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<連載 第2回>SuG武瑠インタビュー:イエモンやKREVAに見出した戦い方「10年目で最高にSuGらしい武道館を」

 来年10周年に日本武道館でワンマンライブを開催するべく奮闘しているSuGが、11月に2ndミニアルバム『SHUDDUP』をリリース。そして全国ツアー【SuG VersuS 2016 EXTRA】を開催し、その最終公演を12月30日 豊洲PITで開催するが、このタイミングでフロントマンである武瑠(vo)の連載インタビュー第2弾を公開する。

<日本武道館宣言の真相……「言わないと終わってたんです」希望か延命か>

 前回の連載インタビュー第1弾(http://bit.ly/2hhmBFz)では、今年5月に東京 EX THEATER ROPPONGIにて開催された【SuG LIVE「VIRGIN」】で「やります、日本武道館!」と宣言した真相や現状、そして新作で提示したかったものについて言及。「いろんな意味で「やります、日本武道館!」って言わないと終わってたんです。だからあれは言いたいから言ったというよりは、言わなきゃいけなかった。包み隠さず言えば……もう言っていい時期だと思うんですけど、武道館が挑戦であることには変わりないんですけど、武道館がその先の“希望”になるのか、ただの“延命”で終わるのか、もうどっちかなんですよ」といった発言はファンに衝撃を与えたが、そのインタビューの続編を“重要なカウントダウンの始まり”になるという豊洲PIT公演を前に公開する。ぜひご覧頂きたい。

<俺らいつかCDを出さなくなるかもしれないし……すべてが有り得る>

--「やります、日本武道館!」宣言から約半年。どんな日々だったなと思いますか?

武瑠:より自分にしか出来ない戦い方にシフトしようと思って、海外でブランドの展示会もやったりして。よく分からない人からしたら「ブランドの仕事か」ぐらいの感覚かもしれないけど、そういう海外までクリエーションに巻き込んだやり方じゃないとSuGは伸びていかないと思っていて、そういうこともわりと長期的な視野で考えてる。海外に売り込めるんなら売ったほうがいいし、ファッションブランドで海外に売り込むって普通のバンドじゃ有り得ない発想だと思うし、そこは自由に……まだ分かんないですけど、俺らいつかCDを出さなくなるかもしれないし、それに基づいたクリエーションしか出さなくなるかもしれないし、そういう形がもうあってもいい時代だとは思ってる。ヒットチャートに喧嘩売ってることになるかもしれないけど、すべてが有り得るじゃないですか。

--有り得る時代だし、バンドですよね。

武瑠:そういうことを模索しながら活動してましたね。特に夏はいろんな海外の地に足を運んだので。海外ツアーもしたし、ブランドだけでシンガポールでショーしたりとか、ロスで展示会もやったりとか、結局それは音楽というか、自分が創りたいものに直結している文化だし、やり方だと思うし、今年はそういう活動が多かったかもしれないですね。

<今年【ROCK IN JAPAN FESTIVAL】に初めて行ったんですよ>

--その一連の動きの中で何か掴めたものはあったんですか?

武瑠:それは「KILL KILL」(AL『SHUDDUP』収録曲)のPV(https://youtu.be/dXCcJ0mbM4M)に反映されてると思います。「俺たちしか出来ないことって何だろう?」っていう発想から生まれたものなので。あと、今年【ROCK IN JAPAN FESTIVAL】に初めて行ったんですよ。その影響も結構デカくて。すごく感動したんですよ、特にイエモン(THE YELLOW MONKEY)。憧れました。でもだからこそ「戦い方が違うな、SuGはここじゃないな」って思いました。源流は一緒だし、すごく憧れるし、いつか同じステージに立ちたいと思うんですけど、だからってそれに寄せるやり方は絶対やっちゃいけないなって。自分たちの個性が死んでしまう。あの場所は良くも悪くもステージと音楽での勝負でしかないから、SuGはあそこに背景に持っていけない、クリエーションの背景を持っていけないって思いました。俺たちは先にヴィジュアルを見せなきゃダメだなって。そういう意味ではヴィジュアル系なのかもしれない。それが最大の個性だから。

--今、武瑠くんが言った意味でのヴィジュアル系は今いないですもんね。

武瑠:皆無だと思うんですよ。ヴィジュアル系という言葉の意味が変わっちゃったから、俺はあんまりヴィジュアル系が好きじゃないんです。メイクしていることがヴィジュアル系でしか無くなっちゃったから。でもイエモンは圧倒的ですよね。メイクしているけれど、ヴィジュアル系とやゆされた事も多いバンドだけど、圧倒的に他と違う。改めて聴いて自分への影響率にすげぇビックリしました。無意識に同じタイトル付けていたりとか「SICK’S」なんてまさにそうだし、歌詞も「天使と悪魔」とかよく使うし、潜在意識に物凄い影響を与えていた。昔、専門学校に入って速攻で辞めたんですけど、その入学テストでYOSHII LOVINSONの「CALL ME」を歌ってるんですよ。ヴィジュアル系バンドを始めようと思っていた時期なので、普通なら先輩のヴィジュアル系バンドの曲を歌うと思うんですけど、自分は「CALL ME」を選んで歌っていたんですよね。そう思うと、普通に根付いていたんだなって。あれのPVがめちゃめちゃ好きだったんですよ。戦車のやつ。でもそういったルーツの人の通った道をそのまま歩むんじゃなくて、「俺は俺の勝負をしなくちゃいけないな」って……ある意味スッキリしました。

