尾上松也「金田一耕助を演じる喜びがふつふつと」奥智哉「今の時代にふさわしい作品に」名作ミステリー映画で共演『八つ墓村』【インタビュー】

2026年9月18日 / 18:30

©2026「八つ墓村」製作委員会 ©Yokomizo Seishi/KADOKAWA

-お二人は今回が初共演だそうですが、そういう金田一と辰弥の関係をどのように作っていったのでしょうか。

松也 僕のクランクインが、ロケ地の岡山でちょうど奥さんや堀田(真由/森美也子役)さんと3人のシーンでしたので、初日の撮影が終わった後にみんなで食事に行きました。そこで楽しく過ごしたおかげで、グッと距離が縮まりました。撮影が休みの日は、一緒に倉敷観光に出掛けたりもして。しかも、食事は同じお店に何度か通ったのですが、気づいたら奥さんは、そのお店のご主人と大の仲良しになっていて(笑)。

奥 地元の皆さんに、とても親切にしていただきました。

松也 奥さんは、社交的だよね。地元の方にものすごくなじんでいましたし。

-劇中では、主要な舞台となる田治見家の屋敷や鍾乳洞などが不気味な雰囲気を盛り上げ、岡山ロケの効果が存分に発揮されていますね。

松也 とても雰囲気のある場所で、お芝居の上でも非常に助けられました。歴代の『八つ墓村』も同じ場所で撮影されてきたとのことで、その余韻のようなものを感じました。

奥 田治見家として使わせていただいたお屋敷自体が歴史ある建物だと伺っていたので、今までの「八つ墓村」の歴史も重なり、あの場所で撮影できることは、すごくありがたかったです。屋敷の内部は京都の撮影所のセットですが、先に岡山でその雰囲気を感じていたおかげで、お芝居もやりやすかったです。

-そうやって完成した映画をご覧になった感想はいかがでしたか。

松也 自分で言うのもなんですが、ラストまで本当にあっという間でした。それがうれしかったです。一瞬もトーンダウンするところがなく、終始面白くて。それは、清水監督やスタッフの皆さん、共演者の皆さんが一丸となって取り組んだ成果で、改めてこの作品に関われたことをうれしく思いました。

奥 僕にとって、撮影の3カ月間は極上の時間で、映画を見ながら、そのときのことを思い出していました。松也さんをはじめ、堀田さんや滝藤(賢一/田治見久弥・要蔵の二役)さん、高島礼子(田治見小竹・小梅の二役)さんなど、毎日色々な先輩方とお芝居できたことが、本当に楽しくて。20歳(撮影当時)で、こんなに素晴らしい俳優の皆さんとお芝居できる機会はなかなかありません。幸せな3カ月で、まるで自分が皆さんを独り占めしたような気分でした(笑)。

-本作を経験して、繰り返し映像化される『八つ墓村』の人気の理由をどのように感じましたか。

松也 普段は、自分とは縁遠く感じている根源的な恐怖を身近に感じられるところが、多くの方を引き付ける理由ではないでしょうか。物語自体はフィクションですが、実在の事件をヒントにしている分、説得力もあります。家族間の問題や集団心理の恐ろしさなども、この作品ではエンターテインメントとして派手に描いているだけで、誰もがどこか思い当たる怖さがある。その絶妙なあんばいが、大きな魅力だと思います。

奥 僕も渥美清さんが金田一を演じられた野村芳太郎監督の『八つ墓村』(77)を拝見しましたが、それがあの時代にふさわしい作品であることに気づき、常にその時代に合った「八つ墓村」が作られてきたことを知りました。今回の『八つ墓村』も、SNS全盛の現代に通じる人の怖さが描かれています。そんなふうに、それぞれの時代に合わせて映像化できることが、長年愛されてきた理由ではないでしょうか。これからもきっと、時代に合わせた『八つ墓村』が生まれていくに違いありません。

(取材・文・写真/井上健一)

尾上松也(左)、奥智哉

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