【米ビルボード・アルバム・チャート】エクスエクスエクステンタシオン首位デビュー、メタリカがTOP10に再浮上

2018年3月26日 / 20:45

 エクスエクスエクステンタシオンの新作『?』がNo.1デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 本作 『?』は、 昨年8月に発表したデビュー作『17』から、わずか7か月でリリースされた通算2作目のスタジオ・アルバムで、前作『17』の最高2位を超える、自身初の首位獲得となった。ラップ・チャートでは、2作連続の快挙。

 本作からは、全米ソング・チャート(HOT100)で17位まで上昇している先行シングル「サッド!」がヒットし、アルバムのプロモーションに繋げた。その「サッド!」含む全曲の視聴回数も好調で、初動ユニット131,000のうち、およそ106,000がストリーミングによるポイントだった。つまり、アルバムの実売は2万枚程度だったということになる。2018年に入ってからは、ミーゴスの『カルチャーII』(今週5位)が獲得した150,000(ストリーミング)に次ぐ記録。前作『17』の初動ユニットは87,000で、そのうちアルバムの売上は18,000枚だった。

 エクスエクスエクステンタシオンは、2016年にリリースしたデビュー曲「ルック・アット・ミー!」が、いきなりHOT100で34位、ラップ・チャート12位のヒットを記録し、大注目された米フロリダ州出身の新星ラッパー。ドレイクとの絡みや強烈なキャラクター、パンク・ラッパーと名付けられた個性的な音楽スタイル等、何かと話題が絶えないが、ここ最近では2016年に起こしたDV事件での逮捕があり、その人間性に不信感をもつリスナーも多い。

 今週2位には、先週の42位から急上昇したメタリカの『ハードワイアード…トゥ・セルフディストラクト』が再ランクイン。本作は、2016年11月18日にリリースされた彼らの10作目となるスタジオ・アルバムで、発売翌週には全米をはじめとした主要各国でNo.1デビューを果たした大ヒット作だが、今週、1年半振りにTOP10に返り咲いたのは、【WorldWired】ツアーのチケットがアルバムに同梱されたため。週間セールスは63,000枚を獲得している。

 3月10日付のアルバム・チャートでは、同じ手法でボン・ジョヴィの『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』が、およそ2年4か月振りに返り咲きの首位獲得を果たしたばかり。ストリーミングの弱いロック・バンドは、こういった形でアルバムの売上を伸ばしている。1位のエクスエクスエクステンタシオンもそうだが、昨今のアルバム・チャートは、もはや売上枚数を無視したランキングになり、アルバムを1枚購入して聴くリスナーが少なくなったという、時代背景を象徴している。

 全米映画興行で新記録を樹立している、映画『ブラックパンサー』のインスパイアード・アルバム『ブラックパンサー:ザ・アルバム』は先週の4位から3位に浮上し、週間ユニットは53,000を獲得した。全米では、興行ランキング5週連続の1位を達成した他、ツイッターで最もつぶやかれた映画としても話題になっている。大ヒット中の映画では、通算2週の1位を獲得した『グレイテスト・ショーマン』のサウンドトラックも強く、41,000ユニットを獲得して6位に停滞している。

 先週No.1デビューを果たした、ロジックの新作『ボビー・タランティーノII』は4位にダウンし、ミーゴスの『カルチャーII』は7位から5位に浮上した。

 ケリー・クラークソンやキャリー・アンダーウッドといった、人気シンガーを輩出した米FOXチャンネルの人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』のシーズン10(2011年)優勝者=スコッティ・マクレアリーの新作『シーズンズ・チェンジ』が7位に初登場。本作は、2013年10月にリリースした『シー・ユートゥナイト』(最高6位)から4年半振りとなる新作で、No.1デビューした1stアルバム『クリア・アズ・デイ』から4作連続のTOP10入りを果たしている。デビュー当初はアイドル的なイメージが強かったが、現在は実力派カントリー・シンガーとして活躍中。本作からの先行シングル「ファイブ・モア・ミニッツ」も高く評価され、カントリー・チャート4位、カントリー・エアプレイ1位の大ヒットを記録した。

Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、3月28日22時以降予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『?』エクスエクスエクステンタシオン
2位『ハードワイアード…トゥ・セルフディストラクト』メタリカ
3位『ブラック・パンサー:ザ・アルバム』VA
4位『ボビー・タランティーノII』ロジック
5位『カルチャーII』ミーゴス
6位『グレイテスト・ショーマン』サウンドトラック
7位『シーズンズ・チェンジ』スコッティ・マクレアリー
8位『÷(ディバイド)』エド・シーラン
9位『アイル・ビー・ユア・ガール』ザ・ディセンバリスツ
10位『ストーニー』ポスト・マローン


音楽ニュースMUSIC NEWS

<インタビュー>シーア×パリス・ヒルトンが語る、コラボ曲「Fame Won't Love You」と名声よりも大切なもの

洋楽2024年4月27日

 パリス・ヒルトンとシーアほど名声について語れる権威者はほぼいないだろう。両者とも、長年にわたって世界的な知名度を誇ってきた。 シーアはその音楽、ソングライティング、そして唯一無二の歌声で、ヒルトンは2000年代半ばのパーティー・ガールとし … 続きを読む

テイラー最新作がSpotify史上初10億再生、ザ・ウィークエンド米ビルボードHot 100入りが100曲超え、フォートナイトのバーチャル・フェス:今週の洋楽まとめニュース

J-POP2024年4月27日

 今週の洋楽まとめニュースは、テイラー・スウィフトに関する話題から。  テイラー・スウィフトの最新作『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(TTPD)が、Spotify史上初めて1週間で10億ストリーミングを突破したアルバムとなり、 … 続きを読む

Ado、7月から初の全国アリーナツアーへ

J-POP2024年4月27日

 Adoが、2024年7月から初の全国アリーナツアー【Ado JAPAN TOUR 2024 『モナ・リザの横顔』】を開催する。  初の世界ツアー、そして女性ソロアーティスト初となる国立競技場での単独ライブをソールドアウトさせたAdo。全国 … 続きを読む

lynch. 、『FIERCE-EP』6/26発売決定 ツアーも2024年7月からスタート

J-POP2024年4月26日

 lynch.の新作『FIERCE-EP』が6月26日に発売されることが決定した。  本作は前作『REBORN』以来1年3か月振りのリリースとなる。アーティストビジュアルも本日公開となった。  タイトルにもある“FIERCE”は直訳すると激 … 続きを読む

折坂悠太、ニューアルバム『呪文』6月リリース&全国8都市で【呪文ツアー】

J-POP2024年4月26日

 折坂悠太が、2024年6月26日にニューアルバム『呪文』をリリースする。  2年8か月ぶり、4枚目のアルバムとなる今作は、内省的なコンセプトを持った前作『心理』と比べ、風通しの良いサウンドスケープ、日常を反芻し、今の現在地を見定めるような … 続きを読む

Willfriends

page top