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3年ぶりに、あの感動がステージに蘇るーー。【billboard classics Mai Kuraki Premium Symphonic Concert 2026】は、壮麗なオーケストラと繊細な歌が溶け合う、倉木麻衣のライフワークと呼べる特別なステージだ。2023年以来となる今年の公演は、4月19日にNHKホール、4月24日には神戸国際会館こくさいホールの2か所で開催し、それぞれ東京フィルハーモニー交響楽団と関西フィルハーモニー管弦楽団が演奏を務める。ピアノに榊原大、そして指揮・編曲・音楽監督は倉木麻衣が絶大な信頼を寄せるマエストロ・藤原いくろう。素晴らしい夜になる準備は整った。
4月19日、東京公演の会場は渋谷のNHKホール。満員の観客を前に、オーケストラが奏でるオープニング曲「Prelude for Mai-K」から胸ワクワク。息を呑むほどに美しい、パープルカラーのロココ調ドレスに身を包んだ倉木麻衣の登場に心ドキドキ。幕開けを飾る「Secret of my heart」の、榊原のピアノから倉木麻衣の歌、管楽器から弦楽器へと、音が受け継がれて壮大な高みに至る展開にうっとり。シンフォニックでしか味わえない、押し寄せる音の波が心地よく体を包み込む。
観客に手ぶりをうながし、ペンライトが揺れる中での「Reach for the sky」の、きめの細かいウィスパーボイス。歌詞の言葉をかみしめて、たっぷりと感情を込めて歌う「儚さ」の自由なスキャットと、高まる弦楽器のうねり。そしてバイオリンが奏でる和風メロディから始まる「渡月橋 ~君 想ふ~」の、秋の紅葉を思わせる赤い照明と、せつなく震える歌声。倉木麻衣のシンフォニックコンサートは、歌+楽器ではなく、声がオーケストラの一部に溶け込んで聴こえる。どちらも主役だ。
「シンフォニックコンサートは3年ぶりになるのですが、今日を迎えられたこと、そして会場に足を運んでいただいたこと、本当にありがとうございます。今日はフルオーケストラと指揮者の藤原いくろうさんと共に、ゆっくりとじっくりと、シンフォニックの世界をお届けします」
切なさの中に希望を込めて、桜に思いをゆだねて作った曲をーー。そう紹介して歌った「TOWA ~永久に風に乗る~」は、TVアニメ『名探偵コナン』エンディングテーマとして、東京公演の2日前に配信開始したばかりの最新曲。和歌を音符に乗せて奏でているかのような、美しい言葉とメロディが深い感動を連れて来る、倉木麻衣が作詞作曲を手掛けた素晴らしいバラードだ。続いては洋楽カバー2曲、小粋なジャズ風味の「Baby I’m A Fool」(メロディ・ガルドー)と、ロマンチックバラード「Smile」(チャールズ・チャップリン)をメドレーで。弦楽器のように繊細なビブラートを駆使する、倉木麻衣の歌の表現力には年々磨きがかかっている。シンフォニックコンサートでは、その魅力がより際立って聴こえてくる。
20分間の休憩をはさみ、第二部の始まりはオーケストラとピアノで奏でるモーツァルト「ピアノ協奏曲21番2楽章」の、優美な旋律からスタート。続いて登場した倉木麻衣の、ピンク色の生地に2930輪の春のお花と、432個のラインストーンをあしらったという豪華衣装に、会場のあちこちから感嘆のため息が漏れる。曲は「風のららら」と「Sea wind」のメドレーで、弦楽器が空を舞うように高く歌い、ステージから客席へと吹き抜ける風を感じる、爽やかなひととき。
洋楽バラードのスタンダード曲のような、名曲の貫禄を持つ「Forever for you」から、打楽器の勇壮な響きに導かれて進む「You & I」へ。リズミックな楽曲も得意とする、藤原いくろうのアレンジが素晴らしい。観客も手拍子でリズムに加わる、クラシックコンサートではありえない盛り上がりが楽しい。
「リラック素~What a wonderful world~」も手拍子を味方につけて、会場全体が熱を帯びて一体感がぐんぐん増してゆく。中間部のラップをかっこよく決めて、「みなさんご一緒に!」とコーラスを求める、今夜の倉木麻衣は絶好調。ティンパニやコンガが作るリズムに乗ってトランペットがソロを取る、オーケストラが一体となる迫力も満点だ。そのままスピードをゆるめずに「Everything’s All Right」へ、そして「薔薇色の人生」へ。全員揃って「フー!」の掛け声も息がぴったり、通常のコンサートと変わらないほどのハイテンションで勢いよく走り抜け、盛大なスタンディングオベーションの中で第二部は幕を下ろした。
アンコール曲「always」では、藤原いくろうが観客のコーラスを指揮したり、会場全体に優しさと笑顔が溢れている。歌い終えて観客の声援に応える、倉木麻衣の表情にも達成感がうかがえる。シンフォニックスタイルで新たに取り上げた楽曲も多く、リズミックな曲も増えて、後味は今まで以上にフレッシュだ。3年間の空白を埋めて余りある、定番曲と新たな試みをバランスよく盛り込んだ、およそ2時間のステージだった。
