tricot、4カ月連続イベントの第3回は糖分必須!? WOZNIAK、sébuhirokoとの共演で#チーム星野郎が初集結

2018年4月27日 / 15:00

4月16日(月)@渋谷CIRCUS TOKYO (okmusic UP's)

tricot主催の4カ月連続イベントの第3回『MUNASAWAGI 2018 ~食いしん坊万歳編~』が4月16日(月)に渋谷CIRCUS TOKYOで開催され、今回もソールドアウトの大盛況となった。

tricotのメンバーが各回ごとにブッキングなどを担当するこのイベント。中嶋イッキュウ(Vo&G)、ヒロミ・ヒロヒロ(Ba&Cho)の企画に続き、3回目はキダ モティフォ(G&Cho)プロデュースによるWOZNIAKとsébuhiroko(世武裕子)を迎えた『食いしん坊万歳編』ということで、キダのお茶友達=“#チーム星野郎”が一堂に会する、またもなかなか観られないレアな組み合わせが実現した。

まずは、DALLJUB STEP CLUBやOUTATBERO、HABITのメンバーであり、TESTAV名義でも活動するYuta Hoshi(星 優太)のソロプロジェクト、WOZNIAKが登場!前回の『MUNASAWAGI』ではtricotの中嶋が“(メンツ的に)カフェでやる感じのイベントなんですかね(笑)”なんて話していたけれど、WOZNIAKはバンド仕様でのっけから人力ミニマルグルーブをガンガン積み上げ、1曲目の4つ打ち曲「Civic Axis」で一気に主導権を握る。星(Dr)に加えて、橋本俊介(G/ex.free ride management)、馬場庫タロウ(G/NENGU)、“アニ”こと照井淳政(Ba/ハイスイノナサ)の布陣。そして、佐藤 円によるド派手なライティングも冴え、ブルーのレーザーが網目状になって辺りを覆えば、オーディエンスも歓声を上げずにはいられない。音響抜群のクラブ的空間を活かしつつ、トライバル×マスロックなノリの「Victim」でもフロアーをグッと温めた。
“みなさんはtricotを観に、どこまで行ったことがありますか?僕は沖縄です。今日来てる人たちと同じくらい好きなんですよ”とtricot愛をアピールする星。4月25日(水)に渋谷WWWで行なわれるDALLJUB STEP CLUBの企画に、今度はtricotが出てくれることにも感謝を伝えていた。当然ながらキダ、世武、星の3人からなる#チーム星野郎の話題も飛び出し、今回のグッズ“シシュークリームTシャツ”は“ダティ(キダ)とセビィ(世武)と行った表参道のLOTUSってカフェでお茶してるときに閃いた”とか、“世武さんは僕が出会った人の中で一番頭おかしい、良い意味で(笑)。超人見知りなんで、気軽にセビィって呼んでみてください。すっげぇ苦笑いされると思います”などと、MCでも楽しませる。

