“ずっと触れていたい声”櫛引彩香 思い出の場所で名曲カバー

2013年3月29日 / 21:00

 2011年“ヒダカトオルとフェッドミュージック/キュビズモ・グラフィコと櫛引彩香”名義のスプリットシングルでも注目を集めた“ビッキー”こと櫛引彩香。3月26日 思い出の場所でライブを行った。

<デビュー日にライブをした場所で、名曲の数々を>

 紛う事なき良質なポップミュージックをテンピュールのようなずっと触れていたい声で歌い、温かい音楽を好むリスナーやミュージシャンから10年以上にわたって支持されている彼女が、その始まりの地とも言える青山CAYのイベントに出演。オリジナル曲はもちろん、最新アルバム『Day & Midnight』収録曲などのカバーを中心に、盟友 松田chabe岳二(CUBISMO GRAFICO/NEIL&IRAIZA)と名曲の数々(ルイ・アームストロング「この素晴らしき世界」、タイマーズ「デイドリームビリーバー」、ジョニ・ミッチェル「ビッグ・イエロー・タクシー」等)を柔らかい声で届けた。

 また、MCでも「私、99年9月8日にデビューしたんですけど、その日にここで歌った思い出があって」と振り返ったり、ステージからカシスソーダを注文してみたりと、アットホームなムードを一貫。最後は、共演者の石川道久セッションと豪華コラボレーションを繰り広げ、観客を心地良く酔わせた。

◎櫛引彩香インタビュー

--お馴染みのパートナー 松田chabe岳二と、思い出の場所でライブ。いかがでしたか?
櫛引彩香:ちゃーべさんはデビュー前にバイトしてた場所も一緒でしたし、一番長い付き合いのミュージシャンなので、そんなちゃーべさんと、デビュー日にライブをしたという思い出のCAYでライブが出来て、なんだか原点に戻れたような、そんな感じでした。

--その2人に古川太一さんを加えた櫛引彩香トリオ。カバーアルバム『Day & Midnight』が絶賛発売中ですけど、今回こうした形態の作品を制作、発表することになった経緯を教えて下さい。
櫛引彩香:2011年に『AOR』というアルバムを作ったのですが、その時にちゃーべさん、タイチくんにアレンジをお願いしたのがきっかけで、発売後のツアーでも3人で回ろうという話に繋がっていきました。ツアーの時の演奏曲は、オリジナルに交えてカバー曲も多かったのですが、オリジナルとカバーに変な違い無く自然な感じで聴ける、というお客さんの意見とかもあり、カバーアルバムは櫛引名義では作った事が無いし、一人では絶対やらないことをトリオではやりたかったので、3人でカバーアルバムを作る、ということになりました。

--自身では仕上がりにどんな印象や感想を?
櫛引彩香:選曲はとても渋くておもしろい感じになったと思います。「キミとボク」(鈴木蘭々)も、歌ってみたかった曲なので、今回MVまで撮れて良かったと思います。カバーですが、3人のオリジナル、みたいな感じになるといいなぁ、と思いながら作りました。

--「空」「Flavor Magic」のセルフカバーも収録されていますが、この2曲をチョイスしたのは?
櫛引彩香:なるべく、自分で弾き語りできる曲を選びました。「空」も、「Flavor~」も、自分のピアノをベースに録音して、ちゃーべさんにアレンジをしてもらいました。自分の曲を、また改めて色々聴いてみた時にまた歌いたくなった曲、それがこの2曲でした。

--『Day & Midnight』、どんな風に聴いてもらいたい?
櫛引彩香:お昼から真夜中まで、それぞれの時間に合わせて、とか、その時間を想像して聴いてもらったらおもしろいかと。「キミとボク」はお昼、「ミッドナイトラブコール」は夜中1時ころとか。。場所というよりは、その人それぞれの時間に合わせて、聴いて欲しいです。まぁ、でも、基本、自由に聴いて欲しいです。

--では、最後に。今後やりたいこと。実現したいことを。
櫛引彩香:トリオでカバー出せたので、今度はソロでオリジナルアルバム作りたいです。いろんな人にアレンジしてもらったり、歌詞を誰かと一緒に書いたりとかもしたいです。自分的には、トリオもソロもやれるときにやりたいし、ライブでは特に、トリオしかやらないとか、ソロしかやらないとか、そんなことを決めずに、活動していけたらなぁと、思っています。

取材&テキスト:平賀哲雄


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