『ビクターロック祭り大阪』、豪華アーティストたちが8000人を魅了

2018年10月9日 / 11:00

10月7日(日)@『ビクターロック祭り大阪×MBS音祭2018~supported by uP!!!』(さだまさし×ナオト・インティライミ) (okmusic UP's)

10月7日(日)、ビクターエンタテインメント(以下ビクター)が主催するロックフェスティバル『ビクターロック祭り大阪×MBS音祭2018~supported by uP!!!』が昨年に引き続き、MBS毎日放送と共催で、8000人の観客を集め大阪城ホールにて開催された。

『ビクターロック祭り』は、ビクターが開催する“ロックのお祭り”で、2014年、2015年、2016年、2017年、2018年と幕張メッセで開催。大阪では昨年2016年、2017年に続く3度目の開催となり、家入レオ、坂本真綾、さだまさし、THE BACK HORN、四星球、薬師丸ひろ子、ADAM at(オープニングアクト)、スペシャルゲストのナオト・インティライミという豪華8組が競演! オープニングアクトのADAM atに始まり、結成20周年を迎えたTHE BACK HORN、ビクターに移籍したさだまさしのステージではナオト・インティライミとのコラボが実現。フジテレビ系月9ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』主題歌「もし君を許せたら」のヒットが記憶に新しい家入レオや、2017年のフェス出演数日本一とも言われる四星球、ビクターロック祭り初登場となる坂本真綾、そして、トリはフェス自体に初出演となる薬師丸ひろ子が務め、最初から最後まで飽きさせないラインナップでの1日となった。

■ADAM at

開場と共に席が埋まり始め、会場の期待感が高まりつつあるなか現れたのはキーボーディスト・ADAM atを中心にしたセッションバンドのADAM atだ! 早耳の音楽ファンの間では既にその名を轟かせている存在が、今日最初に鳴らすのは、5月に発表したアルバム『サイコブレイク』の曲「Dining of D」。その軽快なピアノやうなるギターが“Hey!”のコールを伴って駆け抜け、早くも客席には歓声があがる。メンバー紹介も『これが本当のアダムスファミリーです(笑)』と痛快で、しかもそこからは代表曲「MONOLITH」と「六三四」を連投し、キャッチーなメロディと体を突き動かすダイナミックなプレイで観客を釘付けにする。加えて「MONOLITH」の途中には「北の国から」のフレーズがまぜられ、今日ならではの遊び心も十分! 今日はADAM atを知らない人も少なくはない会場だったが、音楽の持つ楽しさとパワーで存分に空気を温め、オープンニングアクトの役割を十二分に果たしてくれた。

Text by 服田昌子

■THE BACK HORN

トップバッターは今年バンド結成20周年を迎えるTHE BACK HORN。荘厳なSEでメンバーが登場、『こんにちは、THE BACK HORNです』という山田将司(Vo.)の挨拶から始まったのは「罠」。会場に鋭いギターが響く。松田晋二(Dr.)の『デビューからビクターにはお世話になっています。今日は感謝の気持ちを届けたいと思っています。よろしくお願いします!』というMCをはさみ、奏でられたのは「夢の花」。山田もギターを持ち、ひとことずつ大切に、情緒的に歌い上げる。続く「美しい名前」で、力強くも時折野生的な重厚感のあるグルーヴで、しっとりと聴かせていく。そしてライブは後半戦へ。『生きている豊かな実感を得たいという熱い思いで音楽をやっています』という山田のMCから、「コバルトブルー」「刃」という最強のリレーで一気にボルテージを上げる。拳を振り下ろしながら全身全霊を込めて歌う山田や、ステージを右に左に動き回りながら演奏するメンバーの姿にどんどん惹き込まれる客席。『オーオーオー』というコールやクラップに応えていく。短い時間だったが、“これがTHE BACK HORNだ”と言わんばかりの存在感と世界観、そして20年の貫禄を見せつけたステージだった。

