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【深ヨミ】ビリー・アイリッシュ グラミー賞受賞が日本のフィジカルセールスに与える影響を検証

 2020年2月17日付のBillboard JAPAN “Top Albums Sales”で、ビリー・アイリッシュ『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』が3,483枚を売り上げ12位を獲得した(集計期間2020年2月3日~2020年2月10日)。

 『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』は2019年の3月29日に発売されたビリー・アイリッシュのデビュースタジオアルバムで、すべての曲の作詞作曲をビリー・アイリッシュ本人と兄のフィネアス・オコネルが行った。そして、本アルバムは2020年1月26日に開催された第62回グラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞し、ビリー・アイリッシュは主要4主要4部門を含む合計5部門を受賞した。

 ここでは、ビリーアイリッシュの作品のこれまでの販売推移と、グラミー賞受賞後どう変わったかを検証する。まず『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』と、2018年12月にEPとして発売された、『ドント・スマイル・アット・ミー』の日本国内での販売数の推移をグラフ化したのが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/84919/2)である。

 『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』は4月にアルバムチャートである全米ビルボード200で首位を獲得する等の評判が伝わり日本でも4週間販売数を伸ばし続け、その後も、『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』と同時発売だったシングル『バッド・ガイ』が8月に全米ビルボード総合ソングチャートHot100で首位になる等の活躍もあり、販売数は収束せずに毎週300枚前後で推移していた。12月に「バッド・ガイ with ジャスティン・ビーバー」等3曲を日本盤ボーナストラックとして追加した『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』の限定盤の追加リリースがあり、初めて週間で1,000枚を突破。そして、グラミー賞受賞後に一気に4,544枚と大きく販売数を伸ばし、その次の週である本集計期間も3,483枚と好調を維持している。

 『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』以前に発売された『ドント・スマイル・アット・ミー』も、『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』が発売されるまでは発売週がピークであり徐々に販売枚数が落ちていく一般的なCDの販売推移だったが、『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』が発売されると、徐々に発売枚数を伸ばし、5月に一旦ピークを迎えた後、グラミー賞後にこちらも週間販売枚数を更新している。

 ここで、過去に同様にグラミー賞を受賞したアーティストについても調査してみた。調査対象は最優秀レコード賞、最優秀アルバム賞、最優秀楽曲賞を同時受賞した2017年のアデルと2018年のブルーノ・マーズとした(2019年に最優秀レコード賞・最優秀楽曲賞を受賞したチャイルディッシュ・ガンビーノについてはフィジカルのリリースが受賞のかなり前にあるのみであり、受賞後もほぼ市場に在庫がない状況なので対象から除外した)。これらのアーティストが発売している全てのアルバムのグラミー賞発表週とその前後の販売数をグラフ化したものが図2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/84919/3)である。

 アデルは受賞前は327枚だったのが、受賞週は614枚と約2倍に、更に受賞の次の週は3,266枚とさらに大きくセールスを伸ばしている。ブルーノ・マーズも受賞週597枚、受賞の次の週2,151枚と、やはり大きく伸びている。そんな中、ビリー・アイリッシュは受賞前週976枚、受賞週1,308枚、受賞の次の週は5,178枚と最も大きく伸びる結果を出している。

 近年は音楽の聴き方がサブスクリプション等の登場により変化し、フィジカルの影響力が年々落ちている。そんな不利な状況の中、ビリー・アイリッシュが、日本国内でもファンに、ただ聞く事だけでなく、パッケージを所有したいと思われるような大きな期待を集めてるのが見て取れる。今後も彼女の活躍に期待したい。

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