エレファントカシマシ、30周年を締め括る全国ツアーを完走! アルバム発売&ライブハウスツアーをサプライズ発表

2018年3月29日 / 12:00

3月17日(土)@さいたまスーパーアリーナ (okmusic UP's)

エレファントカシマシのデビュー30周年アニバーサリーを締め括るワンマン公演『30th ANNIVERSARY TOUR “THE FIGHTING MAN” FINAL』が、3月17日(土)にさいたまスーパーアリーナで行なわれた。

さいたまスーパーアリーナのBゲート付近には、この日と翌日限定の観覧無料ミュージアム『30th ANNIVERSARY TOUR展』『COME BACK! エレファントカシマシ写真展』が午前11時よりオープン。メンバーを長年撮り続ける岡田貴之による今回のエレカシ初の47都道府県ツアーを振り返るライヴ写真、47都道府県名をそれぞれプリントした“エレカシTシャツ”、各会場で見られたオリジナルスタンプ“ご当地はんこ”、バンドの軌跡を辿る年表などが展示され、ファンたちは列をなして早くも楽しい時間を過ごしていた。開演前になると、アリーナからスタンドまでがびっしり埋まってスタンバイ完了! ご当地Tシャツを着た観客もたくさんいる。

そして、いよいよ開演の時が訪れ、エレカシ30年分のオフショットやアーティスト写真、ジャケット写真、“Re; Start from here, today. with all of you, everybody.”のメッセージなどが次々にサイドビジョンへ投映される中、宮本浩次(Vo&Gu)、石森敏行(Gu)、高緑成治(Ba)、冨永義之(Dr)のメンバー4人が登場して深々とお辞儀。さらに、サポートのヒラマミキオ(Gu)、村山☆潤(Key)、山本拓夫ホーンズ、金原千恵子ストリングスを加えた総勢18名で、瞬く間にプロローグ「3210」へ。続くのはもちろん、渾身の「RAINBOW」だ。いきなり宮本がハンドマイクで絶唱、花道へ駆け出し、ビジョンとステージが七色以上の輝きに染まって、会場は歓喜に揺れまくる。冨永に向かって宮本が“ワン、ツー、スリー、フォー”と合図して始まった「奴隷天国」では、色とりどりのバルーンがアリーナに投下! “死ね”“何やってんだよ、踊れ!”と凄むささくれ立った歌詞に何故だかマッチしていて、ホーン&ストリングスの唸りも笑っちゃうほどすごい。

“ようこそ、エビバデ! 今日は最高の一日にすべく、たくさんのメンバーで、みんなに自慢の曲をお届けにしに参りましたエレファントカシマシです!! 30周年のツアー、記念の日がソールドアウトということで、本当にありがとうございます”と、最初のMCで宮本が改めて感謝の言葉を述べる。そして、大切な「悲しみの果て」、“15歳の時に作った”活動初期のナンバー「星の砂」を4人だけで披露。ロックバンドらしい骨太さにガツンと痺れる一方、自分が肩を組んで前に押し出した石森に対して“まだいたの?”と言っちゃう宮本には思わず微笑んでしまう。また、“ハラハラドキドキで毎日過ごしてます。というのも、6月6日にアルバムが出ることが決定してまして。みんなにいい歌届けたいぜ~! ドドドドーン!!!”なんていう突然の発表でもファンを喜ばせた。

中盤以降は宮本の歌にじっくり酔える時間が増えてくる。「夢のかけら」「風に吹かれて」「昔の侍」などはストリングスを活かし、気品あふれるコンサートの様相すら呈していたりと、その佇まいに、静かな説得力に、心が沸々と盛り上がってきて、エレカシの間口の広さを実感。そんな流れでの「さらば青春」、グッとこないわけがない。《僕ら そうさ こうして いつしか大人になってゆくのさ いざゆこう さらば 遠い遠い青春の日々よ》――このラインに想いが錯綜する。やわらかい音色ですべてを包むようなヒラマのアコギ、客席からの“ありがとう!”の声にも涙腺が緩む。

ツアー中に降ってきたという「ベイベー明日は俺の夢」は、上がったばかりの手作り映像(車窓風景ベースのドキュメント)とともにセンチメンタルに届けた。石森がこの曲のためにダブルネックギターを新調したこと、ヒラマと村山を含む6人でツアーを車で移動した思い出を楽しげに話す宮本。歌詞のとおり、エレカシの旅は今日からまだまだ続いていく。素敵な明日を信じて。

ピンスポが当たる宮本のエレキギターから始まった「笑顔の未来へ」、場内がぱぁっと明るくなって桜花繚乱の空間が生まれた「桜の花、舞い上がる道を」でますます輝くエレカシ。「今を歌え」は冨永のスネアが深遠に響く中、何度も生まれ変わってきたバンドの姿をしみじみと伝える。「風と共に」で《行き先は自由》と大きく手を広げる宮本、それを信じて全力で後押しするメンバーが眩しくて仕方ない。彼らはいつも今を生きている。今日が昨日の続きであること、その続きに明日があることを歌いながら。時に空へ、時に風へ、想いを馳せながら。

《胸を張って出かけようぜ》のところで宮本がジャケットを脱ぎ捨てた鉄板「ガストロンジャ―」、宮本と石森が花道に飛び出した「俺たちの明日」に感激して一部が終了。並のバンドならここでとっくに大団円で万々歳なのですが、彼らの場合は当然やり足りません。

