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【アラウンドザ天竺】 このアルバムを世に出せて良かった!

L→R アラウンドザ長老(上手い方の6弦)、ガワ(二連太鼓)、 ロンドンタナカ(歌と6弦)、ジョン・カッター(4弦と高い叫びと色んな声) (okmusic UP's)

2月に始動し、その5カ月後には全国デビューミニアルバム『タイトルなんでもいい』をリリース。“面白いものをやりたい”という想いの強さに比例するかのように目にも止まらぬスピード感で活動を行なうアラウンドザ天竺についてロンドンタナカ(歌と6弦)に訊いた。
──アラウンドザ天竺は前身のバンドを経て、現在の4人で2017年2月に始動したそうですね。
「9年やってきた前身バンドがずっと売れなかったんで、“もう他人の評判なんてどうでもいいから、自分たちが面白いものだけをやろうぜ!”って気持ちでアラウンドザ天竺を始めたら、本当に面白いだけのバンドになってしまいました。」
──アラウンドザ天竺ではどういうことをやろと?
「やってて笑っちゃう、聴いてて笑っちゃう、観てて笑っちゃうって感じでやりたいです、楽に楽しくやりたい!」
──2月に始動後、5月に初ライヴ、7月26日に全国デビューミニアルバム『タイトルなんでもいい』をリリースとものすごいスピードで活動を展開していますが、もともと今作の制作を視野に入れた上で活動を開始したのでしょうか?
「7月のリリースと5月のレコーディングはなぜかもう先に決まっていたので、3月から曲作りを始めて、アレンジをして、歌詞を書いて、プリプロをして…って感じだったので、正直辛すぎてリアルにハゲましたね、治療に行きます。」
──初のリリースとなる『タイトルなんでもいい』はオマージュが多数入っていて、多方面でも話題を呼びそうな作品ですが。
「メンバーで笑いながら作ってたら、こうなったという感じですかね(笑)。」
──そんな今作の1曲目の「ヤバイ、新聞屋さん。」はデートに緊張して寝られないという心境を歌っている楽曲なのですが、野球応援のようなフレーズや《デートの下見で緊張して眠れない》という歌詞など、キャッチーで耳に残りやすいところが不思議でもあり、このバンドの面白さなのかと思いました。
「“1曲の中に5曲分くらいのアイデアをぶち込んで、混ぜ混ぜしたら面白いんじゃね?”みたいなノリですね。もともとキャッチーな曲が好きなんですよ。聴いてて楽だし。あと、女の子とデートする前日って異常にソワソワしません? 僕はめっちゃきれいに身体を洗ったり、鼻毛を切ったり、いろいろしてしまうので、その気持ちを書きたかったんですよ。あとは、高校球児だったので野球も好きなんです。この曲ができてから曲作りに関してはもうやりたい放題っていうか、滅茶苦茶になったと思います。」
──「チャージは恥だが役に立つ」で描かれているのは誰もが遭遇しそうなシチュエーションですが、実話ですか?
「実話です(笑)。駅の改札で僕の目の前にチャージ不足だった人がいて、全然どいてくれなかったんですよ。それでギリギリ乗れたはずの電車に乗れなくて。“分かるよなー! みんなー!”っていう思いを込めました。大体こんな感じで、全部ふと思ったことで曲作ってますね。」
──「振り向けば小手指」は歌詞、サウンドともに叙情的で、上の年代にもはまりそうな歌謡曲的な部分がありますね。
「この曲だけ前身バンドの曲で、当時のバイト先(西友 小手指店)の後輩に売れないバンドをやってることを馬鹿にされてて。まともに相手しててもあれなんで、嘘の情報ばっかり言ってたんですよ。ドラマーが黒人だとか。それである時、そいつが“今度の新曲はなんてタイトルなんすか〜!?”と言ってきたので、とっさに“振り向けば小手指”って言ったんです。それがそいつにも職場の人にも馬鹿ウケしたんで、“あ、ほんとに作ってみよう”と思って作りました。歌詞の内容が不倫なんですが、これはその当時仲良かった友達の女の子が不倫してたんで、それにインスパイアされちゃって(笑)。」
──最後をしっとりと締め括る「お葬式の歌」は歌が引き立つアレンジですね。
「これはもともと僕の弾き語りでやっていた曲で、本当なら入れるつもりがなかったんですよ。入れないほうがアルバムの統一感もあるし。そしたら、ディレクターから“いい曲だから入れなよ”って言ってもらって…死んだじいちゃんとばあちゃんが喜ぶなぁと思って入れました。ただの祖父母孝行ですね。岐阜の墓に聴かせに行ってきます。」
──では、本作の聴きどころや注目してほしい点があれば教えてください。
「アラウンドザ長老のギターですね。メンバーが見てても笑っちゃうほどカッコ良いと思いますし。それだけでもいいくらいですよ、聴いてもらうのは。僕の歌とかもう聴かなくていいです。メッセージ性ゼロだし(笑)。」
──歌や歌詞はパロディー的な部分も取り込みつつ、アラウンドザ天竺のフィルターを通したことによって、目新しいものになっていると思いますが。
「パロディーって楽しいですからね。替え歌とか楽しいじゃないですか。出来上がったCDを見て、なんか感動しましたね。…“こんなのCDにしてもいいのか?”って(笑)。ギリギリセーフでやってますけど、怒られていつか発売禁止になるんじゃないかと思ってます(笑)。あとは、振り返ると“あん時あんま寝てなかったなぁ”…とかばっかりです。でも、このアルバムを世に出せて良かった!と素直に思います。」
──そんな今作でこれから出会う人たちにアラウンドザ天竺がどんなバンドであるか説明するとしたら?
「なんでしょうね? 嗜好品みたいなバンドですかねぇ。“お酒、煙草、アラウンドザ天竺”みたいな(笑)。」
──リリース後は8月5日に吉祥寺Planet Kにて『タイトおもいつかん vol.2』を開催しますね。
「もう、来てくれた人全員とライヴハウスでただただ遊びたいです。“来てくれた奴ら、みんな友達!”って感じで。みんなを連れて葡萄館いきたいですね! もぎ放題!」
取材:高良美咲
ミニアルバム『タイトルなんでもいい』
2017年7月26日発売

Low-Fi Records

LFRR-0003

¥1,700(税抜)
アラウンドザ天竺
アラウンドザテンジク:前身バンドを経て2017年2月始動。バンド名は公募から決定。5月に新宿にて主催イベント『タイトルおもいつかん Vol.1』を開催。7月26日にアラウンドザ天竺として初となるミニアルバム『タイトルなんでもいい』をリリースする。

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