D、組曲「狂王」を携えた東名阪ツアーが終幕

2019年4月20日 / 15:00

4月17日@SHIBUYA TSUTAYA O-EAST photo by TAKUYA ORITA (okmusic UP's)

ヴァンパイアストーリーをテーマとした最新作にして最高傑作『組曲「狂王」』を手に、Dが行った東名阪ツアー『D 16th Anniversary Special Premium Live 2019 東名阪ワンマン「狂王」』が、4月17日のSHIBUYA TSUTAYA O-EAST公演にて終幕を迎えた。

ライブは、雄々しき姿のもと玉座に鎮座する王がその権威を示すように歌う『Der König der Dunkelheit』から幕を開けた。彼の勇ましき声に導かれ、フロアからも王へ忠誠を尽くす雄々しき叫びと無数の拳が突き上がる。演奏が進むごと勇壮さを増す歌声と演奏に触発され、心に火照る想いがとめどなく沸き続けてゆく。

身体をつんざくRuizaの攻撃的なギター音と、HIROKIの猛々しいドラムビートを合図に繰り出されたのが「太陽を葬る日」。王へ仕える四騎士である演奏陣が前へ前へと踊り出て観客たちを煽れば、ASAGIが野太い声を荒らげ、観客たちの気持ちへ燃え盛る熱情を注ぎ込み、「Vampire Missa」で音の牙を身に受けた観客たちは感情を剥き出しにしていく。その身へ消えない刻印を刻むように、Dは荒々しい音の刃を振りかざし『メテオ~夢寐の刻~』を突きつけた。会場の民(ファン)は濃厚なヴァンパイアの世界へ身を預け、陶酔の世界で甘美の杯を浴び続ける。ASAGIの歌声は陶酔への呼び水のようにも響いていた。

「お前たちの声と心は我等の宝となろう。新しい世界の幕開けとDの16周年を祝おうか」。天に輝く月へ想いを届けるように『月の杯』を演奏。ASAGIの歌声は祈りを捧げるようにも聞こえていた。いつしか演奏は月の輝きへ導かれ、高揚した旋律を描き重ねだす。

フロアでは誰もが両手を大きく捧げ、舞台からあふれ出る想いをつかもうとしていた。月へ悲しみの言葉を捧げるように歌うASAGI。その心の嘆きを、演奏陣が熱く掻き立てるように奏でては、王の気持ちを力強く押し上げていた。

黒き盾であるドライツェンの激情を描いた「Schwarzschild」をぶつけ観客たちの理性を吹き飛ばし熱狂の世界へ連れ出す。玉座に座りながら観客たちを煽り、宴に溺れる狂人へとASAGIは塗り変えてゆく。王が示すその道へ、拳を振り上げ、揺れる手をはためかせ、共に行進しようじゃないか。その熱狂の先に見える陶酔の世界を信じて…。心の奥底から止め処なく沸き上がる嘆く想いを、ASAGIは痛む心模様のままに『Blood Moon』へ映し出す。揺れ動く気持ちを語るように、何より、自分自身へ問いかけるようにASAGIは言葉を吐き出し続ける。王の嘆く心を投影するように、哀切なギターの調べを奏でるRuizaとHIDE-ZOU。その感情はどんどん熱を帯びてゆく。

HIROKIの勇壮な音を叩きつけるドラムソロナンバー「ザハブを継ぐ者「」へ興奮の声を上げ、熱狂という筆で理性を消し去る観客たち。HIROKIの荒ぶる演奏へ導かれるようにステージへ駆けだしたTsunehito、HIDE-ZOU、Ruiza。『Stray children』がフロア中に轟き渡り観客たちを野獣に変えてゆく4人。

そして…。巨大なフラッグを手にしたASAGIが、舞台へふたたび姿を現した。飛びだしたのが「Night-ship“D”」だ。巨大なフラッグを熱風巻き起こすようにはためかせASAGIが歌えば、フロア中の人たちも両手にフラッグを掲げ、熱い魂の声を捧げる。さあ荒れ狂う波にその身を預け、熱狂の海原を、興奮した気持ちの帆を掲げ、Dと共に突き進め。

「Dはやりたいことを実現していくバンドです。幸せな明日は誰にも約束されていません。明日目覚めたら当たり前の毎日が訪れるとは限らない。だからこそ、日々を全力で生きています。Dの生きた証を残せるのは音楽であり、このステージだからこそ、また来年も一緒に春を過ごせることを願います。お前たちがいたから、ここまで来れた…」(ASAGI)

ASAGIの想いを受け継ぐよう雅な調べを抱きながら麗らかに『春の宴』を歌い奏で出した。誰もが甘美な調べに酔いしれて温かな宴の中へ優しく身を預け、心を祝福する歌に触れ、心を薄紅色に染めていた。