ハードロック調のリフ押しナンバー「密林」に続いて、新曲「Waves」では途中からtricotのキダが参加!トリプルギターの狂宴となり、星のタフなビートに合わせてキダが荒ぶるハイポジ弾きを披露する嬉しいサプライズもあった。大いにかましてトップの役割を果たしたWOZNIAK。彼らのステージは撮影フリーだったので、“#wozniaktokyo”“#チーム星野郎”でぜひ動画をTwitter検索してみてほしい。
続いては、シンガーソングライター名義で出演のsébuhiroko。オーケストラサウンドのSEとともにひとりでステージに現れ、先ほどのWOZNIAKとはガラッと異なるミステリアスムードで惹き込んでいく。打ち込みトラックに乗せて深遠な歌声を響かせる「JANVIER」での佇まいは超自然的だったり、「April 11」ではダンサブルな低音を効かせ出したり、ライヴが進むにつれて彼女の鬼才ぶりが露わになる。クラシックとアンビエント、さらにはロックを掛け合わせたような攻めのシンセセットに、観客たちはじっと見惚れるばかりだ。
狂おしい爆音と蠱惑的なヴォーカルが重なる「Do one thing everyday」「John Doe」を経て、“今日はありがとうございます。めちゃめちゃ喋り上手な人のあとに話すことなんかひとつもないんですけど、さっき説明もしてもらったし、(人見知りなのは)もう分かるやろ? シシュークリームTシャツが売れたみたいなんで、私は音楽を聴いてもらったらいいかな”と控えめに話す世武。それでも“あ、そうだ!次の曲のサビ。聴いてたらたぶん分かるようになるんで、一緒に歌ってください”と、摩訶不思議ワードが飛び交う「LARA」でコミュニケーションを図ったりする場面もあった。
「美しいあなた」は日本語詞の弾き語りでしっとり聴かせ、ソロでも十分に彩り豊かなパフォーマンスを観せたところで、またもやサプライズが。“1曲ぐらい知ってる曲やれやみたいな感じ、あると思うんですよ。だから、最後は有名な曲をやりますね。あと、みんな知ってる人がステージにいたほうがいいんじゃないですか?”――そんなこんなでキダと星が呼び込まれ、#チーム星野郎でカバーしたのはなんとZAZEN BOYSの「Honnouji」! やっぱりブッ飛んでます。3人によるブレイクキメキメの息ぴったりかつラウドなMATSURI SESSIONに、フロアーは言わずもがな爆上げ状態となった。
オーディエンスは良い感じで温まっていて、主催のtricotが登場すると待ちわびていたように大声を上げる外国人のファンも。例によって、イベントタイトルの「MUNASAWAGI」でスタート!吉田雄介(Dr)を中心にパキッと締まったグルーブ、澄み切って響くフロント3人(中嶋、キダ、ヒロミ)の女声に早くも胸が躍ってしまう。この曲をウォームアップっぽくさらりとやってのけるtricotは、何度観てもたまらなくカッコ良い。「DeDeDe」「WABI-SABI」と最新アルバム『3』の収録曲で固めた序盤から、いつも以上にクールというか、熱すぎず冷めすぎずの理想的なテンションがメンバーにあって、激しさよりもしなやかさが際立っているあたりも頼もしく、5月に控えるアメリカツアーの成功を予感させる。この日もオーディエンスが歌い出していたように、「よそいき」の《イェイイェイ フッフー アーハー イエーイ》は万国共通でノリやすい部分なので、海外でも盛り上がるに違いない。
また、中嶋のヴォーカルも前2回に比べてさらに良くなった印象がある。特に「artsick」では、やわらかな照明の中でハイトーンを伸びやかに聴かせ、その歌が気持ち良く音に乗って舞い上がっていくようだった。そして「E」「節約家」と変拍子の効いた爆裂ナンバーを畳み掛け、本編を締めたのはシューゲイズ要素の強い大曲「フレミング」。音数をグッと減らし、テンポを落とし、緩急自在のパフォーマンスを届けると、この日一番の歓声と拍手がtricotに贈られた。
アンコールで再登場したtricotは、ようやくホッとひと息ついた感じでMCタイムへ。“今日ずっとライヴ観てたけど、そりゃあ甘いもん要るわな。糖分摂らなやってられへんような音楽をやっておられる(笑)”と中嶋が話せば、全アクトに出たキダも“楽屋に糖分いっぱいありました。今日はありがとうございます。私ソワソワしっぱなしで、やること多い~!って思ってここ数日過ごしてたけど、やっと終わりが見えてきました。まだまだバンド活動をしながら美味しいものは探していきたいんで。甘味などの情報をお待ちしてます!”と充実の表情を浮かべた。
5月19日(土)に7インチアナログ盤でリリースする新曲「potage」も披露され、今回も大成功で幕を閉じたtricot企画(#チーム星野郎の記念すべき初対バンでした)。次回はいよいよラストで、吉田プロデュースの『MUNASAWAGI 2018 ~やさしさに包まれたなら~』が5月17(木)に渋谷WWW Xで開催となる。POLYSICS、空きっ腹に酒を迎え、有終の美を飾ってくれるはず。お楽しみに!
撮影:半田安政/取材:田山雄士
【セットリスト】

■WOZNIAK

1.Civic Axis

2.Dying (の前半)

3.Victim

4.密林

5.Waves feat.キダ モティフォ

6.Less is More

■sébuhiroko

1.JANVIER

2.April 11

3.Do one thing everyday

4.John Doe

5.LARA

6.美しいあなた

7.Honnoji(#チーム星野郎ver)

■tricot

1.MUNASAWAGI

2.DeDeDe

3.WABI-SABI

4.よそいき

5.artsick

6.E

7.節約家

8.フレミング

<ENCORE>

1.potage

2.メロンソーダ

【ライヴ情報】

『MUNASAWAGI 2018 〜やさしさに包まれたなら〜』

5月17日(木) 東京・渋谷WWW X

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