あらきゆうこの故郷・鳥取にオフィスオーガスタ所属のアーティストが集結

2015年10月5日 / 15:30

10月3日@「第11回海辺のまちの音楽祭一日限りの大復活祭with Augusta Camp Extra in 境港」 (okmusic UP's)

10月3日(土)、国内外のアーティストから絶大な信頼を得ているオフィスオーガスタ所属のドラマー・あらきゆうこの故郷である鳥取県境港市で、ライブイベント「第11回海辺のまちの音楽祭一日限りの大復活祭with Augusta Camp Extra in 境港」が開催された。

境港公共マリーナ 多目的広場で行なわれたこのイベントは、2014年に境港フィッシュ大使に就任したあらきゆうこが中心となり、歴史ある地元イベントとAugusta Campのコレボ―ションが実現した1日限りのスペシャルな音楽祭。あらきゆうこをはじめ、杏子、岡本定義 (COIL)、スキマスイッチ、竹原ピストル、松室政哉といった豪華なアーティストが一堂に会し、各々のステージはもちろんのこと、この日しか見ることのできないコラボレーションなど、スペシャルなステージを届けた。

開演時間を迎え、まずステージ上に現れたのは松室政哉。デビュー前の新人ながら多数のCMタイアップに起用され、2014年〜2015年と2年連続でAugusta Campのオープニングアクトを務めるなど、その活躍を目にした方も多いだろう。アコースティックギターを手に一人きりで「オレンジ」を弾き語った後、ステージ呼び込まれたのはあらきゆうこと常田真太郎(スキマスイッチ)。心なしか緊張した表情の松室。どうやら常田の参加は前日に急遽決まったらしく、後輩のやや強張った顔と先輩のしたり顔が入り混じったステージの雰囲気に観衆の顔も緩む。この3人で披露されたのは「すごい!鳥取市」CMソング(境港市なのに!)に起用された「写真少年の憂鬱」。あらきの優しく包み込むようなドラムと常田の繊細なピアノが松室の歌声と絡み合い、オープニングからこのイベントの大成功を予感させるような素晴らしいパフォーマンスとなった。そして先輩の愛ある洗礼を浴びた松室はホッとした表情でステージを後に。

続いてステージに登場したのは竹原ピストル。年間数百本ものライブをこなす中で磨き上げられた唯一無二のパフォーマンスは、一目見ればその魅力に誰もが取り憑かれてしまう。一曲目に披露されたのは「LIVE IN 和歌山」(鳥取なのに!)。歌唱とも語りとも言えるその圧倒的な歌力に観衆は息を飲み、次の瞬間、大きな歓声へと変わる。普段は弾き語りでのパフォーマンスが多い竹原だが、この日はバンドメンバーに鍵盤 高本信広、ウッドベース 黒田元浩、そしてドラム あらきゆうこを従え、更に厚みを増したステージを披露。楽曲の熱さとは対照的に人懐っこいMCも竹原の魅力だが、そんなMCの中でステージに呼び込まれた杏子と披露したのは「ドサ回り数え歌」。この曲は元々、竹原が自身のライブのSE(ライブ前の登場の際に流す楽曲)として使用するべく、歌唱を杏子に依頼したもの。故に生演奏で披露されるのは極めて珍しく、まさにこの日限りの特別なコラボレーションとなった。

ステージ上では楽器の転換が行なわれている。次々と準備される楽器やマイクに「次は誰だ?」と観衆がステージを見守る中、登場したのは杏子。そしてベーシストとして岡本定義 (COIL)、ドラマーとしてあらきゆうこ、間宮工(Gt)、磯貝サイモン(Key)も登場し、まさに境港スペシャルバンドだ。艶やかな衣装に身を包み、さぁ演奏スタート!…と思ったら更に呼び込まれるアーティスト達。スキマスイッチ、竹原ピストル、松室政哉を加えて、なんと一曲目から福耳「DANCE BABY DANCE」を披露。この日のために再考された歌い分けでオリジナルとはまた違ったカラーを見せた同曲(岡本定義:作詞作曲)に、改めて楽曲の素晴らしさを再認識させられることとなった。杏子や大橋の堂々としたステージングを横目に、竹原と松室が隣り合い、太陽に手を透かすようなポーズで手の平や甲に書いたカンペを凝視していたのもまた一興。

代表曲やカバー曲の演奏が続き、再度ステージに呼び込まれたのは大橋卓弥(スキマスイッチ)。そしておもむろに漆黒の衣装にチェンジする杏子(生着替え!)。「これはまさか…?」 と観衆の期待がステージ上に集まる。そう、あのBARBEE BOYSの名曲「目を閉じておいでよ」が杏子と大橋によるデュエットで再現されたのである。そんな熱狂の渦の中、立て続けに杏子の最新シングル「Flamingo Rose」が披露され、その圧倒的なステージングに満足感とも飢餓感とも言えぬような複雑な気持ちを抱えたままステージは後半戦へ…。