大地を揺さぶり躍動する雄々しき演奏に身を預け、絶叫と共に拳を振り上げる観客たち。オリエンタルな音色が鳴る『千夜一夜のダラブッカ』ではフロア中の人たちを旅路へ導き、宴はふたたび熱を帯びてゆく。

そして飛びだしたのが『微熱~雨の幻想曲(ファンタジア)~』だ。身体は熱情に侵されながら、心は温かな心情を記した調べに陶酔を覚えていた。拳と咲き誇る手の花が乱れ舞う光景も瞼に焼きつくほどに鮮やかだ。シリアスな様相を秘めた「Ghost in the mirror」に触れながら感じていたのは、今にも壊れそうな破裂寸前な感情の揺れ。哀切さを抱いた演奏の中から熱情が見え隠れするたびに、心が騒ぎ立っていた。

荒ぶる感情を頭上から振り下ろすように「Gemini~片羽の報復~」を叩きつけた。牙を剥きだした演奏へ、全力で身体を折り畳み、熱した気持ちを返す観客たち。大きく身体を揺さぶり雄々しく歌うASAGIの姿に触発され、共に羽根を広げ暴れずにいれなかった。

それまでの熱狂をすべて全身で抱きしめ、秘めた想いを囁くように「月夜の恋歌」をたっぷりに歌いだした。手にした薔薇の花弁を千切りながら歌うASAGI。自身の中の想いを少しでも昇華したいと願うように、沸き上がる気持ちのままに王は歌を届けてきた。花弁を千切るたびに零れ落ちる熱い感情。フロア中の人たちが両手を掲げ、その想いを受け止めていた。

客席へ薔薇の花束を投げると同時に、演奏は狂気と高揚を抱いた「繭月の棺」へ。痛む心情を映し出した言葉のひと言ひと言を、捧げるように歌うASAGI。秘めた心の痛みを、4人の従者たちが荒ぶる表情に転化しては煽りたててゆく。

ここからふたたび高ぶる意志を掲げ、戦いの地へ突き進む。沸き上がる熱情を振りかざし、ASAGIが先陣を切って戦場へ駆けだした。その強い意志へ、会場中の人たちも力強く拳を突き上げついてゆく。『黒薔薇の騎士』が新たな戦いの地へと染め上げれば、その歌を旗印に、四騎士(メンバー)が、騎士(観客)たちが、未来へ向け高らかに声を上げ行進を始めた。何度も繰り返される声と拳の応酬。高まる気持ちが止めどなく沸き続ける。誰もが我を忘れ、時を消し去り、目の前に広がった戦場で熱いシュプレヒコールを上げていた。先頭に立つ王へ導かれるままに、熱狂描く戦いの地へ勇ましく行進を続けてゆく。

「我が心を救えるものなど、もう何処にもいはしない」。玉座に座ったASAGIがそう語ると共に、組曲『狂王』が幕開けた。厳かに流れる弦楽の調べに乗せ、嘆く想いを語るようにASAGIが言葉を歌い紡ぎだす。「第一番~灯火(とうか)の雄馬~」を通し、狂王ドライツェン(ASAGI)は在りし日に想い馳せながら、無慈悲な物語へ嘆く想いをぶつけていた。そう、何度夢から覚めても、そこへ刻む物語に光は射さないと嘆くように。

物語はふたたび熱と怒りを持って動きだす。荘厳で重厚な演奏を身にまとった狂王は、「第二番~死の影を運ぶ鳥~」へ。己から逃げることなく、ふたたび動き出す物語を、みずからの血で染め記してゆく。雄々しく歌うその声に嘆く想いも塗り重なっていた。

そして物語は大きく動き出した。狂気の牙を剥き出しに襲いかかる「第三番~美醜なる不死の獣~」が、ふたたびこの地を鮮血飛び交う戦いの地へ染め上げる。勇壮な演奏に鼓舞した気持ちのまま、歌の剣を掲げ、狂王ASAGIは声の刃を突きつけてきた。

悲壮背負った狂王ASAGIだが、それでも仲間たちへ魂振り絞り叫ぶ声を求めてゆく。「第四番~黒羊は忠誠の夢を見る~」の演奏に触発された観客たちが、力強く拳を掲げ、頭を激しく振りながら、全力で想いを捧げていた。その行く末が何であろうと、今は熱した魂を共に分かち合おう。心壊れそうな気持ちへ優しく寄りそうように流れた「第五番~落陽に哭(な)く蝙蝠~」が、狂王の運命を、歌声を通し観客たちへと伝えてゆく。死が互いを分かち合うことのない身だからこそ、闇の中で生き長らえ、いつかこの世界を塗り替えようと誓いあうように…。

Dが描き上げたヴァンパイアストーリー、狂王の物語。彼らが描く物語はこれからも連綿と続いてゆく。永久の命を宿した彼らの生き様を嘆くように…。

photo by TAKUYA ORITA

text by 長澤智典

 【セットリスト】

ーSEー

Der König der Dunkelheit

太陽を葬る日

Vampire Missa

メテオ ~夢寐の刻~

ーMCー

月の杯

Schwarzschild

Blood Moon

ザハブを継ぐ者(ドラムソロ)

