フルカワユタカ、アルバム『epoch』を掲げたワンマンツアーに向けて井上 司(fox capture plan)と対談

2019年7月1日 / 12:00

フルカワユタカ×井上 司(fox capture plan) (okmusic UP's)

フルカワユタカが4thアルバム『epoch』を完成させた。Base Ball Bear、安野勇太(HAWAIIAN6)、ハヤシヒロユキ(POLYSICS)、原昌和(the band apart)との共作曲を網羅した全10曲収録による傑作だ。対談では、同アルバムを引っ提げて8月からスタートするワンマンツアーにて、フルカワユタカのサポートを務めるfox capture planの井上司(Dr)を迎えた。なお、『epoch』にはfox capture planの岸本 亮(Pf)がゲスト参加した楽曲を収録しているなど、両アーティストの親密度は高い。

■プレイには目がいくし、ドラムは派手なほうが好き

──お二人の最初の出会いというと?

フルカワ:出会いは2年前かな。下北沢シェルターの企画でウチとfox capture plan(以下fox)とSawagiの3マンがあって。foxは3人ともみんな上手いなあ、鍵盤はヘンな奴だなって(笑)。当時、(井上)司くんに強烈な印象はなくて。

──お互いのことは以前から知ってたんですか?

井上:ドーパン(以下DOPING PANDA)はもともと知ってました。メルテン(岸本 亮)がドーパン好きで、昔から話してましたからね。4つ打ちのダンスロックを日本のロック/ポップシーンで、しかもメジャーでやったパイオニアだなと。foxの音楽にもその影響はありますからね。

フルカワ:ADAM atもドーパンが好きだったみたいで。速いBPMの4つ打ちはウチやthe band apartが作ったフォーマットに影響を受けているのかなと。僕らの世代の流れを汲んだインストバンドはほかにもいるでしょうね。で、foxに関してはイベントの前に「勢いのあるインストバンドがいるんだよ」とレーベルの人間に教えてもらって。3ピースのジャズのインストバンドって、SOIL&”PIMP”SESSIONS なんかもそうですし、90年代にはたくさんいましたからね。でも観たときの印象は全然違って、僕らがやってる音楽に系譜が近かったから。司くんはもともとハードコアバンド出身なんですよ。

──えっ、そうなんですか!?

井上:ブラストをずっと叩いてて(笑)。ドラムを始めたきっかけがニルヴァーナのデイヴ・グロールですからね。foxをやり始めて、ジャズシーンの人に出会ったんですよ。

フルカワ:だから、特殊だと思います。「AIR JAM」とかは全然通ってないの?

井上:後追いですね。「AIR JAM 2000」のビデオを2002年ぐらいに観て、それが17、18歳の頃です。初めて音楽にハマッたのがニルヴァーナで、それからバックストリート・ボーイズ、メタリカ、ジューダス・プリーストとかいろんなものを聴き漁って。僕、地元が山形なんですけど、当時はライヴをやれる場所がなくて。隣の仙台に出て、そこでバンドを探したんですよ。

フルカワ:あっ、そうなんだ。

井上:はい。そこで観たグラインドコアのライヴに衝撃を受けて。そしたらMCで「ドラムが今日で辞めます」と言ってて。ライヴ後に「ドラム叩かせてください」とお願いしたんです。

フルカワ:すごい行動力があるね! 叩き方はロックだもんね。

井上:foxはそのミスマッチ感が売りですからね。

フルカワ:司くんはいいドラマーという印象はあったけど、去年、六本木EXシアターでライヴを観たときに改めてすげえいいじゃん!と思って。

井上:ははははは。

フルカワ:それでライヴを一緒にやりたいなと思ったんですよ。動きも派手だし、でかいステージが似合うなと。華があるんですよね。司くんのプレイには目がいくし、ドラムは派手な方が好きですね。

──実際にフルカワユタカバンドのサポートドラマーとして迎えたときはどうでした?

