パク・ジョンミン「一人二役は想像以上に大変でした」韓国のヒットメーカーが「ガス人間」に続いて送り出すサスペンス・ミステリーで熱演『顔 -かお-』【インタビュー】

2026年8月28日 / 13:00

ヨン・サンホ監督(左)とパク・ジョンミン ⓒ 2025 WOWPOINT, ALL RIGHTS RESERVED.

-劇中ではそんなご苦労を感じさせない名演でした。

 実は、最初にオファーをいただいたのは、ドンファン役だけだったんです。でも、脚本が面白かったためについ欲が出てしまい、僕の方から「ぜひヨンギュもやらせてください!」とヨン監督にお願いしたんです。でも、やってみると一人二役は想像以上に大変で、ちょっと後悔しました(苦笑)。

-ところで本作では、母の死の真相を探るドンファンが、行く先々で「母は醜い顔だった」との証言を耳にする様子を通して、「外見に対する偏見」の残酷さが描かれています。この作品を通して、その点について改めて考えたことはありますか。

 人間に備わっている悪しき習性の一つが「偏見」です。中でも、それが端的に表れるのが、「外見に対する偏見」ではないでしょうか。人は誰しも、それぞれの事情を抱えて生きています。だから、目に見える部分だけで判断してはいけないと分かっていても、つい外見で判断してしまう。そんな自分が嫌になる一方で、自分自身を見つめ直せたことはよかったのでは…などと、僕自身も撮影中、考えが頭の中でぐるぐると巡っていました。そんなふうに、人間の「偏見」について、かみしめるように考えさせる作品であり、ある意味、私にそういうことを考える機会をくれた贈り物のような気もしています。

-本作のヨン・サンホ監督は韓国屈指のヒットメーカーで、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)やエグゼクティブプロデューサーと脚本を務めたNetflixの「ガス人間」は日本でも大きな話題になりました。ヨン監督の作品の魅力を、どのように捉えていますか。

 ヨン監督の作品には毎回、社会に問いかける大切なメッセージが込められているのが特徴です。しかも、それを声高に訴えるのではなく、巧みにストーリーに織り込んで伝えるんです。だから、観客は作品の世界観にどっぷりと浸りながら、いつの間にかそのメッセージを受け取っている。そんなふうに、ヨン監督は伝えたいことが明確で、それを面白い作品に仕上げることがとても上手な方です。一言で言えば、「天性のストーリーテラー」といったところでしょうか。

-きっと『新感染 ファイナル・エクスプレス』や「ガス人間」をご覧になった日本の観客も、ヨン作品の魅力に気づいているはずです。それでは最後に、本作の公開を待つ日本の観客へメッセージをお願いします。

 この作品は、韓国でも予想以上に観客の皆さんに受け入れられ、とてもいい結果を残すことができました。それはきっとこの映画が、観た後に「ああでもない」、「こうでもない」と話し合いたくなるからではないでしょうか。日本の方々にもぜひご覧いただき、皆さんで話し合っていただけたらうれしいです。

(取材・文/井上健一)

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