Text by ERI KUBOTA

■さだまさし

『盛り上がってるかー?』と元気に駆け込んだと思いきや、「じゃ『精霊流し』からいくね」という落差でいきなり“さだ節”200%。だが、名曲が始まれば、繊細なギターと味わい深い歌声でいっきに胸を締め付ける。しかし、そのしっとりしたムードはゲストのナオト・インティライミを呼び込んで一変! 2人で震災後に岩手を訪れた時に徹夜で作ったという「きみのとなりに」へ。2つの魂が共鳴するハーモニーは実に圧巻だ。さらにナオトの弾き語りによる「あの素晴らしい愛をもう一度」が情熱的なアレンジで会場を沸かすと、今度はさだが負けじと名曲を連続。まずは「北の国から」で観客を巻き込んでの“あの”コーラス! 続く「関白宣言」&「関白失脚」では曲と爆笑MCが一体化する、さすが一流エンタティナー!のパフォーマンスを見せつける。しかもバンドと作る盛り上がりも満載で、聴き応えたっぷり。そしてラストスパートはドラマチックな「おんまつり」と大スケールで進む「風に立つライオン」の2曲。無論、その間にも鋭くも温かい目線で今の日本や自身の活動を語り、観客をほころばせつつも考えさせ、(音楽を)聴いて良し!(話を)聞いて良し!の心が通う時間を生み出した。

Text by 服田昌子

■家入レオ

イントロが鳴ると同時に元気良くステージに飛び出したのは家入レオ。『一緒に盛り上がっていきましょー!』と客席を煽る。1曲目は「純情」。クールで突き抜ける歌声が心地よく響きわたる。「恋のはじまり」では、先ほどのクールな表情とは違い、主人公の想いを体現するかのように可愛らしい笑顔を見せる。『今日はお客さんの層が幅広いですね。私のライブを初めて見る人、拍手! 嬉しいな〜』と、オーディエンスとのコミュニケーションを楽しむ。続いて「もし君を許せたら」、「君がくれた夏」を披露。大きな拍手に包まれMCへ。『どうしよう、すごい楽しいですね』と満面の笑顔を浮かべる。ここで来年2月に大阪城ホールでワンマンライブが行なわれるという嬉しいお知らせも。『ここから盛り上げていきたいと思うんですけど、ちょっと立ったりできる?』の呼びかけで客席は総立ちに。「Shine」「サブリナ」「僕たちの未来」を立て続けに演奏。クラップやシンガロングで、会場の一体感は最高潮! 大歓声にとびきりの笑顔で応える。バンドメンバー紹介のあと、アコギを持った家入1人がステージに残り、『今日のライブが1番好きって思えるって幸せだなと思いました。そう思わせてくれてありがとう!』と述べ、「Say Goodbye」を弾き語りで歌い上げ、深々とお辞儀をしてステージを後にした。

Text by ERI KUBOTA

■四星球

徳島発のコミックバンド・四星球は、登場早々にメンバー扮する“リアルニッパー(ビクターのマスコット)たちが繰り広げるお得意のフリップネタやバク宙のアクトで観客の心をわしづかみ! すると会場は総立ちになって、代表曲「運動会やりたい」からライブがスタートする。4人の煽りを“お供”にして人々に手を上げさせたら、次は疾走感ある「クラーク博士と僕」へ。グッとくる言葉をユーモアで包み伝えてくれるのは、実は15年以上のキャリアを持つ彼らだからできることだろう。そして最後の曲「Mr.Cosmo」の前には先日ビクターに移籍したウルフルズに、『ビクターの後輩になるのでよろしく!』と言われたというしびれるエピソードも聞かせてくれるから、『ビクターロック祭り大阪』に来た甲斐があるというものだ。またそこから『「ガッツだぜ」のような名曲を作ってここに戻ってきます』(北島)と誓いを立てて曲へ! 北島がアリーナを走り回り、2人の観客を舞台に上げて見事な“いじり”も見せつつ、「UFO、UFO」のクセになるリピートを耳に焼き付けてフィニッシュ! わすか3曲ではあったが、終演後の4人そして観客の表情には満足感があふれていた。