フルカワ:良かったです。まだ1回しかやってないけど、アガるんですよね。持論だけど、太鼓って本能を鼓舞するというか、高揚させる楽器じゃないですか。スネアとキックの音でアガりたいんですよ。その感触が久々にあったから、これがドラムだよな!って。

井上:ありがとうございます。僕もfoxと叩いている内容も違うし、3ピースのロックバンドをやっている感じがするので。ロックバンドをやりたいなと思ったタイミングで誘ってもらえたので、嬉しかったです。

■ ドーパンのときの無念をこのツアーで晴らしたい

──井上さんは今のフルカワさんの音楽に関してはどんな印象を?

井上:ライヴのために10曲近く覚えたんですけど、曲も好きだし、わかりやすいから、すんなり入ってきました。覚えるのとは別で、普段も聴いてますからね(笑)。ある種ストレートだけど、曲ごとにリズムやアレンジの仕掛けがあるので好きですね。

フルカワ:メルテンもそう言ってたよ。「フルカワさんっていい曲書きますよね」って。

井上:上から目線ですよね、いつもそうなんです(笑)。サポートする上で譜面を見てやる人もいますけど、個人的にはあまりやりたくなくて。ライヴは人に魅せることに集中したいから。

フルカワ:素晴しい! 僕もロックバンドで譜面を見ながら演奏するくらいなら、間違えても譜面を見ないほうがいいと思ってるから。司くんに叩いてもらったときは気にしないでライヴをやれました。ドラムに乗って、何も考えずにギターを弾いて歌う。その感覚を久しぶりに味わいましたね。

井上:ほんの少しでもストレスを与えたら、サポートにならないですからね。何も気にせずにやれたという感想をもらえると、すげえ嬉しいです。サポートというより、バンドだと思ってやってますから。

フルカワ:バーチャルメンバーになったほうが入りやすい人もいますからね。逆にfoxのライヴで気を付けていることはあるの?

井上:ダイナミクスは意識してます。ピアノの音色が大きいときと小さいときの差が激しくて。その都度、耳で聴いて合わせたり、あえて反対のことをやったりして、ジャズっぽさを出しているんです。フルカワさんのサポートはまずバンド全体の音量がfoxより大きいし、太鼓の鳴らし方はそれを感じながらやってます。あと、フルカワさんの曲は打点がはっきりしてる曲が多いので、縦のラインは意識しますね。

──ちなみにフルカワさんが好きなドラマーというと?

フルカワ:たくさんいますよ。スティーヴ・ジョーダンとか黒人のドラムが好きですね。一番好きなのはアーロン・スピアーズだし……僕はほんとにドラムが好きなんです。

井上:ははははは。

フルカワ:アフリカの原住民が打楽器を叩いてるお祭りの映像とかがYouTubeにあるんですけど、酒を飲みながらずっと観てますからね。バンドはまずドラムと歌ですから。それは世界の掟です。

井上:ドラムが替わると、バンドの印象も変わりますからね。それだけ責任重大なパートをやってるという意識はあります。

──そして、フルカワさんのワンマンツアーが8月から始まります。

フルカワ:さっきのドラムと歌の話じゃないけど、ドーパンの頃に僕は僕で自分の声に限界を感じてたんですよ。解散間際にはほかにヴォーカルを入れようかなって悩んだこともありましたから。でも最近やっと自由に歌えるようになったし、ライヴも楽しくなったんです。司くんとの出会いもそれに紐付いていると思うし、そのツアーが悪いものになるわけがない。だから、ツアーはすごく楽しみです。ドーパンのときの無念をこのツアーで晴らすというか。あのときに3人で苦労して研究していたことって、間違ってなかったよねって。ツアーファイナルは(ドーパンの)タロティ(TARO)とHAYATOにも観てほしいですね。

──今回は自分の中で答え合わせをするツアーだと?

