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King & Princeが、2人体制では初の4大ドームツアー【King & Prince DOME TOUR 2026 STARRING】の東京ドーム公演を開催した。映画をテーマにした7thアルバム『STARRING』を引っさげた本ツアーは、その濃密な世界観をダイナミックなスケールで具現化した、まさに彼らにしか成し得ない究極のエンターテインメント・ショーだ。55,000人のティアラ(ファンの呼称)が眩い光の海を作った2月18日公演の詳細をレポートする。
永瀬廉と髙橋海人の2人体制になって1000日――。2月15日にその大きな節目を迎えた彼らは、開演前の囲み取材で「駆け抜ける感覚でやってきた」(髙橋)、「振り返る暇もなかった。これからも一歩一歩、噛み締めながら2人で歩んでいきたい」(永瀬)と語った。さらには、冬季五輪のタイムリーな話題に絡めて「我々は“れんかい”ペア。アイドルオリンピック出場中です」と永瀬が笑わせたり、「廉のことが今ではすべて愛おしい」と髙橋がストレートな相方愛を爆発させたりする場面も。何気ない言葉の端々や、何度も顔を見合わせる仕草から、今の2人の強固な絆と信頼関係がよく伝わってきた。
そして訪れたライブの開演の刻。自分たちらしく、誠実に進み続けてきた彼らの“1000日の答え”が、ここからめくるめくステージとなって展開されていく。King & Princeのライブは、常に観客の想像の“斜め上”をいくオープニングで一気に心を奪い去る印象が強い。前回のドーム公演では宇宙服をまとい会場の中央から現れ、遡ること4年前のアリーナツアー【~Made in~】では暗転後に即「ichiban」の鮮烈なダンスで度肝を抜いたことが今も脳裏に焼き付いている。そんな必然的に高まる期待のハードルを、彼らは今回も軽々と飛び越えてみせた。場内に突如として出現した、高さ約15メートルの2台のタワー。圧倒的な存在感でそびえ立つその最上部、覆われていた布が振り落とされると、すさまじい輝きを放つ2人の姿が。モニターが捉えた、天からのギフトとしか思えない麗しいビジュアルにドームが揺れた。
タワーに乗ったまま1曲目「Stereo Love」を歌い、2・3階の観客にも急接近した2人は、その後、約100メートルの長い花道をウォーキングする。赤いライトに照らされた“道”はさながらレッドカーペットで、割れんばかりのティアラの声援を浴び、2人が授賞式へ向かうようだ。ボルテージがさらに高まるなか、続く「Theater」のイントロが流れると、会場は揺れるような歓声に包まれる。SNSで大きなバズを巻き起こしているこの曲は、今の彼らの勢いを象徴する超ホットなナンバー。楽曲のパワーもさることながら、絶妙に力の抜けたこなれ感と、要所でビシッとキメる緩急――確かなキャリアに裏打ちされたパフォーマンスに胸をわし掴みにされた。
懐かしいナンバーも盛り込んだ多彩な冒頭ブロックを駆け抜けると、ライブはより重層的なものに。バルコニーから登場した「Sunset」は、ロマンティックな夕景の映像を背負って歌う2人がただただ美しい。星空が彩った永瀬のソロ曲「Darling」は、シックで大人の色香が漂う。持ち前の美声を轟かせるだけでなく、後半はダンサーと共に白いグローブの“腕”で魅せるフォーメーション・ダンスを展開。視覚的にも観客をクギヅケにした。
MC明けは、永瀬が吉川愛とともにW主演を務める映画『鬼の花嫁』の主題歌「Waltz for Lily」を初披露。優雅な雰囲気でスタンドマイクの前に立ち、ワルツの3拍子が印象的な楽曲をエモーショナルに歌い上げる。運命の出会いと純愛を描いた歌詞がじんわりと胸に染みわたる中、歌い終えた髙橋が「ウチの相方が映画やってます!」と改めてアピールしたのも微笑ましいワンシーンだった。
