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一十三十一、Dorian&Kashifを迎えた豪華ライブで演出した“夏の終わり” ビルボードライブ公演をレポート

 2017年8月31日、一十三十一の公演が六本木・ビルボードライブ東京にて開催された。ゲストとして、彼女の最新アルバム『Ecstasy』のプロデュースを手掛けたDorian、盟友のKashifが出演した。

 “夏の終わり”をひしひしと感じる8月の最終日。定刻を過ぎると、ギターの奥田健介をバンドマスターに据えた、演奏陣が先にオンステージ。1曲目「DIVE」のイントロが奏でられ、その演奏に導かれて一十三十一がステージに登場する。爽やかなアルペジオが牽引する魅惑のシティ・ポップス。一十三十一のコケティッシュでメロウな歌声は、この日も唯一無二の輝きを放っていた。彼女のディスコグラフィーを代表する一曲によって、ステージの幕が下りた。

 演奏を終えると、一十三十一は「夏休みの宿題は終わったの?」と一言。六本木の会場に集まったオーディエンスの多くは、もちろん学生ではないわけだが、“プレイ”めいた挑発的なMCで、独自の世界観を一気に作り上げてしまう。「各種、“夏もの”取り揃えておりますので、どうぞゆっくりと楽しんで下さい」という、その後のMCも、柔らかでありつつ、どこか扇情的だった。

 2曲目からは「Serpent Coaster」「Flash of Flight」と『Ecstasy』からの楽曲の演奏が続く。今回のライブは、奥田に加えて、南條レオ(ベース)、冨田謙(キーボード)、小松シゲル(ドラムス)、ヤマカミヒトミ(サックス/フルート)という演奏陣。シンセ・ベースとエレクトリック・ベースを弾き分ける南條と、管楽器を扱ったヤマカミをはじめ、各演奏者が楽曲の要請に合わせて、楽器や音色を使い分け、楽曲のアーバンでカラフルな雰囲気をとらえていく。と同時に、バンドならではの熱量が加わるのが目に耳に楽しい。

 中盤、最初のゲストとして登場したのはDorian。それぞれに異なる船で船上パーティーをしていた時に、偶然すれ違い、Dorianが一十三十一の名前を呼んだことがキッカケとなって出会ったという二人(一十三十一は海に浮かぶ船と船の出会いを空に浮かぶ雲と雲のイメージから「神々の出会い」と表現)。そんなMCをはさみ和気藹々としたムードから、点を意識したアレンジがクールな「Dolphin」、そして『Ecstasy』収録の「Let It Out」と続けて演奏。会場の空気もさらに熱を帯びていく。一十三十一とDorianがデュエットする「Discotheque Sputnik」では、フロアタムを多用したドラミングとギロがどこか不穏さを注ぎ足し、メロウかつサイケデリックなムードが白眉な演奏となった。

 Dorianとのパートを終えると、入れ替わりに登場したのは、今年アルバム『Bluesongs』をリリースし、一十三十一のレーベルメイトともなったKashif。「Prismatic」では、Kashifと奥田のツイン・ギターが、洗練された響きの中にヘヴィなファンクネスを演出。続く「夏光線、キラッ。」では、なんと一十三十一本人がギターをプレイ。彼女の奏でるノイジーなストロークから演奏がスタートした。いずれの曲でも、Kashifはドライブ感溢れるギター・ソロを披露。その青々とした響きが、演奏全体の熱量を力強く引き上げた。

 Dorian、Kashifが鮮やかな見せ場を作ったコラボ・パートを終え、ダビーな「Swept Away」等を挟み、ラストは本人も「ちょうど夏の終わりっぽい」とタイムリーな「Varadero via L.A」で本編終了。彼女の作品のアーバンさが、手練のバンドによって再構築されていく様子が印象的なライブとなった。

 アンコールではDorian、Kashifも再び合流し、「恋は思いのまま」をポップに披露。一十三十一が振り付きで歌を披露し、客席にもそれを真似する人が続出。そんな開放的な雰囲気の中、ステージは終幕した。まさに一十三十一の歌声と世界観をバンド編成で堪能する贅沢なライブ。秋からはDorian、Kashifを伴い、クラブセット・ツアーを開催することを発表している彼女。今回とはまた一味異なる魅力のステージとなるだろう。ファンはそちらにもぜひ注目して欲しい。

◎公演概要
【一十三十一
Guest: Dorian, Kashif】
2017年8月31日(木)ビルボードライブ東京 ※終了

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