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舞台「Endless SHOCK」囲み取材(2月4日)詳報

 舞台「Endless SHOCK」の公開稽古が4日、都内の帝国劇場で行われ、終了後、出演する堂本光一、屋良朝幸、石川直、前田美波里が会見に応じた。詳細は以下の通り。

――いよいよ「SHOCK」の季節がやってきましたね。

堂本 ついこの間千秋楽を迎えたばっかりのような気もするんですけれども、でもまたこうしてステージに立ててうれしいです。

――ことしの「SHOCK」は、今までとガラッと変わった印象がありますね。

堂本 そうですね、屋良っちは再び帰ってきてくれたという感じなんですけど、(石川)直さんはもうずっとお世話になっていて、そして前田美波里さんに今回初めて出演していただいて、今までとはすごく雰囲気が変わりましたね。

――美波里さんとの共演はどうですか?

堂本 もう、稽古初日から台本を持たれていないんですよ。なんかちょっと、逆にびびっちゃいました。やべえな、ちゃんとやんなきゃなと。稽古場から空気を締めていただいて、なおかついろんな刺激を、一緒にせりふをやりとりしているだけで刺激を頂けるんですね。カンパニーにとってすごくいい風を運んでくれているなと感じます。

――前田さんは「SHOCK」をご覧になったことは?

前田 ございます。皆さんの足を引っ張らないように稽古場から一生懸命、年ですからね、頑張って覚えて入ったんですが、光一くんの魅力に完全に圧倒されちゃいまして。私、今もう光一大ファンです。
堂本 ははは。ありがとうございます。
前田 この作品、思うんですが、スタッフも出演者も光一さんを心から愛して、心を一つにして一つのショーをつくっている。気持ちがいいですし、こういうショーの仕事をずっとしてきた私にとっては、素晴らしい、いい役を頂戴したと思っております。

――光一さんとの共演はいかがですか?

前田 今も話しましたように、魅力的ですね。

――どの辺りが?

前田 もうすべてですよ! 歌って踊ってお芝居して、全部百パーセント。お稽古の最中から間違えることがないんですよ。私なんかいつも間違えるんですけど、本当にパーフェクトなんですよ。
堂本 とんでもないです、とんでもないです。全然そんなことないんですよ。
前田 心配りのすごい方で。一人一人に。
堂本 それは美波里さんです!

――初日幕が開くと、また新たな刺激があると思いますが?

堂本 早くお客さまの前でやりたいですね。いつもいつも思うんですけど、稽古で百パーセントやっていても、最後のピースをはめていただけるのはお客さまなので、その感覚を早く味わいたいなと思います。

――ことしは大きく変わった部分があるだけに、最後のピースのはまり方が気になりますね。

堂本 (振り付け師の)トラヴィス(・ペイン氏)が日本に来てくれて、5日間という短い期間ではあったんですけど、その中で本当に集中して、みんなもう倒れるぐらいずっと踊り続けたという感じだったんです。トラヴィスは、技量ももちろんですが精神面でも、倒れるぐらいやったときに放つエネルギーみたいなものを求めてくるので。新メンバーが多いんですが、それをトラヴィスが一つにまとめてくれたなと。

――石川さんとの場面も、今までと大きく変わっていますよね?

堂本 太鼓だけで踊りたいっていう僕の思い付きだったんですが、どういう太鼓を演奏していただいたらいいのかなというのは、もう直さんに任せっきり。
石川 そうですね、(トラヴィスの)振り付けを見てるだけですごい刺激になるんで。あの世界観に歩み寄りながら、トラディショナルな部分も。

――トラヴィスとの会話で、一番印象的だったことは?

堂本 いろんなことを言われましたよ。一番印象に残っているのは、「SHOCK」って…10…何年目だ? 12年目ですか? 僕も分からなくなるぐらい長いことやらせていただいてますが、常に新しい気持ちで、新しいことにトライしていくっていうのはマイケル・ジャクソンも同じだったよ、と。だから光一は同じ気持ちでやってるんだねって言ってくれたんですね。僕はもう、言葉を失うぐらいうれしかったです。マイケル・ジャクソンは、例えば「スリラー」が「ゴースト」になったりするけど、同じような設定の中でもどんどん進化し続けたんだ、それを光一も体現しているねって言ってくれたのは、すごくうれしかったです。

――トラヴィスさんが振り付けをしたのは、具体的にどんなシーンですか?

堂本 まず2幕始めの、僕が死の世界と生きている世界をさまよっているシーンなんですけど、これはもうトラヴィスが得意とするシーンだと思うので、トラヴィスの色の強い振り付けになっています。また、その2幕最後の方にやる、夢に幻と書いて「夢幻」というタイトルなんですけど、そのシーンは和の要素をトラヴィスに振りを付けてもらったらすごく面白いものになるんじゃないかなと思って、ちょっと無理やり振ってみたら快く受けてくださったんで。和の要素を外国の人にやってもらったら面白いなと、僕は漠然とだけ思ったんですけど、だけどそれを、毎回毎回トラヴィスはそうなんですけど、自分の想像していた以上のものを返してくれる。だから今回も、僕らがトラヴィスから頂いたものをステージからお客さまに放つのが、楽しみでしょうがないです。ただ、身体的にはすごく厳しいですね。

――すいぶん腕が太くなられたような?