その5日後の4月24日、兵庫公演の会場は神戸国際会館こくさいホール。藤原いくろうが指揮するのは関西フィルハーモニー管弦楽団で、オケが変われば音も変わる。東京と同じオープニング曲「Prelude for Mai-K」は心なしかゆったりとまろやか、包み込むようなあたたかみを感じる。パープルカラーの豪華ドレスを身にまとい、1曲目「Secret of my heart」を歌う倉木麻衣も、より丁寧で落ち着いた歌い方に聴こえる。
続く「冷たい海」は、兵庫公演のみで歌われる日替わり楽曲。過去のシンフォニックコンサートの定番曲だが、ドラマチックなピアノのフレーズと弦楽器のもの悲しい旋律、サビのファルセットのせつなさは、何度聴いてもグッとくる。「儚さ」「渡月橋 ~君 想ふ~」はどちらも和風情緒溢れる歌詞とメロディで、赤を基調とする照明が楽曲の世界観を鮮やかに染め上げる。シンフォニックコンサートは動きが少ないからこそ、音、色、声、空気の振動がダイレクトに五感に届いてくる。
「シンフォニックコンサートを、神戸という思い出のある場所でお届けさせていただくことを、すごく楽しみにしてきました。じっくりゆっくり、フルオーケストラの音を思う存分体感いただいて、自由にお楽しみいただけたら嬉しいです。お水も飲んでいただいてかまいませんので」
東京よりも少しくだけたMCは、きっと関西にゆかりの強い彼女の自然な姿だろう。フルコーラスの歌唱は東京が初めてだった新曲「TOWA ~永久に風に乗る~」は、初演の緊張から解き放たれて自然体に、「Baby I’m A Fool」「Smile」のメドレーも、よりスウィンギーで伸びやかに聴こえる。初回には初回の、二度目には二度目の味わいがあるのがコンサート。百聞は一見に如かずだ。
兵庫公演の第二部も、榊原大の華麗なプレイが堪能できるモーツァルト「ピアノ協奏曲21番2楽章」から始まり、花の妖精のようなピンクのドレスで現れた倉木麻衣に、ため息交じりの感動の声が上がるのも東京と同じ。「風のららら」「Sea wind」のメドレーは、オーケストラが巻き起こす風に乗って、より高くより美しく舞うようだ。「Forever for you」ではバードコールのようなさえずりがどこかで聴こえ、語り掛けるように優しい歌声が柔らかく流れる。倉木麻衣の手の動きに合わせて客席でペンライトが揺れる、とても美しい光景だ。
ここからはアップテンポのリズムに乗って、フィナーレまでは一直線。「You & I」は両手の振り付けでリズムを取りながら、「リラック素~What a wonderful world~」は管楽器の高らかな響きと弦楽器のうねりに乗りながら。東京公演とは打楽器の響きが少し変わり、リズムの強さよりも音色の美しさが強調されるように聴こえるのが面白い。「Everything’s All Right」から「薔薇色の人生」へ、“みんなで一緒に!”と呼びかけて、コーラスと手振りでぐいぐい盛り上げる。アンコール「always」の観客のコーラスの声量も、東京よりも大きくて元気いっぱいだ。歌い終えたあと、スタンディングオベーションの熱狂もすさまじく、客席の灯りがつかなければいつまでも終わらなかったかもしれない。
今年は2回公演のみだったが、3年ぶりのシンフォニックコンサートで見せた倉木麻衣の進化は、今後の活動をさらに楽しみにするのに十分なものだった。11月から12月にかけて開催される、「Mai Kuraki Live Project 2026」もすでに発表済みだ。デビュー25周年を超えてさらに意欲的に、倉木麻衣はファンと共に希望の未来へと進んでゆく。
text:宮本英夫
photo:達川範一
◎公演情報
【billboard classics Mai Kuraki Premium Symphonic Concert 2026】
2026年4月19日(日)
東京・NHKホール
2026年4月24日(金)
兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
出演:倉木麻衣
指揮・編曲・音楽監督:藤原いくろう
ピアノ:榊原 大
管弦楽:
【東京】東京フィルハーモニー交響楽団
【兵庫】関西フィルハーモニー管弦楽団
<公演公式サイト>
https://billboard-cc.com/maikuraki2026
主催・企画制作:ビルボードジャパン(阪神コンテンツリンク)
後援:米国ビルボード
協力:【兵庫】読売テレビ
<セットリスト>
1.Prelude for Mai-K
2.Secret of my heart
3a.【東京】Reach for the sky
3b.【兵庫】冷たい海
4.儚さ
5.渡月橋 ~君 想ふ~
6.TOWA ~永久に風に乗る~
7.Baby I’m A Fool ~ Smile
8.ピアノ協奏曲 21番 2楽章(モーツァルト)
9.風のららら ~ Sea wind
10.Forever for you
11.You & l
12.リラック素~What a wonderful world~
13.Everything’s All Right
14.薔薇色の人生
EC.always
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