見上愛「樹里ちゃんは周りを安心させる空気感を持っている」上坂樹里「愛さんが私を直美にしてくれました」主演の2人が撮影を振り返る【連続テレビ小説「風、薫る」インタビュー】

2026年9月17日 / 17:00

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「風、薫る」。田中ひかるの著書『明治のナイチンゲール 大関和物語』を原案に、明治時代、当時まだ知られていなかった看護の世界に飛び込んだ一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)という2人のナースの冒険物語だ。半年にわたって視聴者を魅了してきた物語はまもなくクライマックスを迎えるが、1年に及ぶ撮影を終えたりん役の見上愛と直美役の上坂樹里が、一足先に撮影の舞台裏や今の心境を語ってくれた。

(C)NHK

-長期間にわたる撮影を2人で乗り切った今のお気持ちをお聞かせください。

見上 自分1人ではなく、同じものを背負っている樹里ちゃんが横にいてくれたことが、1年間の撮影を走り抜ける上で本当にありがたかったです。

上坂 私は一人暮らしをしているのですが、ずっと2人で撮影してきた分、クランクアップした今は家に1人でいる時間が長く、愛さんも含め、誰かが隣にいてくれることの大切さを知りました。改めて1年間、隣にいてくださって心強かったです。

見上 りんと直美も、片方に何かあれば、常にもう片方が手を差し伸べ、引き上げてくれるんですよね。1人では成長に限界があっても、2人だからこそ前に進む力を得ることができる。そうやって血がつながっていない2人の主人公が同じ速度で成長していく点が、今までにない朝ドラになったのではないかと思います。

上坂 直美とりんも、同じ問題を一緒に悩むときもあれば、それぞれの悩みにもう1人が一緒に向き合ってくれることもあります。たとえば、直美の場合は母親の文(内田慈)さんや夫の吾郎(甲斐翔真)さんのことだったり、りんの場合はシマケン(島田健次郎/佐野晶哉)さんのことだったり…。そうやって、1人で生きていたら触れることのできない部分にお互いが触れ合い、相手の人生に入り込んでくれる。そういう存在がいることで、人生が豊かになることを私自身も強く実感しました。

見上 私自身の人生を振り返ってみても、学生時代の同級生や幼なじみは、ずっと手をつないで歩いていなくとも、いざというときは手を差し伸べてくれるんですよね。そういう人たちの大切さを思い出すことができました。

-劇中ではりんと直美のバディ感をお二人が魅力的に表現されていました。本作が初対面だったお二人の関係は、撮影を通じてどのように深まっていったのでしょうか。

見上 特別なことはしていませんが、日々の積み重ねの中で信頼関係が芽生え、お互いに何を考えているのか、テレパシーのようになんとなく分かるようになっていきました。会っていない時間も含め、自然と自分よりも相手のことを考えるようになっていって。それはすごく幸せなことで、同じ人と一緒に1年も撮影を続けた経験がなかったので、今までにない不思議な感覚になりました。

上坂 休日、買い物に行ったとき、「これ、愛さんが好きそうだな」などと、自然に考えるようになっていきました。愛さんも、週末の休みが明けると、買ってきたお菓子をくださったりして。そういうやりとりが当たり前になっていったことが、関係を深める上では一番大きかったと思います。

見上 きっと、りんと直美も同じだったと思います。りんが娘の環を直美に任せて新潟に単身赴任したこともありましたし、2人はずっと一緒にいたわけではありません。でも、それぞれ違う場所で頑張っているけれど、どこかでお互いのことを思い合い、なんとなく相手の思考が分かるようになっていった。そんな2人の関係に私たちも近いものがあったと思います。

上坂 その点は全く同感です。

見上 …となるくらい、距離が縮まりました(笑)。

-撮影期間の1年にわたって共演したお互いの印象はいかがでしたか。

見上 樹里ちゃんは、すごく大らかで、周りを安心させる空気感を持っているんです。どんなに現場が大変なときも、愚痴を言っているのを聞いたことがありません。そういう樹里ちゃんに、現場の皆さんも助けられたと思います。

上坂 ありがとうございます。私も愛さんをリスペクトしているところはたくさんあります。自分が一番大変なときも、現場を明るく引っ張ってくださって…。「風、薫る」の現場の明るさは、毎日先頭に立って照らしてくださった愛さんのおかげです。

見上 お芝居の話をすると、樹里ちゃんはものすごく感受性豊かで、相手のお芝居を受けて、直美を柔軟に演じている印象がありました。だからきっと、自分でも想像しなかったところにまで直美が広がっていく感覚もあったんじゃないかなと。そこから生まれる化学反応が、作品を作っていく上でもプラスになりましたし、台本からは想像もしなかった直美の表情や感情を一番近くで見られたことは幸せでした。

上坂 それを引き出してくださったのは、愛さんやほかのキャストの皆さんの力です。愛さんは、リハーサルのときから、りんのあり方について監督と細かく相談されていたのが印象的で。そういう愛さんが、現場でりんに切り替わる瞬間が、私を直美にしてくれました。最後まで一緒に走り切ることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。

(C)NHK

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

堤真一「自分なりの演じ方」で描き出す 濵田崇裕、ローマは「僕が出会ったことがない人間」 「グレンギャリー・グレンロス」で初共演【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月10日

 堤真一と濵田崇裕が初共演にしてダブル主演を務める、Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.17「グレンギャリー・グレンロス」が、11月6日から上演される。本作は、1983年 … 続きを読む

戸田菜穂「スッとあの時代に入っていけるような空気がありました」名作漫画の実写映画化で、昭和の母を好演『遥かな町へ』【インタビュー】

映画2026年10月9日

 10月9日から全国公開となる『遥かな町へ』は、「孤独のグルメ」「神々の山嶺」で知られる漫画家・谷口ジローの名作を実写映画化した作品だ。  建築デザイナーとして活躍する48歳の中原博史(大谷亮平)が、故郷・鳥取県の倉吉で母親の墓参りを済ませ … 続きを読む

【映画コラム】9月の公開映画から

映画2026年10月8日

「バックルームズ」(9月4日公開)★★★ 出口のない迷宮が生む恐怖  “あるはずのない隙間”から、黄色い壁に囲まれ蛍光灯に照らされた迷宮のような空間へ迷い込んだ男(キウェテル・イジョフォー)が、出口を求めてさまよう。インターネット発の都市伝 … 続きを読む

伊原六花「七五三掛さんが一緒で心強い」七五三掛龍也「伊原さんはオールマイティーな方」痛快リベンジ・エンターテインメントで共演「小麦とバターと復讐と」【インタビュー】

ドラマ2026年10月7日

 10月7日(水)よる11時からカンテレ・フジテレビ系全国ネット「水ドラ★イレブン」枠で、新ドラマ「小麦とバターと復讐と」がスタートする。  夫と助手に裏切られ、命を落としたパン職人の野崎ミチルが、2年前にタイムリープし、過去をやり直しなが … 続きを読む

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 大腸がんによって24歳で他界した遠藤和(のどか)さんが亡くなる10日前までつづり続けた手記を映画化した『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、10月2日から全国公開される。本作で、主人公の和と夫の将一を演じた、川口春奈と高杉真 … 続きを読む

page top