Text by 服田昌子

■坂本真綾

アーティストコールが流れると客席から『まあやー!』という歓声が起こる。ワンピースを翻し、ステージに登場した坂本。1曲目は「プラチナ」。気持ちよさそうに両手を広げて歌うと、フレッシュな空気が会場を包む。『どうも、坂本真綾です! みんなの知ってる曲やります!』とシュガー・ベイブのカバー「DOWN TOWN」を披露。ピアノの音がリズミカルに響く。大阪城ホールで歌うのは初めてという坂本。『できるだけ歌おうと思ってMCの時間が2分くらいしかありません』との宣言通り、立て続けに楽曲を演奏してゆく。「奇跡の海」では壮大でダイナミックな世界観が広がり、波の中をたゆたうような美しい歌声に、神々しさすら感じられた。7月にリリースされたばかりのシングル「逆光」、「Be mine!」と疾走感のあるナンバーの後は、坂本自身が作詞作曲した「ハロー、ハロー」へ。サビの“ハローハローハロー”にあわせて手を振る仕草も。胸に手をあてて大切そうに歌う姿が印象的だった。「光あれ」では照明が道を指すようにまっすぐ伸びるドラマティックな演出がなされ、会場はじっくりと聴き入っていた。『まあやさん大好きー!』という客席からの声に『おおきに』と笑顔で応え、最後はポップなナンバー「CLEAR」で盛り上げる。客席にマイクを向けクラップを促したり、無邪気にピョンピョン跳ねる場面も見られた。軽やかさと豊かさが同居する、20年のキャリアの厚みと表現力の幅の広さを感じる40分だった。

Text by ERI KUBOTA

■薬師丸ひろ子 

今日のトリを務めるのは、5月に約20年ぶりのアルバム『エトワール』を発表した薬師丸ひろ子! 拍手に包まれ姿を見せると、美しいハイトーンで名曲「時代」の清らかなサビを響かせる。バンドを背後にスポットライトの中に立つ姿は圧倒的な存在感だ。しかし『“快感! 快感!”と言って機関銃を打った張本人です(笑)』と、四星球のライブを踏まえたMCも滑らかに空気を和ませると、前出の新作から2曲をセレクト。「窓」では日常にある小さくも大切な幸せの形を丁寧に紡ぐ。すると今度は40~50代にはたまらない、時代を彩ったヒット曲「探偵物語」と「セーラー服と機関銃」という感涙の2曲へ! 当時と変わらないみずみずしい歌声とストリングスの幻想的な音色はいっきに時を“あの頃”に引き戻し、観客の脳内に青春時代を鮮やかによみがえらせる。だが、熱の上がった会場は「アナタノコトバ」のやさしいメロディと伸びやかなボーカルが満たし、再びたおやかな世界に! 演技で磨き上げた豊かな表現力には息を飲むばかりだ。そして感動の時はあっという間、ついにラストの「Woman”Wの悲劇”より」が鳴り出す。その叙情的で荘厳で壮大な感触は、まるで映画を見ているよう。観客を物語の世界へ旅立たせて彼女は笑顔で舞台を後にした。完璧なセットリストで展開された貴重なこのステージ。誰もがいつまでも忘れることができないだろう。

Text by 服田昌子

photo by 河上良、小川星奈
【セットリスト】

■ADAM at

1 Dining of D

2 MONOLITH

3 六三四

■THE BACK HORN

1 罠

2 夢の花

3 美しい名前

4 コバルトブルー

5 刃

■さだまさし

1 精霊流し

2 きみのとなりに(with ナオト・インティライミ)

3 あの素晴らしい愛をもう一度(ナオト・インティライミ 弾き語り)

4 北の国から

5 関白宣言~関白失脚

6 おんまつり

7 風に立つライオン

■家入レオ

1 純情

2 恋のはじまり

3 もし君を許せたら

4 君がくれた夏

5 Shine

6 サブリナ

7 僕たちの未来

8 Say Goodbye

■四星球

1 運動会やりたい

2 クラーク博士と僕

3 Mr.cosmo

■坂本真綾

1 プラチナ

2 DOWN TOWN

3 奇跡の海

4 逆光

5 Be mine!

6 ハロー、ハロー

7 光あれ

8 CLEAR

■薬師丸ひろ子

1 時代

2 窓

3 ここからの夜明け

4 探偵物語

5 セーラー服と機関銃

6 アナタノコトバ

7 Woman”Wの悲劇”より


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