髪をおっ立てて再登場した宮本。スーツの襟に“Roll & Spirit”のピンバッジが付いている。二部はホーンセクションが勇ましいスカバンドみたいなハイテンションの「男餓鬼道空っ風」でスタートし、「この世は最高!」では音の隙間に滑り込んでくる高緑のベースに会場が大いに沸く。男気満点の展開に乗せてギラつく「RESTART」へ続けば、ステージからは火柱が上がり、エレカシの燃える生きざまを目の当たりにするのだった。

“去年は初めての47都道府県ツアーをやって、もう51歳だから体力的にどうかなって思ってたけど、我々が考えてる以上に各地でたくさんの人が来てくれましてね。どんどん免疫力が上がる体験をさせていただいて、今日もこうして元気にコンサートできてます。ありがとうエビバデー! 年末は『NHK紅白歌合戦』にも出られて、すごく大きく歌えて嬉しかったです”というMCを経て、代表曲「今宵の月のように」もここで演奏された。二部を締めたのは、最新曲「Easy Go」。命燃やすような「RAINBOW」をも更新する、51歳には明らかにハードなアップナンバーだが、含蓄のある、決して簡単じゃない“Easy”“レッツゴー”の叫びは“さらにドーンと行くぜ!”を体現していて胸がいっぱいになった。

間奏でメンバー紹介を含むセッションタイム(各自のソロ+石森とヒラマのギター応酬+宮本の濃すぎるスキャットなど)へ突入した「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」、18人がノリノリでエネルギッシュに迫り来る「so many people」と、クライマックスを迎える三部。宮本は“パワーもらってるぜ!”と言わんばかりに胸を叩きながら歌う。エレファントカシマシにはヒット曲がふんだんにあって、根強い人気の隠れた名曲があって、なおかつ新曲も抜群にカッコ良いのがよく分かる。

宮本のアコギ弾き語りで「涙」をしっとり聴かせたあとは、本ツアーのタイトルにもなった待ってましたの「ファイティングマン」! ステージ後方から“THE ELEPHANT KASHIMASHI 30th ANNIVERSARY”のバックドロップがせり上がり、改めてリスタートを誓うように4人で爆音をブチかまして、力強く本編を締めた。

“いい顔してるぜ、エビバデー! よく見えないけど(笑)。ドーンと行こうぜー!!”と何度も何度も繰り返し伝える宮本を筆頭に、ライヴバンドとしての凄みを発揮しながらたくさんの生命賛歌を届けてくれたエレカシ。ベストアルバム『All Time Best Album THE FIGHTING MAN』では“30周年、30曲、3000円”を謳っていたが、この日は“30周年、30曲、3時間”。それでいてアニバーサリーを忘れ、シンプルにいつものエレカシを堪能することもできた。アンコールは“今の季節にぴったりだと思う”と前置きした「四月の風」。偉大なバンドはどの曲を最後にやっても絵になるんです。宮本の男泣きに感涙!

かくして有終の美を飾った、今がキャリア最高のエレファントカシマシ。このあとは『VIVA LA ROCK 2018』など各種フェスへの出演、23枚目のアルバム発売、新たなツアーも決まっている。31年目の彼らも目が離せない!
Photo by 大森克己

Text by 田山雄士
【セットリスト】

■一部

1.3210

2.RAINBOW

3.奴隷天国

4.今はここが真ん中さ!

5.悲しみの果て

6.星の砂

7.i am hungry

8.夢のかけら

9.風に吹かれて

10.ベイベー明日は俺の夢

11.昔の侍

12.さらば青春

13.笑顔の未来へ

14.桜の花、舞い上がる道を

15.ズレてる方がいい

16.今を歌え

17.風と共に

18.ガストロンジャー

19.俺たちの明日

■二部

20.男餓鬼道空っ風

21.この世は最高!

22.RESTART

23.夢を追う旅人

24.今宵の月のように

25.Easy Go

■三部

26.あなたのやさしさをオレは何に例えよう

27.so many people

28.友達がいるのさ

29.涙

30.ファイティングマン

<ENCORE>

四月の風
【ライブ情報】

★TOUR 2018 開催決定!!

6/25(月) 愛知・Zepp Nagoya

6/26(火) 愛知・Zepp Nagoya

6/30(土) 大阪・Zepp Namba

7/01(日) 大阪・Zepp Namba

7/05(木) 東京・Zepp Tokyo

7/06(金) 東京・Zepp Tokyo

7/13(金) 宮城・仙台 PIT

7/14(土) 宮城・仙台 PIT

7/16(月) 北海道・Zepp Sapporo

<チケット>

1F スタンディング/2F 指定席:¥6,900(税込)

※仙台PIT公演は、1F スタンディングのみ

※ドリンク代別・3歳以上チケット必要

・ オフィシャルサイト チケット先行抽選受付

3月19日(月)12:00~4月3日(火)23:59

・一般発売日:6月9日(土)

【リリース情報】

★23rdアルバム6月6日(水)リリース決定。 詳細は後日発表。

◆関連記事「エレファントカシマシ 宮本浩次インタビュー。30周年イヤー・悲願の全都道府県ツアー、その胸中を語る」

https://goo.gl/xmM34c

◆関連記事「ライブ現場通信:エレファントカシマシ 30th ANNIVERSARY TOUR “THE FIGHTING MAN” FINAL&SEPCIAL ド・ド・ドーンと集結!!~夢の競演~ @さいたまスーパーアリーナ」

https://goo.gl/SyvHsk


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