堂本 腕が太くなったかどうかは分からないですけど、本当にやばい!っていうぐらい踊りましたね。

――ちなみに初日の体重は?

堂本 今たぶん58(キロ)ぐらいあると思います。なるべく減らないように頑張ります。

――屋良さん、「SHOCK」は何年ぶりですか?

屋良 3年ぶりですかね。

――和洋折衷の新しいダンスが取り込まれていますが?

屋良 タップにも挑戦させていただいて、それは光一くんから「屋良っち、タップなんかどうかな?」って。
堂本 ははは、言う方は楽ですよね。
屋良 正直言ったら、タップもうまいと思われちゃってるけど、あんまりうまくないんです。
堂本 はははは。
屋良 必死で。そうやって新しい挑戦をさせてくれるのはいいと思うし、自分の幅も広がるなと思いました。

――トラヴィスさんの稽古の中で特にきついと感じたのは?

堂本 なんだろう…? 稽古のときから内側から出てくるエネルギーを爆発させる、「もっと出せ、もっともっと思い切れ!」っていうふうに言ってくるんですね。それが、本当に気持ちで踊らないといけない、まあ当然のことだと思うんですけど、あらためてそれを注文されるのが、終わった後は、ふっと魂が抜けるような感じはありますね。

――昨日、歌舞伎の市川團十郎さんがお亡くなりになりました。

堂本 團十郎さんとはお会いしたことはないんですが、舞台人として偉大な方が亡くなられたのは残念だと思います。こうして僕は舞台に立てる喜びや感謝を胸に、偉大な先輩方に恥じぬよう、自分としても取り組んでいきたいなと思います。

――森光子さんも亡くなられて…。

堂本 そうですね、森さんは今回1000回を迎える公演なので行きたいとおっしゃってくださっていたそうなんですね。森さんから頂いたたくさんの言葉を胸に、それを力に替えてお客さまに届けたいなと思います。

――1000回目の舞台は3月になりますね。

堂本 1000回と今自分も言いましたけど、自分にとっては毎公演、その一公演が勝負だと思っていますので、力を毎回毎回出し切っていきたいなと。気持ちの上では楽って言ったら変なんですけど、美波里さんも支えてくださいますし。直さんも温かい目で見守ってくれて、僕らがちょっとミスっても合わせてくださる。屋良っちも「あそこの振り、何だっけ?」って聞いたらすぐに教えてくれますし。
屋良 いつでも教えます。
堂本 ははは。スタッフの方々がいつも完璧にこなしてくださいますんで、僕は自分のやることに集中してやるだけだという。それで自然とみんなが一つになっていければいいなと思うので、本当にすてきなカンパニーだなと思います。

――ことしはさらに進化を期待してよろしいですね?

堂本 そうですね、より分かりやすくなったと思います。美波里さんのお力もすごく大きいと思うし。そして直さんの太鼓で踊って、その振り付けはトラヴィス、と、いろんな方々の力が融合された、進化した「SHOCK」になってるんじゃないかなと思います。

――これから東京、博多、大阪と公演が続きますが?

堂本 来てくださる方々に、毎回最高のものを届けられるよう取り組んでいきたいと思っておりますので、ぜひ進化した「SHOCK」に期待していただければと思います。

――仲間入りされた美波里さんもひと言。

前田 記念すべき公演に参加できたことだけで私も幸せです。ファンの皆さん、ことしの光一さんを見てください。また新たな魅力を見せてくれると思います。お楽しみに。

――トラヴィスさんのダンスで、特にここは!という部分は?

堂本 難しい質問ですね、いっぱいありますよ。トラヴィスもミュージカルのストーリーに沿ったものを、とすごく気にしてくださるんで。振り付けにストーリーを盛り込んでくれるんですね。例えば2幕の初めのところだと、そこは死の世界をさまよっているシーンなので、こうやって自分で自分の首を絞めるような振りがあったりする。ただ踊っているだけじゃなくて、そこには意味があったりとか。あとはトラヴィスの思う和の要素…。なんだろうな、(屋良に)どこだと思う?
屋良 え?(両手を前に出し)ここじゃない? 俺の感じだと。マニアックだけど。
堂本 はっは。いろんなところがあるんですけど、全部だと思います。
屋良 あるんですよ、こういう振りが! 見れば分かります。
前田 その5日間の稽古の間、私はお休みでした。久々に皆さんにお会いしたら、一回り痩せてました。それほどすごいお稽古を。

――一日に何時間くらい稽古されたんですか。

堂本 そうですね、7、8時間。踊るときはとにかく全力で。もう踊りっぱなしです。

――光一さんからも意見を言われたり?

堂本 さっきも言ったように、トラヴィスはストーリーを気にしてくれているので、どういうふうにしたいんだと聞いてくれます。そこでは太鼓をたたきたい、ここではフライングしたい、ここではカンパニー全員がそろいたいということはオーダーはしてますけど、あと細かい振り付けに関しては、トラヴィスが思うものを。

 

 舞台は3月31日まで東京・帝国劇場で、4月8日から30日まで福岡・博多座で公演。大阪公演は9月上演。