDE→DOWN↓

12. R☆MY WORLD

<ENCORE>

13. 春風 吹く日に…

14. 覚醒リフレーミング

15. 洗脳ビリーヴァー

16. 闇の世界~Light to Light~

17. ALIEN<from>TOKYO

18. My name is…

<ENCORE2>

19. O.1.O~Only One Ocean~

20. ↑UP←SIDE→DOWN↓

21. キミリテラシー


音楽ニュースMUSIC NEWS

J.コール、ツアーのVlogで未発表曲を予告

洋楽2024年3月19日

 ドレイクとのジョイントツアー【It’s All a Blur – Big as the What?】を行っているJ.コールが、待望のアルバム『ザ・フォールオフ』に向けて、新たな楽曲を予告している。  コールは現地時間3月18日 … 続きを読む

ボン・ジョヴィ初ドキュメンタリーから本予告解禁、リッチー・サンボラ「真実を話してほしい?」

洋楽2024年3月19日

 ボン・ジョヴィ初のドキュメンタリー・シリーズ『ボン・ジョヴィ:Thank You, Goodnight』より、本予告映像とキービジュアルが解禁された。  ディズニー公式動画配信サービス「Disney+ (ディズニープラス)」の「スター」に … 続きを読む

BTSのV、新曲「FRI(END)S」の豪華なライブ・パフォーマンス・ビデオを公開

洋楽2024年3月19日

 BTSのVが、エモーショナルなソロ・バラード「FRI(END)S」の新しいライブ・パフォーマンス・ビデオでとびきり洗練されたように見えるのには理由がある。フランスのラグジュアリーブランド、カルティエとのコラボレーションで制作されたこのファ … 続きを読む

乃木坂46、アンダー楽曲/5期生楽曲/山下美月ソロ曲などが『チャンスは平等』カップリング

J-POP2024年3月19日

 乃木坂46が、2024年4月10日にリリースとなる35thシングル『チャンスは平等』の収録曲を公開した。  今作には、80年代のディスコソングを彷彿とさせる表題曲「チャンスは平等」を筆頭に、共通C/W曲としてアンダー楽曲「車道側」を収録。 … 続きを読む

デュア・リパ、小学校の合唱団に入れなかった過去を語る

洋楽2024年3月19日

 デュア・リパが、現地時間2024年3月18日に公開されたトリクシー・マテルのYouTube番組に出演し、デュアの次回作『ラディカル・オプティミズム』のジャケットを模写する対決に挑んだ。『ル・ポールのドラァグ・レース』出身のドラァグ・クイー … 続きを読む

Willfriends

page top