そして、この日の東京ドームが未だかつてない種類の一体感に包まれたのは、50TA(狩野英孝)が提供した「希望の丘」だ。「差し上げます」「頂きます」という独特のコール&レスポンスが、満員の東京ドームで再現される。55,000人が一斉に「頂きます」と頭を下げ、両手を前に差し出す光景は、壮観を通り越してもはや“ものすごいものを見た”という感覚に近い。ティアラがいないと成立しないファン参加型のステージに永瀬と髙橋もノリノリで、心の底から楽しそうな笑顔を浮かべていた。クセ強、かつ最強のキラーソングを、彼らがまた一つ手に入れたことは間違いない。
ライブの後半戦は加速度を上げハイスピードで畳みかける。髙橋のソロ曲「this time」では、彼のアーティストとしてのカリスマ性が爆発した。アンニュイな表情から一気に熱を帯びると、枕や寝具といった小道具を用いた独創的なパフォーマンスで観客を惹きつける。自ら作詞した歌詞を、少しのユーモアと小洒落たエッセンス、そして抜群のダンススキルで体現してみせた。
大量のハート型バルーンが舞い降りた「HEART」、いつ見ても少女漫画の世界に引きずり込まれるような夢見心地になる「シンデレラガール」。ザ・アイドルのKing & Princeを提示したかと思えば、「moooove!!」では一気にアングラなヒップホップの世界へといざなう。この特大の振り幅とギャップに、ティアラは何度だって恋をしてしまうのだろう。トキメキの落とし穴……? 恋の魔法に期限なんてないのだ。筆者が最も心を激しく揺さぶられたのも、この対極にある2曲の流れだった。
さらに、驚くべきはここからだ。2021年のシングル「Magic Touch」(当時は5人編成)を、初めて2人体制で披露したのだ。全編英語詞、世界的ダンサーであるメルビン・ティムティムが振り付けた高難易度のこの曲を、今、2人で見せるという“覚悟”に鳥肌が立った。いや、むしろ、「今だからできる」と彼らは確信したのかもしれない。ここで冒頭の囲み取材の様子が脳裏をよぎる。永瀬は「今が一番、海人のことが好き」と明かしたが、その確かな絆と信頼が、「この曲を一緒に上書きしよう」という挑戦につながったのではないか。360度回転する炎のスリリングな特効を背負った最高にクールなダンスは、記者席からでもスタンディング・オベーションを送りたくなるほどのベスト・パフォーマンスだった。
ラストを飾ったのは、髙橋が「みんなが僕たちKing & Princeと初めて出会った日のことを思い出して聴いてください」と呼びかけた「MEET CUTE」だ。ファンタジックな空気感の中、2人からティアラへのたっぷりの愛と幸せを届けるような、心がほかほかするエンディングが極上だった。
ステージセット、小道具、映像、衣装……、細部にいたるまで彼らのこだわりが凝縮された今回のツアー。2人での再始動後、彼らの様々なプロダクツは頭一つ抜けたセンスの良さが際立ち、それがファンの裾野を広げている部分もあると感じる。守りに入るのではなく、2人だから到達できる表現、魅せられるストーリーに舵を切ったブランディングは、1000日という月日を経て大成功だったと断言できる。
「前回の3大ドームツアーとはまた違ったステージになればと話し合って、強い曲たちをバランスよく入れられた。ライブ期間中はずっとワクワクしています。」(永瀬)
「昨年のツアーで、2人でもドームを掌握できるんだと不安が自信に変わりました。今回は一段とブチかましていきたい。」(髙橋)
本番前に聞いた2人のコメントが、改めて胸に染みる。そこにあったのは、King & Princeという唯一無二のエンタメを追求した、誇りと自信に満ちたステージだ。たった2人で広大なドームを埋め、全32曲という大ボリュームのセットリストを全力で完走するのは並大抵のことではない。その原動力は、彼らのモノ作りへの情熱と、ティアラへの深い愛に他ならない。同時に、どんなときも2人の手を離さず、支え続けるティアラの揺るぎない想いにも胸がいっぱいになった。
Text by 川倉由起子
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