ザ・リアル・グループ、新体制初の来日公演をレポート

　1984年にストックホルムの王立音楽アカデミー在学中に結成。アーティストや交響楽団、聖歌隊との共演など様々なステージでファンを魅了し、ここ日本でも高い人気を誇っているスウェーデンのアカペラ・グループ、ザ・リアル・グループが、2018年9月18日にビルボードライブ東京にて2年ぶりの来日公演を開催した。

　粛々とした空気の中、黒を基調とした衣装に身を包んだメンバー達が登場しライブがスタート。彼らの故郷・スウェーデンを思わせる冷たくて心地良いハーモニーと複雑に絡み合った各セクション、昨年新メンバーを迎えたばかりとは思えない息ぴったりのパフォーマンスで、めくるめくアカペラ・ワールドへとオーディエンスを誘っていく。

　今回の公演では、今年1月に発売した8年ぶりのオリジナル・アルバム『エレメンツ』の楽曲も多数披露された。中盤の「Water」では、両手にマイクと水の入ったビン笛を持ち、それらを巧みに使い分けながらパフォーマンス。会場外から聴こえる雨音とも相まって幻想的な空間を創り出した。もちろん、往年のヒットソング・カヴァーも健在。グルーヴィーなリズムが小気味いい「Freedom! ‘90」では、ハンドクラップで会場の一体感を煽り、曲終わりには大きな拍手と歓声が鳴り響いた。

　「どうもありがとう！」「お元気ですか？(私は)元気です」と、ほぼすべての曲間に日本語やジョークを交えた曲紹介が挟まれた構成も印象的だった。言語は違えど少しでも歩み寄りたい、曲の持つメッセージを伝えたいとするメンバーの心遣いが反映されたものだと感じられた。

　アンコールでは、「Love’s Forever, Love’s For You, For Me, For Now」を日本語歌詞で披露。「Try to sing！」と煽りながらライブは大団円へ。ラストソングには「Hard to Say Goodbye」を披露し、途切れることのない拍手に包まれながら5人はステージを後にした。

　ザ・リアル・グループは明日20日にビルボード大阪公演が決定している。清涼感溢れる彼らのステージを是非体感してみてほしい。

◎公演情報
【ザ・リアル・グループ】
2018年9月18日（火）※終了
ビルボードライブ東京

2018年9月20日（木）
ビルボードライブ大阪
詳細：http://www.billboard-live.com/