【スペースシャワー列伝 ~第132巻 祝唄の宴~】40周年迎える新宿LOFTにBentham/ポルカ/挫・人間ら個性的なアーティストが集結

2016年12月13日 / 12:05

 2016年12月9日、東京・新宿LOFTにて【スペースシャワー列伝 第132巻 ~祝唄(いわいうた)の宴~】が開催となり、当日のライヴレポートが届いた。

 新宿LOFTは長いスペシャ列伝の歴史のなかでも最も縁の深いライブハウスのひとつ。この日はメインアクトとして、挫・人間、ポルカドットスティングレイ、Benthamという今後のロックシーンを担う期待の3バンドに加えて、バーステージのスペシャルアクトとして、柴田隆浩 from 忘れらんねえよ、渋谷龍太・柳沢亮太from SUPER BEAVERが出演。それぞれが日本のロック史に長く貢献する老舗のライブハウスの偉業を讃え、最初から最後まで「おめでとう」の声が溢れる一夜となった。

 「ようこそ、交通事故みたいな挫・人間のライブへいらっしゃいました。どうせ、ポルカドットスティングレイとBenthamを見に来たんだろ!?」。初っ端から下川リオ(Vo・G)の自虐的なMCが炸裂した挫・人間の破天荒なライブからイベントはスタート。リーゼントヘアの夏目創太(B)とクラシックな
サングラスを着用したアベマコト(G)というメンバーのビジュアルもインパクト絶大な挫・人間。まず1曲目の「テクノ番長」で、演奏をせずに振り付けで盛り上げるというパフォーマンスが会場の意表を突いた。90年代サブカル文化への憧れを4つ打ちロックで捲し立てる「セルアウト禅問答」、地下アイドル的な世界観を全面に出してヲタ芸を打つ「☆君☆と☆メ☆タ☆モ☆る☆」など、タブーなしに切り込んでいく挫・人間のステージは慣れない人にはカルチャーショックすら起こしそうなレベル。ラストは、初恋の女の子の名前を連呼しながら、その想いを除霊するべく演説をぶちまけた「下川最強伝説」を絶叫しながら歌い、次のアクトへとつないだ。

 メインステージの2番手は福岡発の4人組ポルカドットスティングレイ。紅一点の女性ボーカル=雫(しずく)が率いる、わずか結成1年ほどのバンドだが、すでに来年2月に開催する東名阪ツアーのチケットは2分でソールドアウトしたという要注目バンドだ。この日はベースのウエムラユウキが負傷により、FoZZtoneの菅野信昭をサポートに迎えた編成。1曲目の「夜明けのオレンジ」を皮切りにリズム隊の黒いグルーヴと、変拍子を交えた手数の多いアンサンブル、ファルセットを駆使した妖艶なボーカルが聴き手を濃厚なポルカワールドへと惹きつけていく。疾走感溢れる「テレキャスター・ストライプ」、最新作『骨抜きE.P.』のリード曲でジャジーかつアダルトな「人魚」、雫がエモーショナルな歌唱を届けたバラード「心ここに在らず」まで、30分のステージでいくつもの表情を見せるクレバーな演出は新人離れしたもの。凛とした佇まいが鮮烈な印象を残したライブだった。

 メインステージで新人バンドがフレッシュなパフォーマンスを繰り広げるなか、バーステージではスペシャルなアコースティックライブが展開した。SUPER BEAVERの渋谷龍太(Vo)と柳沢亮太(G)によるステージでは、バンドの代表曲「人として」や「照明」などを、柳沢が弾くギターの伴奏にのせて、渋谷が揺るぎない信念をもって歌い上げた。渋谷の人間力で訴える歌の説得力は圧巻だ。MCではロフト40周年に触れて、「ひとつのものを40年続けることは難しい。生きることもそうだろ?」と、らしい言葉でお祝いの気持ちを伝えると、この日のために用意してきたというカバー曲「さよなら大好きな人」(花*花)と「夜空ノムコウ」(SMAP)を披露。フロアから湧き上がる手拍子に心底嬉しそうな表情を見せるふたりが、時間の許す限り、この時間を楽しもうという姿が印象的だった。

 同じくバーステージに出演した忘れらんねえよの柴田隆浩は、[Alexandros]のワタリドリのSEにのせて、フロア後方からお客さんに運ばれてステージに辿り着くと、1曲目は「北極星」。アコースティックギターをガシャガシャと掻き鳴らしながら届ける泥臭くて体当たりな柴田の歌は、決してスマートなかっこよさではないかもしれないが、一途でがむしゃらなバンドマンの矜持が詰まっている。ライブの始まりこそフロアの爆笑をさらった柴田だったが、「この高鳴りをなんと呼ぶ」を絞り出すように歌い終えたあとには、「登場シーンがあんなだったのに、エモい気持ちになってきました(笑)。それも良いでしょう。コントロールなんてできないよね」と言って、スリーカウントでラストソング「忘れらんねえよ」に突入。シンガロングを巻き起こすと、大ジャンプを決めてライブを締め括った。

 トリを飾ったのは、先日、恵比寿リキッドルームでのワンマンライブも成功させたばかりのBentham。「クレイジーガール」から幕を開けたライブは、いま着実に広がりを見せているバンドの進化をその場所に刻み付ける全開のステージだった。小関竜矢(Vo・G)が歌う痛快なハイトーンボイスを筆頭に、メンバー4人が強い個性を放つバンドサウンドがひとつの塊になってフロアに容赦なく投げかけられていく。スピーディなビートとポップなメロディが炸裂する「HEY!」や「TONIGHT」でフロアをこれでもかと踊らせながら、夢の途中で葛藤する自分自身を描いた「僕から君へ」では、バンドが抱くリアルな想いを丁寧に届けたBentham。アンコールでは、これまでに新宿ロフトに連ねる錚々たる出演者に触れて、「もう少し経ったときに“Benthamはこんなバンドと列伝に出てたんだ”と言われるように、がんばりたいです!」と、小関が熱く語りかけると、最後は夢へのひたむきな想いを綴った「アナログマン」で、およそ3時間におよぶ祝いの宴は大盛況のなか幕を閉じた。

 なお、この日の模様は2017年2月にスペースシャワーTVにてオンエアされる予定だ。

Text by 秦理絵
Photo by 依田純子


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