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【2.5次元インタビュー】舞台『モブサイコ100』~裏対裏~ 伊藤節生 もし超能力が手に入るなら「自分を甘やかしてくれるすべての力がほしい(笑)」

 恋や人生に悩むどこにでもいる中2男子だが、特別な力=超能力を持っている影山茂夫、通称“モブ”が巻き起こす、笑いと涙と驚きと、闘いの日々を描いた舞台『モブサイコ100』が帰ってきた。~裏対裏~というサブタイトルを引っさげた本作では、どのようなストーリーが描かれるのか。前作に続き主人公・モブ役を演じる伊藤節生に話を聞いた。

影山茂夫役の伊藤節生

-漫画を原作にし、アニメ化もされたこの物語の舞台化が発表されたとき、ファンの方を中心に大きな話題となりましたが、伊藤さんもその空気を感じていましたか。

 ざわざわしていましたね(笑)。僕が感じていたのは原作のファンの方々が、自分たちの好きなこの漫画が一体どのような舞台になるんだろう、色合いや雰囲気はどのぐらい原作とマッチしているんだろう、っていう期待と不安が入り混じっていたように思います。僕自身も最初は同じ気持ちでした。アニメ版のモブくんの声を担当していたこともあったので、僕の中の『モブサイコ100』はかなり確立していたんです。でも舞台の稽古が始まると、ああこのキャラはこういう解釈もありなんだ、と感じることが増えました。

-前作の上演時、稽古も含めて記憶に残った出来事があれば教えてください。

 本番の初日の最初の登場時に、自分の手をかざすシーンで、自分でも驚くほどガタガタ震えていたんです。自分が緊張しいなのは自覚があったのですが、その自覚を超えるぐらい緊張していました。

-声のお仕事はずっとしていらっしゃいましたが、全身でお芝居をする仕事は初めてだったそうですね。両者のギャップをどのように感じていましたか。

 あまり大変だったとか、そういうイメージはなかったんですが、傾斜のついたステージだったので、いつの間にか体に疲労がたまっていく、そういう苦労はありましたけど(笑)。でも作品の内容が内容なので、やりながら楽しんでいました。みんなもそうだったんじゃないかな?

-続編の上演が決まったときの感想は?

 率直にうれしかったです。前回の終わり方が気になる形だったので、続編をやるなら「あのキャラクターは? あの頭は? どうなっちゃうの?」っていろいろ想像がたくさん浮かんでくるので、今は早く稽古をしたいし、みんなと早く会いたいと思っていました。

-続編は、前作からどのぐらい変わっていますか?

 結構変わります(笑)。ストーリーに重きを置いて、一言で言うと“シリアス寄り”になっています。でも前回と変わらないところもあるので、そういう場面になるとなんとなくホッとします。前作で楽しんでいただいた方にはもっと楽しんでいただけると思いますし、もちろん今回初めて見る方にも面白く感じていただける、と断言できます!

-本作で、伊藤さんが前作以上にもっとやり込んでみたいと思っていることはありますか。

 モブくんは前作では、多少は動いたんですよ。吹き飛ばされていたり。そういうところをモブくんなりにもっと“見せる”動きにしたいです。前作より間違いなく続編ではもっと動くことになりますが、いかんせんモブくんなので、あまりカッコよく動く、というのはいけないんですが、それでもモブくんなりのカッコよさを体で表現することができたらなあと思います。

-脚本・演出の川尻恵太さんから、役作りについて何かアドバイスはありましたか。

 「モブくんはマイペースだから、僕のペースを保ってほしい。周りに引っ張られても周りのペースにつられず、モブくんはモブくんのペースを守ってほしい」とおっしゃっていました。今回再び僕がモブくんを演じることで、前作よりはもっと落ち着いて演じることができると思いますし、それがモブくんそのものの成長にも見えるかもしれません。

-もし、モブくんのような超能力が手に入るなら、伊藤さんはどんな力が欲しいですか。

 以前はベッドから一歩も動かずに食事が飛んできて、また勝手に食器が台所に戻って洗浄されるとか、どこでもドアのようなもので、すぐ仕事場に行ける力が…って考えたんですが、今はそれを超越して、僕を甘やかしてくれる全ての力が欲しいです(笑)。基本的に楽できるならとことん楽したいタイプ。もちろん役者はしたいんですが(笑)。

(取材・文・写真/小村咲希)

(C)ONE・小学館/舞台『モブサイコ100』製作委員会

 舞台『モブサイコ100』~裏対裏~は、9月13日~17日、都内・天王洲 銀河劇場、9月20日~23日に新神戸オリエンタル劇場で上演。