満を持して登場したポップマイスター・スキマスイッチ。つい最近まで第一線のミュージシャンを従えツアーを回っていた彼らだが、この日、ステージ上にいるサポートメンバーは一新されていた。佐藤大輔(Dr)、紺野光広(Ba)、太田貴之(Gt)、磯貝サイモン(Key)と言った次世代のミュージシャンをサポートに迎え、「ボクノート」や「Ah Yeah!!」など新旧のヒット曲を織り交ぜながら、まるで「俺たちはまだまだ進化を続ける!」と言わんばかりの圧倒的なパフォーマンスを披露。無論、会場のボルテージは最高潮に達し、観衆は食い入るようにステージを見つめながらタオルを振り上げ、時に叫び、時に笑い、時に泣き、五感をフル稼働させながら彼らのパフォーマンスを全身で受け止めた。この日も披露された名曲「星のうつわ」の中に、《〜こころからからだへ からだはこころへ〜》と言う一節があるが、まさに会場にいる全員の心と体が一つになったような感覚を覚えたままステージは終盤に向かう。彼らのライブの名物とも言えるコール&レスポンスで会場の熱気は更に急上昇フルテンとなり、畳み掛けるように披露された「全力少年」で境港の美しい空と海に観衆の大合唱が響き渡った。

鳴り止まない拍手の中、スキマスイッチの二人が再びステージへ。和やかなMCの中、静かに始まるイントロに息を呑む観衆。披露されたのはスキマスイッチの代表曲「奏(かなで)」。サポートメンバーを入れず、二人だけのシンプルな弾き語りで披露された同曲に、客席からは啜り泣く声も。だがこれだけでは終わらないのがAugusta Camp。間髪入れずステージに招き入れられたのは、このライブのホストでもあるドラマー“あらきゆうこ”だ。オフィスオーガスタに所属するアーティストで構成されるスペシャルユニット福耳の中で、スキマスイッチが作詞作曲、プロデュースを手がけた「惑星タイマー」が、あらきを迎えたスキマスイッチバージョンとして披露された。

いよいよクライマックス。ステージ上には全アーティストが招集され、Augusta Campの代名詞とも言える楽曲「星のかけらを探しに行こうAgain」が披露される。当時は杏子、山崎まさよし、スガ シカオによるユニットとして発足した「福耳」だが、今ではオフィスオーガスタに所属するアーティスト全てで構成される大所帯のユニットとなった。この日も杏子や大橋が先導しながら、竹原ピストルと松室政哉が寄り添いながら歌い、岡本定義(COIL)が優しい歌声を重ね、あらきゆうこや常田真太郎(スキマスイッチ)が楽曲に彩りを添え、各々が互いの息づかいを感じながら夕暮れの空に「星のかけら」を探すように同曲を奏でた。そして何よりも観衆の大合唱がこの楽曲を形作る最重要ポイントであることは言うまでもない。会場が一体となって鳴り響いいた「星のかけらを探しに行こうAgain」は、間違いなくこの会場にいた、そしてニコニコ生放送を視聴していた全ての方々にとって忘れられない人生の一ページになったことだろう。

一寸先もわからないような世の中ではあるが、遥か昔から音楽は私達のすぐ隣にあった。音楽が知らず知らずのうちに私達を導いてくれたこともあるだろう。今日という、人生で言えば一瞬かもしれないこの時間に、同じ場所に集まった人間が同じ音楽を共有し、そしてそれをまた違う誰かに伝えていく。「音楽」と言うもののあり方を体現してくれたアーティストと観衆、そしてそれを支えたスタッフに改めて感謝を述べたい。そんな風に思えた、とても素晴らしいライブだった。

photo by 田中良子

【セットリスト】
■松室政哉

01. オレンジ

02. 写真少年の憂鬱 withあらきゆうこ&常田真太郎(スキマスイッチ)

■竹原ピストル

03. LIVE IN 和歌山

04. 俺のアディダス

05. わたしのしごと

06. ちぇっく!

07. たった二種類の金魚鉢

08. STAY FREE!!

09. ドサ回り数え歌 with 杏子

■杏子+岡本定義(COIL)+あらきゆうこ

10. DANCE BABY DANCE withスキマスイッチ、竹原ピストル、松室政哉

11. DISTANCIA~この胸の約束~

12. Endless Summer Rain

13. 春よ、来い(カバー)

14. Sonnet #9

15. ミュージック(COIL)

16. 目を閉じておいでよ with 大橋卓弥(スキマスイッチ)

17. 幕末wasshoi

18. Flamingo Rose

■スキマスイッチ

19. ボクノート

20. ユリーカ

21. Ah Yeah!!

22. 星のうつわ

23. ガラナ

24. SL9

25. 全力少年

〜Encore〜

■スキマスイッチ

26. 奏(かなで) ※スキマスイッチ弾き語り

27. 惑星タイマー with あらきゆうこ

■ALL CAST

28. 星のかけらを探しに行こうAgain


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