Stray children

Night-ship”D”

ーMCー

春の宴

ーSMCー

千夜一夜のダラブッカ

微熱 ~雨の幻想曲(ファンタジア)~

Ghost in the mirror

Gemini ~片羽の報復~

月夜の恋歌

繭月の棺

黒薔薇の騎士

ーSMCー

組曲「狂王」

第一番 ~灯火(とうか)の雄馬~

第二番 ~死の影を運ぶ鳥~

第三番 ~美醜なる不死の獣~

第四番 ~黒羊は忠誠の夢を見る~

第五番 ~落陽に哭(な)く蝙蝠~
【ライブ情報】
『D Official Fan Club Ultimate lover限定「Ultimate lover ~第三十五夜~』

7月13日(土) 渋谷RUIDO K2

・しろろの森 : 昼の部(静かな曲中心セットリスト)

・くろろの森 : 夜の部(暴れ曲中心セットリスト)

※ファン投票制LIVE

※詳細近日発表

D 夏ツアー2019決定!!

7月17日(水) 新横浜NEW SIDE BEACH!!

7月19日(金) 高崎 club FLEEZ

7月25日(木) 広島SECOND CRUTCH

7月26日(金) 福岡DRUM SON

7月29日(月) 神戸VARIT.

8月02日(金) HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3

8月04日(日) 仙台 CLUB JUNK BOX

8月07日(水) 札幌cube garden

8月08日(木) 札幌cube garden

8月11日(日) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE

8月12日(月・祝) 金沢AZ

8月17日(土) HEAVEN’S ROCK宇都宮 VJ-2

8月22日(木) 名古屋ell. FITS ALL

8月23日(金) OSAKA MUSE

8月29日(木) 赤羽ReNY alpha

※詳細近日発表

『D Official Fan Club Ultimate lover限定 HIROKI BIRTHDAY PARTY in Studio Rosaruim』

7月20日(土) Studio Rosaruim

一部:12:00~ 二部:18:00~

7月21日(日) Studio Rosaruim

一部:12:00~ 二部:18:00~

※詳細近日発表

※全日程、全メンバーが参加いたします。

『D Official Fan Club Ultimate lover限定 ASAGI BIRTHDAY PARTY in Studio Rosaruim』

8月30日(金) Studio Rosaruim

一部:12:00~ 二部:18:00~

8月31日(土) Studio Rosaruim

一部:12:00~ 二部:18:00~

※詳細近日発表

※全日程、全メンバーが参加いたします。
アルバム『Dahlie』
2019年4月29日発売

GCR-181/¥1,500

<収録曲>

1.開眼

2.隷獣~開闢の炎~

3.My unborn baby

4.赤き羊による晩餐会

5.開眼(Instrumental)
アルバム『Kirchei』
2019年4月29日発売

GCR-182/¥2,500

<収録曲>

1.Misty(Instrumental)

2.コールドスリープ

3.Glacial melt

4.Kの氷奏曲

5.月と海の誓約

6.氷の墓標

7.Gemini ~片羽の報復~

8.氷獄の魔獣

9.Crystal Crown

10.血に濡れた一角

11.SECRET HANGAR

12.STAR SAPPHIRE

13.コールドスリープ(Kircheis(Ruiza) Vocal ver.)

アルバム『Rafaga』
2019年4月29日発売

GCR-183/¥2,100

<収録曲>

1.Determination~風の決意~ (Instrumental)

2.翠緑の翼

3.Memento~風のレイピア~

4.風に嫁いだバイラオーラ

5.Solitude~最後の手紙~

6.Little Adventurers

7.Ghost in the mirror

8.翠緑の翼 (Rafaga(HIDE-ZOU)Vocal ver.)

アルバム『Carbuncle』
2019年4月29日発売

GCR-184/¥2,300

<収録曲>

1.凄艶(Instrumental)

2.クヴァンデルの肖像

3.ひび割れた柘榴石

4.Luminous flame

5.愛は棺の中に

6.紅の蝋涙

7.Dragon Princess

8.微熱~雨の幻想曲(ファンタジア)~

9.The Secret Rose Garden

10.クヴァンデルの肖像(Carbuncle(Tsunehito) Vocal ver.)
アルバム『Wilderness』
2019年4月29日発売

GCR-185/¥2,100

<収録曲>

1.Vorreiter(Instrumental)

2.Desert Warrior

3.太古の牙(Instrumental)

4.砂上のバラドゥン

5.アネクメネ(Instrumental)

6.猿王の腰掛け

7.ザハブを継ぐ者(Instrumental)

8.千夜一夜のダラブッカ

9.Desert Warrior(Wilderness(HIROKI) Vocal ver.)


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