フルカワ:そうですね。

井上:ツアー自体を一緒に回るにも初めてなので、楽しみでしょうがないですね。僕は全公演に参加するわけではないんですが、バンドってツアー中に変わるし、連続してサポートすることでそれも感じられるんじゃないかと。

フルカワ:今回の音源にもメルテンが1曲参加してるんです。あのジャズのテイストはまーちゃん(原、the band apart)と一緒に曲を作った際、コードワークとかが勉強になって、そのインスパイアからできたんです。この曲をライヴでもメルテンが鍵盤を弾いて、司くんがドラムを叩いたら面白いだろうなと。ファイナルではそういうこともやれたらいいですね。

撮影:西角郁哉/取材:荒金良介

【ライブ情報】

『フルカワユタカ ワンマンツアー 「epoch」』

8月31日(土) 千葉・千葉LOOK

9月01日(日) 神奈川・F.A.D YOKOHAMA

9月08日(日) 群馬・高崎club FLEEZ

9月29日(日) 茨城・水戸LIGHT HOUSE

10月14日(月) 埼玉・西川口LIVE HOUSE Hearts

10月19日(土) 京都・京都磔磔

10月20日(日) 岡山・岡山ペパーランド

10月22日(火) 静岡・静岡UMBER

10月27日(日) 宮城・仙台space Zero

11月02日(土) 北海道・札幌COLONY

11月03日(日) 福岡・福岡Queblick

11月09日(土) 大阪・梅田Shangri-La

11月10日(日) 愛知・名古屋APOLLO BASE

11月16日(土) 東京・TSUTAYA O-WEST

<チケット>

※8月31日〜9月29日、11月16日公演はDG公演のチケット情報はこちら

http://bit.ly/2Ne0e8r

※全公演一般発売:7月6日(土)AM10:00~

【フルカワユタカ ライブ情報】

『フルカワユタカ「epoch」 アコースティックプレツアー』

7月12日(金) 宮城・仙台SENDAI KOFFEE CO.

7月17日(水) 東京・下北沢 風知空知

★特別企画『眠りたくない夏の夜は』

ゲスト:堀之内大介(Base Ball Bear)

7月22日(月) 京都・SOLE CAFE

7月23日(火) 静岡・FREAKY SHOW

『THE BLACK COMET CLUB BAND Tour 2019』

7月20日(土) 茨城・水戸LIGHT HOUSE

出演:フルカワユタカ、THE BLACK COMET CLUB BAN

『FEVER 10th ANNIVERSARY フルカワユタカ×Keishi Tanaka』

8月06日(火) 東京・新代田FEVER

出演:フルカワユタカ、Keishi Tanaka

【fox capture plan ライブ情報】

『fox capture plan × フレンズ”PLANNING TOUR 2019″』

7月13日(土) 東京・東京キネマ倶楽部

■チケット情報ページ

http://bit.ly/2IT2RII

『”feel so goood”』

8月18日(日) 東京・上野水上音楽堂

出演:the band apart(naked) / cinema staff / fox capture plan / and more…

■チケット情報ページ ※7月20日(土)発売

http://bit.ly/2NtASE2
【フルカワユタカ ライブ情報】
『フルカワユタカ「epoch」 アコースティックプレツアー』

7月12日(金) 宮城・仙台SENDAI KOFFEE CO.

7月17日(水) 東京・下北沢 風知空知

★特別企画『眠りたくない夏の夜は』

ゲスト:堀之内大介(Base Ball Bear)

7月22日(月) 京都・SOLE CAFE

7月23日(火) 静岡・FREAKY SHOW

『THE BLACK COMET CLUB BAND Tour 2019』

7月20日(土) 茨城・水戸LIGHT HOUSE

出演:フルカワユタカ、THE BLACK COMET CLUB BAN

『FEVER 10th ANNIVERSARY フルカワユタカ×Keishi Tanaka』

8月06日(火) 東京・新代田FEVER

出演:フルカワユタカ、Keishi Tanaka
アルバム『epoch』/フルカワユタカ
2019年7月3日発売

NIW147/¥3,056(税抜)
【fox capture plan ライブ情報】
■『fox capture plan × フレンズ”PLANNING TOUR 2019″』

7月13日(土) 東京・東京キネマ倶楽部

・チケット情報ページ

http://bit.ly/2IT2RII

■『”feel so goood”』

8月18日(日) 東京・上野水上音楽堂

出演:the band apart(naked) / cinema staff / fox capture plan / and more…

・チケット情報ページ ※7月20日(土)発売

http://bit.ly/2NtASE2
配信限定シングル「夜間航路」/fox capture plan
発売中
コンピレーションアルバム『completeplan』/fox capture plan
発売中

PWT-059

※TOWER RECORDS限定販売


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