--吉井和哉やイエモンの存在が我が道をハッキリさせたと。

武瑠:「フェス出たい」とか「いろんな人と対バンしたい」と思ったから初めて【ROCK IN JAPAN FESTIVAL】へ行って、今でももちろんその気持ちはあるんですけど、無理してやるのは違う。歩み寄って出たり、無理やりねじ込んでもらうのは違うなって。それでスッキリできた部分はありました。「なんでこんなにフェス出れないんだろう?」「なんで対バンできないんだろう?」っていうモヤモヤした気持ちが「これは出れないわ」って。土台が違うし、いわゆる今主流のバンドとは文化からチケットの値段まですべてが違うし、溶け合わない部分が多すぎる。だけど、マイファス(MY FIRST STORY)、オーラル(THE ORAL CIGARETTES)、フォーリミ(04 Limited Sazabys)、この3バンドのファンは特にSuGを好きって言ってくれる人が多い。何か理由があるんだろうなと思うんですよ。多分、根底にある美学がちょっと似てるのかなって。

<「続けよう」じゃなくて「続いていく」がベストだった>

--ルーツと言えば、銀杏BOYZの中野サンプラザ公演にも足を運んでいましたね。

武瑠:行きました。銀杏BOYZは演奏力がバチバチに上がってる中での衝動を見せられたので、凄かったです。もちろん峯田さん(峯田和伸)は凄いんですけど、サポートのギターとドラムがむっちゃ巧いんですよ! しかも感情的で。だからバンドとしてハマりまくって。銀杏BOYZじゃないのに銀杏BOYZというか、峯田さんの熱量を生かすバンドとしてよりパワーアップしていた。とんでもなかったです。ベロシティの幅が凄かったし、もはや音楽だけど音楽じゃないものっていう感じ。あと、フェスでKREVAさんを観れたのも大きかったです。フェスで観たのは初めてだったんですけど、言ったらあの人が一番ジャンルを越えた戦い方をしていて、「あ、こういうことなんだろうな」って。KREVAさんはKREVAというものを貫き通した上であそこに参戦している。俺らが目指すべき形もそこなんだなって。SuGっていうものを徹底的に確立してそこに入っていかなくちゃいけない。だから多分すごく遠回りになるけど、その上であそこのステージに立ちたい。立たせてもらうんじゃなくて、オファーが来るようになるまでSuGを貫き通したいと思ってます。

--SuGを貫き通す。それで来年10周年を迎える訳ですが、武道館で終わるかもしれないというリスクと背中合わせでアニバーサリーイヤーを迎える。もうずっとスリリングな戦い方を続けてますよね? 言うならば、ずっと危うい。

武瑠:そうですね(笑)。でもそれは「続けよう」っていう意思がなかったからかもしれない。「続けよう」じゃなくて「続いていく」がベストだった。挑戦だけが続いていく。それを9年やってきたし、10年目以降もそれを続けていきたいと思っている。だから自然に挑戦していくことになる。もし「続けよう」だったらもっと賢いやり方をしていると思います。でも今のところSuGらしく在れてるし、10年目で最高にSuGらしい武道館を創りたいなって。

--武道館でのライブは出来そうなんですか?

武瑠:それはやります。やると言ったら絶対にやる。

--そこへ向けてのシナリオは出来てるんですか?

武瑠:日付が確定しないと何にも出来ないんですよ。逆算じゃないですか。日付によって何が出来るか全く変わってくるので、今はすごくソワソワしているところです。でも12月30日(金)豊洲PITでの【SuG VersuS 2016 EXTRA FINAL「COUNTDOWN」】はタイトルに「COUNTDOWN」って入れてるし、10周年への一歩を踏み出すカウントダウンになると思うので、そこでまず俺たちの想いを受け取ってもらいたいし、一緒に一歩を踏み出してもらえたらなって思ってます。

取材&テキスト:平賀哲雄

第3回へつづく

◎公演情報
【SuG VersuS 2016 EXTRA FINAL「COUNTDOWN」】
2016年12月30日(金)豊洲PIT
OPEN 16:15 START 17:00
チケット:全席指定5,940円(税込/ドリンク代別)※3歳以上有料
チケット一般発売日:11月27日(日)
ローソンチケット(Lコード:74863)0570-084-003
チケットぴあ(Pコード:310-065)0570-02-9999
イープラス http://bit.ly/2hySDQz

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