エンターテインメント・ウェブマガジン
ライヴが終わって、家に帰ってきて、まだ身体が“幸せ”に包まれている。演奏された曲を部屋でもう1度聴き直してみたら、また心が躍る気分になる。本当にハッピーで、楽しいコンサート。そんな生の演奏の醍醐味を存分に感じさせてくれたのが、今回のトム・トム・クラブだった。
今までの僕の最高のトム・トム・クラブ体験は、トーキング・ヘッズの84年のコンサート映画『ストップ・メイキング・センス』の中で演奏される「ジニアス・オブ・ラヴ」だった。トム・トム・クラブの初期のアルバムは80年代初頭のニューヨークらしいクールな空気に包まれているが、『ストップ・メイキング・センス』での演奏は違う。もっと躍動的で、もっとハッピー。あの感覚が75分に渡って繰り広げられたのが、今回のビルボードライブ東京公演だと言っていい。
ティナ・ウェイマスとクリス・フランツの夫妻に加えて、ふたりの息子であるDJのロビン、ティナの妹でサイド・シンガーのヴィクトリア・クランプ、ギター、キーボード兼パーカッションの計6人がステージに立つ。序盤の「ザ・マン・ウィズ・ザ・4・ウェイ・ヒップス」ではスクラッチを入れるDJが大活躍をして、トム・トム・クラブがヒップホップのサンプリング・ソースとして重宝されたことを思い出させる。中盤では最新作の『ダウンタウン・ロッカーズ』から3曲が歌われ、そのタイトル曲ではトーキング・ヘッズがデビューしたニューヨークのクラブ、CBGBへの愛情がたっぷりと表現される。終盤の「ジニアス・オブ・ラヴ」と「ワーディー・ラッピングフッド」は、文句なしのパーティー・ロックだ。
そして、オーディエンスのささやかな期待に満面の笑みで応えてくれるかのような、アンコールの2曲が圧巻だった。アル・グリーンの、いや、トーキング・ヘッズの「テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァー」と、同じくトーキング・ヘッズの「サイコ・キラー」。後者ではプラスチックスの中西俊夫もギターを手にしてステージに上がり、ティナとクリスの東京への帰還を祝福する。
ソウルもラテンも身体に染み込んだニューヨーカーによる、ダウンタウン・ロッカーズ。まさにそれがトム・トム・クラブであり、ティナとクリスがニューヨークで果たした役割はモータウンのファンク・ブラザーズにも匹敵する。そんなことを痛感させられる夜になった。
Text:宮子和眞
Photo:成瀬正規
◎ライブ情報
日時:2013年5月20日(月)~21日(火)
会場:ビルボードライブ東京
http://www.billboard-live.com
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